========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 007号 1998年08月04日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── おじさん瓦版は、氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ  *パソコン*電話)とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎  週、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.大型再編が相次ぐ通信業界 ・国際通信の二大巨頭、米AT&Tと英BT提携 ・米地域通信大手ベル・アトランティックがGTE買収 ・KDDとテレウェイ合併調印 02.ソニー、米CATV大手TCIに次世代STB用基本ソフトを供給 03.コンビニで、電子決済用プリペイドカード販売 ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.レコード会社9社、ディジタルCS音楽放送を著作権法違反で提訴 02.特集.衛星関連リンク集 ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●大型再編が相次ぐ通信業界 ・国際通信の二大巨頭、米AT&Tと英BT提携 米英の最大手通信会社、米AT&Tと英BT(British Telecommunications)は、 国際通信分野で提携、合弁会社設立を発表。1年以内に新会社設立、株式は両社が 50%ずつ所有。事業本社は米国東部に置かれ、全世界で約5,000人を雇用、設立後 最初の1年で100億ドル規模の総事業収入を予定。 両社の事業資産を活かし、インターネットプロトコル(IP)ベースのネットワークを 国際的に構築、音声/データ通信事業や電子商取引などのサービスを展開する。 ・米地域通信大手ベル・アトランティックがGTE買収  ベル・アトランティックと大手地域・長距離電話会社GTEが合併合意。買収総額 約520億ドル。先に合併合意したSBCコミュニケーションによるアメリテック買 収(買収総額620億ドル)に次ぐ業界2番目の規模。司法省や連邦通信委員会(FCC) の承認を条件に、99年夏に合併予定。 両社の97年度売上高の単純合計は530億ドル、加入回線6300万、従業員25万人。 SBC−アメリテックは売上高410億ドル、加入回線5500万、従業員19万人。 (参考NTT:売上高450億ドル(1ドル140円)、加入回線6040万、従業員19万人) ・KDDとテレウェイ合併調印 http://www.kdd.co.jp/press/98-058n.html KDDとテレウェイ(日本高速通信)は7月29日合併契約書に調印。合併期日は12 月1日で当初より2カ月遅れ。新社名はケイディディ(KDD)。合併後の売上規模は 約4250億円とNTT、DDI、日本テレコムに次ぐ第4位の通信事業者となる。 交渉長期化の理由は、親会社のトヨタを筆頭株主にしたいテレウェイとKDDとの 間で、合併比率が決まらなかったため。テレウェイ側が折れ、筆頭株主は郵政省共 済組合で持ち株比率9.26%、トヨタ自動車は8.43%で第2位の株主となった。 > ここ数年、アライアンス(alliance 同盟、協力)という言葉をよく耳にする。 > 次世紀への生き残りを賭け、通信業界でも欧米のメガキャリア(*1)同士が、また > 我が国では長距離キャリアを中心に、国際、移動体各キャリアが合従連衡に取り > 組んだ。しかし、急速に進む通信自由化と、インターネットなどデータ通信分野 > の急成長で、中途半端なアライアンスは時代遅れの状況となった。 > 競争に勝ちぬく手段は、トラベラーズとシティコープ、そしてダイムラーベンツ > とクライスラー同様「総合化」と「巨大化」に他ならない。 > 結果、米長距離通信No.4ワールドコムによるNo.2MCIの買収(BTはMCIの > 買収を狙ったが失敗)、米大手地域通信会社同士の合併、そして今回の米英トッ > プ会社同士の提携(事実上の国際部門の合併)が起こった。 > 我が国では、日本テレコムとITJの合併、NTTとIDCの提携、セルラーと > IDOの提携、そしてようやくKDDとテレウェイが合併調印にこぎつけた。 > 「巨大化」と「総合化」には程遠い。 > 国際通信分野にはこれまでAT&T中心の「ワールドパートナーズ」、BT中心 > の「コンサート」、独仏両テレコム中心の「グローバルワン」の3つのアライア > ンスがあった。KDDは「ワールドパートナーズ」陣営に参画、AT&Tとの盟 > 友を自認していた。今回の提携で「ワールドパートナーズ」は解消。 > 延々1年間も主導権争いにうつつを抜かし、貴重な時間を浪費した結果、新生K > DDはスタート前から新たな戦略構築を迫られることになった。 (*1)キャリア(Carrier) 一般に通信事業者のことを言う。我が国ではNTT以外の新規通信事業者を総称し てNCC(New Common Carrier)と呼ぶこともある。 メガキャリアとは巨大通信事業者のこと。 ───────────────────────────────────── ●ソニー、米CATV大手TCIに次世代STB(*1)用基本ソフトを供給 TCI(テレ・コミュニケーションズ)は、2000年から販売するCATV受信用デジタ ルSTB向けに、ソニーのミドルウェアソフト(*2)と基本ソフト(OS)の採用を発表。 OSは、先にソニーとデジタル家電で包括提携したマイクロソフトのWindows CEも採 用されるが、マイクロソフトは家電向けミドルウェアを自社開発しておらず、ソニ ー製が全面採用される見込み。 ソニーは、国内のCSデジタル放送スカイパーフェクTV向けにも同様ソフトを組み込 んだ受信端末を出荷する計画。 (*1)STB (Set Top Box セット・トップ・ボックス) 衛星放送(BS、CS)受信用チューナー、インターネットTV端末、テレビゲーム機など の総称。テレビに接続して衛星放送やCATVを受信したり、インターネットに接続し てパソコンモニターの代りに使ったり、ゲームを楽しんだりするための装置。 (*2)ミドルウェアソフト OS(オペレーティング・システム)とアプリケーションソフトとの間で動くソフト。 Windows95とワープロソフトのWordをつなぐ日本語変換ソフトのMS-IMEなど。 > 瓦版第 002号 http://www.micle.co.jp/kawara.htm でも紹介したが、先般AT > &TがCATV網を利用した家庭向け次世代通信網構築を目指すため、TCIを480 > 億ドルで買収すると発表。これが成功すればCATV用STBが、家庭用マルチメディ > アのかなめとなる可能性が大きく、ソニーが一歩も二歩も先行したと言える。 > 出遅れた松下、日立等他社の巻き返しは成るか?! ───────────────────────────────────── ●コンビニで、電子決済用プリペイドカード販売  http://www.bitcash.co.jp/ (Bit Cash)  http://www.ibm.co.jp/mms/  (MMS)  http://www.webmoney.ne.jp/ (Web Money)  ビットキャッシュ社は、電子決済用プリペイドカード「BitCash」を10月よりサ ンクスやローソンなどコンビニに置かれているマルチメディア端末MMS(*2)でプ リントアウトして販売すると発表。また同様のカード「Web Money」を販売するア スキーサムシンググッド(ASG)も、カードをサンクス加盟店で販売すると発表。 いままでパソコンショップや書店などの一部でしか扱っていなかったカードを、コ ンビニで扱うことで、手軽に購入できるようにして利用者を拡大する狙い。 (*1)電子決済用プリペイドカード カードにあらかじめ書き込まれた特定情報をパソコンソフトや、画像、音楽データ などインターネット上のデジタルコンテンツの購入時に入力して決済する。 クレジットカードでは難しい10円程度の少額決済が行なえるのが特長。 (*2)MMS(マルチメディア・ステーション) コンビニ等に設置された、パソコン内蔵のタッチパネル式ディスプレーを備えた情 報端末で、オンラインショッピング機能やインターネット接続機能などを備えてい る。ATM(現金自動預け払い機)や、ISDN用公衆電話との複合機も開発されている。 > ホームページにアクセスしたところ、Bit Cashの加盟店は50社、Web Moneyの加盟 > 店は59社でした。ジャンルは電子出版や各種情報サービス、音楽・カラオケ、写 > 真集、アニメ・コミック、ゲーム、素材集などです。 > いずれも単品ではクレジットカードを使うほどの金額ではなく、またセキュリテ > ィが十分確保されているとは言いがたいインターネットの現状では、クレジット > カード決済には未だ抵抗もあります。 > システムの着眼点は素晴らしいと思いますが、普及には取扱店を増やすことも必 > 要でしょうが、このシステムしか使えない核となる加盟店すなわちコンテンツを > 如何に確保するかの方が肝要でしょう。 ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●レコード会社9社、ディジタルCS音楽放送を著作権法違反で提訴  ビクターなど大手レコード会社9社は、ディジタルCS放送「SKY PerfecTV!」の運 営主体日本デジタル放送サービスと、同サービスで100チャンネルの音楽放送「ス ターデジオ」を提供している第一興商の2社を著作権法違反で提訴。 スターデジオは“放送”ではなく、MD(ミニディスク)などの録音を想定した“音楽 ソフト配信サービス”だとし、放送差し止めと総額1億3500万円の損害賠償を求め た。スターデジオが“放送”にあたるのかどうかが最大の争点となる見通し。 > 先回の瓦版006号で第一興商と日本音楽著作権協会(JASRAC)が暫定合意したこと > を取り上げた。 http://www.micle.co.jp/kawara.htm > レコード会社側にとっては、詳細な番組表まで配布することはユーザーの録音を > 前提とした「放送に名を借りたレコード販売」であり、業界の死活問題だとして > 、CDアルバム1枚につき350円の「レンタル用使用料」を取っているレンタル業界 > と同様の特別使用料を請求したい考え。 > 第一興商にとっては、加入者が少なく黒字化の目処が立っていない現状では「な > い袖は振れぬ」状況。一般のテレビ・ラジオ局は売上高の約1.5%を「著作権料」 > としてJASRACに、その4分の1程度を「音源使用料」としてレコード会社に支払っ > ており、これに倣った慣習どおりの使用料で合意したい考え。 > 米国には95年に制定された「デジタル演奏権法」でデジタル放送でCDを利用する > 場合、1番組で1枚のアルバムから3曲以内しか放送できないなどの一定のルール > があるようだ。従来の通信・放送の枠組みが大きく崩れつつある中、我が国でも > 早急なルール作りが求められている。 ───────────────────────────────────── ●特集.衛星関連リンク集 先週は衛星関連ニュースが少なかったため、国内の主な衛星放送・通信関連のサ イトをご紹介いたします。 (衛星放送)   スカイパーフェクTV    http://www.skyperfectv.co.jp/   ディレクTV    http://www.directv.co.jp/   ミュージックバード    http://www.tfm.co.jp/MB/   WOWOW ONLINE    http://www.wowow.co.jp/   NHK BSホームページ    http://www.nhk.or.jp/zenbuyaru/   (株)アサヒデンキ    http://www.satellite.co.jp/   CSTV Links    http://www.satellite.co.jp/cstv-link.html (衛星通信)   宇宙通信    http://www.superbird.co.jp/   日本サテライトシステムズ http://www.iijnet.or.jp/JSAT/   ダイレクトインターネット http://www.directint.net/japanese/   NTTサテライトコミュニケーションズ http://www.nttsc.co.jp/   富士通衛星情報サービス    http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/solution/mmc/products/eisei/   衛星ネットワーク    http://www.snet.co.jp/index-2.asp   日本イリジウム    http://www.iridium.co.jp/ ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================