========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 008号 1998年08月11日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── おじさん瓦版は、氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ  *パソコン*電話)とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎  週、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.花王、情報事業から全面撤退 02.新携帯電話サービス「cdmaOne」の出足は目標下回る 03.パソコン向け地上波データ放送に新サービス登場  ・アサヒビール、TBS系でTV番組連動の広告活動開始  ・インフォシティ、フジTVと共同で女性向流行情報提供 ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.郵政省、来年度より「8の字衛星」の研究開始 02.7月末加入者スカイパーフェクTV80万件、ディレクTV15万件 03.CSデジタル放送に資産運用チャンネル登場 ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●花王、情報事業から全面撤退  花王は、フロッピーディスク(FD)に続きCD-ROM事業からも全面撤退、情報機器事 業全体を見直す方針を固めた。激烈な価格競争が続く記録媒体市場で、競争力のあ る独自製品を開発できず累積赤字が300億に拡大したため。 ピーク時に連結ベースで年間1千億円に達した情報事業売上高は、2000年3月期には 限りなくゼロに近づく見通し。今後は、本業の家庭用品事業に注力する。 > パソコンショップや量販店の店頭にうずたかく積み上げられたFDやMO(磁気ディ > スク)など記録媒体の山々。そんな中にKao製のFDを見かけ、何故洗剤メーカーが > ?と疑問に思った皆さんもさぞ多いことでしょう。私もその一人です。 > 洗剤で培った界面活性化学技術がFDの磁性粉塗布などに生かせるとして、化粧品 > や食品と並ぶ新規事業の柱とすべく参入したようです。 > 情報機器の主役はコンピュータ本体、周辺装置やソフトがこれに続きます。記録 > 媒体は脇役の一つにすぎず、独自の商品企画や、価格主導権を花王が発揮するこ > とは不可能でした。販路も当然違います。 > 化粧品や食品分野は、技術面でも販売面でも従来商品の関連分野としてそれなり > に理解できますし、実績もあげているようです。 > 事業の多角化、新規事業分野への進出は多くの成功例もありますが、総合商社の > マルチメディア事業、トヨタの住宅や通信、松下の映画やゲーム機、ダイエーや > 西武(流通グループ)のホテルや遊園地など、本業からかけ離れた分野は、失敗? > 例が多そうです。 > やっぱり「餅は餅屋」かな。 ───────────────────────────────────── ●新携帯電話サービス「cdmaOne」の出足は目標下回る  関西セルラーが7月14日に鳴り物入りで開始した「cdmaOne」の7月の加入数は約 1万5千件で、当初見込みの2万件には届かなかった模様。端末の供給遅れや、従来 の携帯電話に比べ電池寿命が短いことなどが要因か。 NTT関西ドコモ(純増5万)、関西デジタルホン(同3.6万)、ツーカーホン関西(同1万) と3社合計の純増数は先月並で、「cdmaOne」の影響はなかった格好。 > 瓦版第005号(1998年07月21日発行)でcdmaOneのサービス開始を取りあげ、エール > を送ったが、やはり危惧していたことが起こってしまった。 > 過去の私の拙い経験でも、また通信業界でも幾度か繰り返されているように、中 > 途半端な状態でのサービス開始(特にサービスエリア)は必ず失敗した。 > cdmaOneのサービス状況の詳細は知らないが、携帯電話に精通し早速cdmaOneを購 > 入した関西在住の私のメールフレンドから以下のようなメールが届いた。 > ------------------------------------------------------------------------ >>機種は、東芝のCD−10Tですが、cdmaOmeエリアではそれなりに快適に使え >>ますが、所詮ハイブリット機、アナログエリア圏では結構電池が消耗しますね・ >>まあ、IDOのサービス開始の来年4月まで待ちですね・・・ >>アナログユーザーからの買い換えは、それなりに有るようですが、デジタルユー >>ザーからの買い換えは、現行のデュアルモード機はちょっと難しいですね > ------------------------------------------------------------------------ > こんな状態で本気でドコモに対抗できると思っているとしたら、セルラー、ID > Oに明日は無い?(>_<) ───────────────────────────────────── ●パソコン向け地上波データ放送(*1)に新サービス登場 ・アサヒビール、TBS系でTV番組連動の広告活動開始  同社提供のテレビ番組「情報大陸」に連動させ、番組情報や商品情報を提供する 他、電子メールで番組に関する意見を収集したり、視聴者参加のクイズを行うなど 、双方向型番組への利用を進め、テレビCMでは伝えきれなかった商品情報提供効 果などを狙う。 ・インフォシティ、フジTVと共同で女性向流行情報提供  若い女性に関心の高いファッション、グルメ、旅行などの情報を毎日午前11時台 と午後9時台にデータ放送で提供。公募した18-25歳の女性モニターから電子メール で意見を集め、コンテンツ制作に生かす。視聴者参加型双方向番組を目指し、イン ターネットやテレビ番組との連動も検討。 (*1)地上波データ放送 電波のすき間を利用して、本来のテレビ放送とは別の信号を送って各種情報を配信 するサービス。昨年秋から各社が順次サービスを開始、ニュースや天気予報など番 組関連情報や、ショッピング番組と連動したサービスなどが提供されている。 パソコン向けはTBSとフジTVが「Bitcast方式」、テレビ朝日が「ADAMS方式」、 テレビ向けはテレビ東京とWOWOWが「ITビジョン方式」を採用、それぞれ互換性は 無く、受信には専用の受信ボードや端末、または受信機能を内蔵したパソコンやテ レビが必要。 (参考) TBS データパレード http://www2.tbs.co.jp/parade/ テレビ朝日 ADAMS    http://www.tv-asahidata.com/ テレビ東京 ITビジョン http://www.tv-tokyo.co.jp/bangumi/itvision.htm > 地上波データ放送の欠点は伝送能力が40Kビット/秒といかにも力不足で、イ > ンターネット関連のコンテンツには不十分。衛星データ放送は1〜6Mビット/ > 秒の能力があり、大容量コンテンツに適する。 > それぞれ一長一短があり、各々に適したコンテンツが制作され、サービスが提供 > されれば市場は自ずと出来てくると思うが、各社がばらばらの方式を採用してい > る地上波データ放送の現状では、先は暗いだろう。現に受信端末や内蔵テレビ、 > パソコンはほとんど売れていない。私も、全く買う気は無い。 ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●郵政省、来年度より「8の字衛星」の研究開始  郵政省は来年度から、衛星の軌跡が日本とオーストラリアの上空に輪がある8の 字を描くことから「8の字衛星」と呼ばれる3個の人工衛星が交代で日本上空をカ バーする衛星通信システムの研究を始めることを決めた。。 従来の静止衛星は日本からの仰角が約40度で、高層ビルが立ち並ぶ都心部では移動 体の衛星通信は難しかったが、このシステムではいずれかの衛星が日本の真上近く にいることになり、車でビル街を走っていても、途切れずに衛星との通信回線が利 用可能となる。 > 新システムは是非実現させて欲しい。が、昨日も宇宙開発事業団の技術試験衛星 > 「おりひめ」「ひこぼし」のドッキング実験再失敗のニュースを聞いた。 > 我が国の実用衛星は通信衛星JCSATやスーパーバード、放送衛星BSも米ヒューズ > やロッキード、仏アリアンなど全て欧米メーカー製。衛星打ち上げ用のロケット > も同様である。官民とも次期国産ロケットH2Aで世界市場進出を目論んでいる > ようだが、道は遠い? ───────────────────────────────────── ●7月末加入者スカイパーフェクTV80万件、ディレクTV15万件 ディレクTVの7月単月の加入者増加数が約1万2千件にとどまったのに対し、スカ イパーフェクTVはディレクの約4倍の加入者を獲得した模様。スカイの好調要因は 合併効果でチャンネル数が増加したことや、ディレクの宣伝もありCSデジタル市場 全体の認知度があがったことなどによると見られる。 > 瓦版でも何度も取り上げているが、我が国放送メディアの健全な発展のために、 > CSデジタルの成功は不可欠である。そのためには2社の競争状態が望ましい。 > ディレク頑張れ!! ───────────────────────────────────── ●CSデジタル放送に資産運用チャンネル登場  伊藤忠ファイナンス、朝日生命、光通信などが出資するインベステーションは、 9月よりスカイパーフェクTVで投資判断や資産運用に役立つチャンネル「インベス テーション」を開始する。株式、生損保、投資信託、先物など金融商品の入門番組 や、運用成績のよい投信ベストテン、市況情報、税金情報等の番組を流す。無料放 送とし、業界関係会社や法人の広告収入で運営する。 > こういう専門チャンネル(しかも無料の)が出来ることは非常にうれしいです。 > 因みに、CSデジタルの経済・ビジネス関係のチャンネルは現在以下のとおり。 > ニュースが中心で、まだまだ寂しいですネ。 > ・日経サテライトニュース(スカイパーフェクTV、ディレクTV) > ・CNBCビジネスニュース(スカイパーフェクTV、ディレクTV) > ・ブルームバーグテレビジョン(スカイパーフェクTV、ディレクTV) > ・Mチャンネル(スカイパーフェクTV) ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================