============================================================================ おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 001号 1998年 6月22日発行 By マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/ ────────────────────────────────────── おじさん瓦版は、氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ* パソコン*電話)とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週、  平易かつ簡明に解説してお届けいたします。 ============================================================================ <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.「FAX情報サービス」に関するサイトがオープン 02.分譲マンション入居者全員にWebTVをプレゼント 03.Windows 98日本語版正式発表、7月25日発売 04.郵政省と文部省がインターネットを利用した教育に関し提言 05.インターネット白書'98より ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.ソニー、スカイパーフェクTV用STB生産倍増 02.衛星でプロモーション番組をレコード店に配信 03.衛星移動体データ通信、9月よりサービス開始 04.放映権止まらぬ高騰 ============================================================================ ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ────────────────────────────────────── ●「FAX情報サービス」に関するサイトがオープン http://www.jafsa.or.jp/ 日本FAX情報サービス協議会が、FAXを情報端末として利用する「FAX情報サービス」 に関するサイトをオープン。身近なメディアであるFAXを利用した情報サービスの現 状、活用方法など、ビジネス、暮らしに役立つヒントを集めた。「FAX情報サービス のメリット」や、「FAX情報サービス100選」のページなどがある。 > インターネット全盛時代だからこそ、もういちどFAXを見直すべきかも知れない。 > 3年前、私もFAX情報サービスのビジネス化を検討したことがあり、いろいろなサ > ービスを試してみたが、既存のどのサービスもコンテンツが貧弱でほとんど利用す > る気にならなかった。 > 要するにコンテンツ次第である。身近な・手軽なメディアとしてFAX(そして紙媒 > 体)のニーズは当分なくなりそうもない。 > 「おじさん瓦版」のFAX版もいずれ発行するつもりです。(^J^) ────────────────────────────────────── ●分譲マンション入居予定者全員にWebTV(*1)をプレゼント 大分の建設会社が、鹿児島市に建設中(完成2000年7月)の分譲マンションの入居 予定者全員にWebTV端末を無償で提供するそうだ。 入居前は、建設現場写真や工事の進捗状況、生活関連情報などを電子メールで提供。 入居後は、管理組合のWebページを用意したり、電子メールによる回覧板などのサー ビスを提供するという。電話料金とWebTVの利用料金は各自負担。 (*1)WebTV 既存のテレビでインターネットが使えるサービス。専用端末をテレビと電話回線 に接続することにより、パソコンのモニターの代りにテレビ画面、キーボードの代 りにリモコンを使ってホームページの閲覧や電子メールの送受信ができる。 利用料金は1ヶ月2000円(15時間まで) > PR及び話題作りの一環か?バブル崩壊以降マンション需要が本格的に回復したと > は聞いたことがない。 > WebTVもあれこれ販売促進にやっきになっているようだが、これまでのインター > ネットテレビと同様の道を辿るに違いない。なぜって、テレビ画面は眺めるもの、 > パソコンは画面は見つめるもの、粗いテレビ画面ではホームページを眺めるのは > とてもつらいですネ。 ────────────────────────────────────── ●Windows 98日本語版正式発表、7月25日発売 マイクロソフト鰍ヘ、17日米Microsoft会長ビル・ゲイツ氏が出席し、Windows 98 日本語版の発表会を開催。NEC、ソニー、富士通、松下電器の各社社長が出席。東芝 社長もビデオレターを寄せた。 Windows 98の日本語版の発売は、7月25日(土)。Windows 98プリインストールパソ コンの販売も同日から開始。なおWindows 98英語版の発売予定日は6月25日。 推定小売価格は通常パッケージが24,800円、アップグレードパッケージが13,800円。 > 独禁法問題など紆余曲折があったが、98はほぼ予定通り発売される。メーカーに > とっては何はともあれ一安心といったところか。でもユーザーは冷めているよう > だし、昨年来落ち込んでいる個人需要喚起の起爆剤にはなりそうもない。 > 壇上にならんだ、メーカーの顔ぶれが面白い。コンピュータの雄、NEC・富士通に、 > 家電の雄、ソニー・松下、マイクロソフトの狙いは一目瞭然!! ────────────────────────────────────── ●郵政省と文部省がインターネットを利用した教育に関し提言 http://www.mpt.go.jp/whatsnew/edu_inet.html 郵政相と文相の私的懇談会が130ページにおよぶ提言書を公表。 教育情報の充実、有害情報のフィルタリング技術の開発、教員のインターネット利用 能力育成、サポート体制の整備、光ファイバー等を利用した高速回線の導入、通信料 金等の負担軽減等の活用促進策を強調。 > 全国約4万校の小中高等学校のうち、現在インターネットに接続しているのは約18% > だそうな。これに対し、米国では78%の学校が接続。 > 文部省は2001年までに全ての中・高等学校、2003年までに全ての小学校をインター > ネットに接続という目標を掲げているが、景気対策の目玉の真水のなんとかからも > 情報通信関連はいつのまにか消えてしまっていた。 > もっともな提言だが、こんなんでは日米格差はますます開くばかり。(>_<)ヽ ────────────────────────────────────── ●インターネット白書'98より http://www.ips.co.jp/book/4886/4886.htm 先般公表された、インプレス社のインターネット白書'98より我が国の主なインタ ーネット事情をいくつか紹介します。 ・インターネット人口は、1,000万人を突破。1年間に176.6%の大幅な伸び。 ・男性が76.6%、女性が23.4%で、依然として男性ユーザーが大半を占めるが、 女性の比率は昨年の9.5%から大きく上昇。 ・INSネット64住宅用回線は、'95年度末に1.7万回線だったものが'96年度には 18.8万回線、'97年には63.4万回線と急速に普及。 ・プロバイダーの数は、'97年3月の1,703社に対して'98年3月には2,661社と依然 増加傾向だが、実際にサービスを提供しているのは1,000社前後。 ・'97年の国内インターネット媒体への推定広告費は約60億円。前年の16億円に 比べ約4倍の市場規模に。 ・インターネット放送のサイトは、1,000件以上。オンライン店舗は8,900件以上。 ============================================================================ ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ────────────────────────────────────── ●ソニー、スカイパーフェクTV用STB(*)生産倍増 7月の旧JスカイB側の本格放送開始に合わせ、スカイパーフェクTV用STB「DST-D-9 00」(57,000円)を現在の月産2万台から4万台に倍増。DST-D-900は旧パーフェクTVと 旧JスカイBの両方のサービスを受信できるのが特徴で、割安感が受け品薄状態が続い ていたため。2放送対応機種はソニーが先行し、シャープ、東芝も発売。 (*)STB Set Top Box(セット・トップ・ボックス)の略。衛星放送(BS,CS)受信用チューナ ー、インターネットTV端末、双方向テレビゲーム機などの総称。 テレビに接続して、衛星放送やCATVを受信したり、インターネットに接続してパソ コンモニターの代りに使ったり、オンラインゲームを楽しんだりするための装置。 > インフラで儲け(スカイパーフェクTVの筆頭株主)、ソフトで儲け(豊富な音楽、 > 映像資産)、ハードで儲け(STB等)という次世紀に向けた三位一体のソニー事業 > 戦略の面目躍如。デジタル家電でのマイクロソフトとの提携もまさにこのため。 > 出遅れた松下、東芝、日立・・・さぁ、どうする? ────────────────────────────────────── ●衛星でプロモーション番組をレコード店に配信 新興レコード会社のエイベックスが、7月より衛星デジタルラジオ放送局「ミュー ジックバード」の電波のすき間を利用して、独自編成した所属アーチストのプロモー ション番組を配信。首都圏中心に有力レコード店100店の店頭に設置するディスプ レーで、顧客層や時間帯に応じて異なる映像と音楽を流し、レコード店の営業支援と 自社CDの売上増目指す。 > 衛星を使ったデータ放送活用策の一つとして注目されるが、インフラが何故ミュー > ジックバードなのかがよくわかりません。せっかく独自のプロモーション番組を作 > るのなら、たった100店のレコード店だけに流すのはもったいない。コンテンツ > を複合利用(例えばCSデジタル放送の音楽チャンネルで使ったり、インターネット > でも使ったり)すればより効果的・効率的だろうに。 > ミュージックバードの受信には専用の受信端末・チューナー、さらにデータ放送受 > 信にもパソコン用の専用受信ボードが必要。わざわざマイナーなインフラを選んだ > のはきっと別の思惑があるのでしょうね。 ────────────────────────────────────── ●衛星移動体データ通信、9月よりサービス開始 オーブコムジャパン(*1)、低軌道周回衛星(*2)を使った衛星移動体データサービス を9月より開始。基本料金一端末当たり月3000円、情報量1バイト当たり0.5円を予定。 車両の位置や配送状況などのデータを配送管理センターとリアルタイムでやりとりで き、低コストを武器にまず物流業界を開拓。 同サービスとして、デンソーが静止衛星(*2)を使った「オムニトラックス」を提供。 (*1)オーブコムジャパン オーブコムは地上約730Km、周期90分の小型低軌道周回衛星36基による全世界をカバ ーする低速データの双方向サービス。大倉商事、三井物産、九州松下電器、KDD等 日本企業と米オーブコムが日本での営業やシステム管理を行う現地法人として設立。 (*2)低軌道周回衛星、静止衛星 衛星には静止衛星と周回衛星の2種類がある。静止衛星は赤道上空の高度36000Kmの軌 道を24時間で周回するため、地球から見て相対的に静止状態に見える衛星で、周回衛 星は2〜6時間で地球を一周する衛星を高度500Kmから20000Kmの間に打ち上げる。一般 的に周回衛星は静止衛星より低軌道に打ち上げるため、衛星や打ち上げ費用が安く、 端末やアンテナが小型化できるといわれる。 > 数年前、伊藤忠が主体となり長距離トラックや物流運搬車の運行管理用に米国で開 > 発された「オムニトラックス」サービスが、JCSATを用いて我が国でも開始された。 > が、採算がとれず経営が悪化、モバイルマルチメディアやITS(Intelligent Trans > port System 高度道路交通システム)に注力するデンソーがこれを引き継ぐことに > なった経緯がある。 > その後、このサービスが順調との情報は聞いていない。二匹目はどうなる(?_?) ────────────────────────────────────── ●放映権止まらぬ高騰 サッカーワールドカップ仏大会の放映権料は格安の6億円弱で、NHKは「BSは全部や る」合言葉に、視聴率を稼ぎまくり、笑いが止まらない。が、FIFA(国際サッカー連 盟)が、2002年と2006年の放映権を世界の放映権を複合メディア企業の独キルヒと、 アディダス傘下のスポリス(スイス)連合に約2600億円で売却したとされ、2002年の 日本向け放映権料の提示価格は40倍の240億円ともいわれる。 五輪や他の有力スポーツイベントでも熾烈な視聴率競争を背景に放映権が高騰、有料 テレビでの独占放映と、国民が等しく視聴できるユニバーサルアクセス権とを巡る議 論が活発に。 > メディア王マードックの最たる成功要因はキラーコンテンツの独占放映権の獲得で > ある。特に映画とスポーツ。アメフト(NFL)、サッカー(欧州リーグ)そして最 > 近のドジャース買収もこの戦略の一環に他ならない。 > 先般、伊藤忠が映画配給会社の東北新社と組み、ワーナーブラザーズなど米大手4 > 社の映画の有料放送での独占放映権を、10年間で800億円前後といわれる未曾有の > 価格で獲得とのニュースがあった。金に糸目を付けない日本企業はハリウッドには > 格好のカモ」と映っているらしい。こんなことをしていては、CSの料金は高くなる > ばかりで、加入者が増えないという悪循環が目に見えている。 > 総合商社の中でメディア分野に最も先行している伊藤忠がこの体たらくでは、CSの > 明日は本当に暗い・・・(>_<)ヽ ============================================================================ ◇このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行し ています。(http://www.mag2.com/)  配信の停止や配信先の変更は、次のページでお願いいたします。 http://www.micle.co.jp/kawaraban.htm ◇バックナンバーも上記URLよりご覧いただけます。 ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ────────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行 マイクルコーポレーション◆◆ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ============================================================================