========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 011号 1998年09月01日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.米大手プロバイダーPSINetが、リムネット買収 02.ベンツ日本、事故情報通報システム「E-call」を開始 03.携帯電話は危険で、最悪のコミニュケーション手段? ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.BSディジタル放送15社が認定申請。任天堂・京セラは見送り 02.スカイパーフェクTV、10月より新パッケージ商品投入 ★お勧めBOOK 岬 兄悟著「インターネット危機一髪〜無法の電脳世界をグリグリ探検〜」 ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●米大手プロバイダーPSINet(*1)が、リムネット(*2)買収  http://www.rim.or.jp/ (リムネット) http://www.psi.net/ (PSINet)  個人向けインターネットプロバイダーの草分けリムネットは、全株式を米PSINet 社に100%譲渡、事実上買収されたことを発表。 大手企業に対抗するための事業資金調達と、PSINetの持つインフラや技術力活用が 狙い。小林社長は留任、リムネットの社名やサービスも従来通り提供される。 企業向けサービスに強いPSINetは、個人向け主体のリムネット買収で日本でのシェ ア拡大を狙う。アジア展開の拠点としてもリムネットを活用。 (*1)PSINet 89年に世界初の商用インターネットプロバイダーとして設立。 北米、欧州など12カ国で現地プロバイダー買収や子会社設立により事業展開。 顧客企業数約4万社、97年売上高約1億2千万ドル (*2)リムネット ベッコアメと並ぶ個人向ダイアルアップ接続プロバイダーの老舗。 昨年日本初のインターネット電話サービス開始。会員数約7万人、売上高約22億円 > 5月にベッコアメが、ネットワークの高速化やアクセスポイント増強などインフ > ラ事業をテレウェイにアウトソーシング(業務の外部委託)した。プロバイダー > 事業にNTTやKDDなど通信事業者や大手家電・コンピュータメーカーなどが本格進 > 出、資本力・技術力のいるインフラ事業でなく、コンテンツ配信など付加サービ > ス事業に集中するためである。 > 3年前にはプロバイダー(ISP)は僅か50数社にすぎなかった。現在約2700社。 > アリのごとく群がった多くのベンチャーや、本業と何ら関係の無い中小企業は忽 > ち淘汰の時代を迎えた。 > リムネットの狙いもベッコアメと同じ。通信会社系、メーカー系に次ぐ第三勢力 > の独立系プロバイダーとして生き残りを図るために他ならない。 ───────────────────────────────────── ●ベンツ日本、事故情報通報システム「E-call」を開始    ベンツ日本はNTT、松下等と組み、交通事故等を自動的に関係機関に通報する会 員制の「E-call」(イーコール)サービスを9月より日本で初めて開始する。 移動体通信と通信衛星で事故車両の位置を特定、車両に装備された発信装置が自動 的にE-call窓口に連絡、窓口から最寄りの警察や消防署に連絡する仕組み。 昨年開始した交通渋滞などの各種情報提供サービスに続く次世代交通社会へ向けた 新サービス提案の一環。システム価格20万円、料金月2,000円(99年末までは無料) > 次世代のカーナビサービスを巡る国内各社の動きは瓦版003号でも触れた。 >  02.ソニーらカーナビ向けインターネット仕様の標準化団体設立へ >  http://www.micle.co.jp/kawara003.txt > その後も先行のトヨタ(サービス名、モネ)に対し、日産(同、コンパスリンク)陣 > 営に富士重工と三菱自工、本田(同、インターナビシステム)陣営にマツダが参画 > 、ベンツも独自サービスを強化するなど、家電・コンピュータメーカーも巻き込 > んだデファクトスタンダードを巡る合従連衡の動きが慌ただしくなって来た。 >  http://www.tms.ne.jp/ モネ >  http://www.compasslink.co.jp/cplweb/ コンパスリンク >  http://www.mobilelink.or.jp/ モバイルリンク > 本格的な利用者獲得競争はこれから始まるが、貧弱なインフラやコンテンツなど > 当面この市場が大きく伸びるとは思えないが、将来性は高い。 > トヨタ、日産、ベンツはカーユーザー向けに自前設備で情報を収集・管理するシ > ステム、本田はインターネットとの連動システム。幅広い情報を低コストで入手 > できる本田、高級車ユーザーに特化したベンツが有利なように思えるのだが。 > 余談だが、8月28日付ベンツ日本の報道発表資料及び関連情報はこの原稿執筆時 > 点(9月1日 11:10)ではベンツ日本のHPに掲載されていない。 >  http://www.mbj.mercedes-benz.com/ > 「新時代のテレコミュニケーション&メディア事業を展開」と標榜するベンツと > してはいささかお粗末だ。 ───────────────────────────────────── ●携帯電話は危険で、最悪のコミニュケーション手段? ・今年上半期の携帯電話使用中の交通事故、11%増  警察庁のまとめによると、携帯電話の使用中に起きた今年上半期の交通事故は、 昨年同期を112%上回る1248件で、負傷者は10%増の1793人、死者は2倍の22人。 受信操作時が43%を占め、送信操作時23%、通話中17%。手を使わずに話せるハンズ フリー装置付の事故は2件だけ。 カーナビ使用中の事故も20%増の59件で、負傷者は33%増の93人、死者は1人(昨年同 期0)。画面を見ている最中の事故が73%を占めた。 ・携帯電話は最悪のコミニュケーション手段?  8月27日付日経産業新聞の、エスター・ダイソン氏(インターネットについて最も 影響力のある論客といわれる米ジャーナリスト)へのインタビュー記事によると、 日本では電子メールよりも携帯電話の方が急速に広がったという質問に対し、 「携帯電話は常に相手の時間をじゃまするという点では最悪のコミニュケーション 手段だ。インターネットのインフラの遅れもあると思うが、もっと電子メールを普 及させる必要がある。(略)日本に限らず、新しいネット社会には新しいコミニュ ケーションのルールを確立する必要があるだろう。」 > 電気通信事業者協会の携帯電話・PHSの利用マナーに関する意識調査結果によれ > ば、電車内やホテルのロビーなど公共の場所で「非常に迷惑」「時々迷惑」と思 > った人が8割近くに達したという。 > 皆さんの多くも携帯電話・PHSユーザーですね。私もそうです。今一度使用マナ > ーを見直しましょう。また、運転中の携帯電話使用は絶対に止めましょう。 > 女子高生のポケベル遊びには幾分の創造性とコミニュケーションがあったと思う > が、今のケーターイ、ピッチはまさにチャットトイ(CHAT TOY、おしゃべりおも > ちゃ)。膨大な販促経費の投入によるタダ端末が彼女達に格好のおもちゃを提供 > し、コミニュケーション能力を低下させた。 > 移動体キャリアよ、深く懺悔せよ!! ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●BSディジタル放送15社が認定申請。任天堂・京セラは見送り ・2000年開始のBSディジタル放送に民放キー局系5社など、15社が認定申請  2年後に今のテレビより高画質で多チャンネルなBSデジタル放送が始まる。 郵政省への委託放送事業申請は15社。テレビ放送は8社で、民放キー局(日テレ、 TBS、フジ、TV朝日、TV東京)を主体とした事業者と、日本衛星放送(WOWOW)、スタ ーチャネル、ウェザーニューズが申請。使用衛星はBS-4後発機で、4本の中継器を 搭載。うち1本は現行放送のデジタル再送信用。残る3本を2分割で使用するため、6 つのワクを8事業者で競うことになる。 音声放送はFM東京系2社、ラジオ短波系1社など7社が申請。 ・任天堂・京セラは参入見送り  http://www.nintendo.co.jp/n10/news/980821.html  任天堂は、京セラと組んでセント・ギガ(衛星デジタル音楽放送)を主体に、関西 発の衛星放送局計画を進めていたが、セント・ギガの主要株主の賛同を得られず、 計画を白紙撤回。 > BSデジタルは、BS-4後発機を保有・運用する受託放送事業者と、番組を制作・配 > 信する委託放送事業者に分けて免許が出される。受託事業者にはNHK、民放キー > 局、WOWOWが出資する衛星放送システム(BSAT)と、CSを運用する宇宙通信(SCC)、 > 日本サテライトシステム(JSAT)の3社が申請、先月衛星放送システム(BSAT)1社に > 決まった。この認定の経緯と理由に疑問の声があがっているという。すでにBS-4 > 先発機を運用しているBSATにすることで、既存の業界秩序に配慮し新規参入を阻 > 害したのではとの疑問だ。この例に倣えば委託事業者認定も、自ずとBSATに出資 > している民放キー局系とWOWOWの6社で決まり新規参入の余地はない。 > 郵政官僚に透明さと公平さを望むのは所詮無理なのか。   > 任天堂の衛星放送事業での白紙撤回は、マイクロソフト、野村総研と組んだセン > トギガを利用したパソコン向け会員制情報配信サービス事業計画に続き二度目。 > 今回も京セラを巻き込んでの大掛かりなプロジェクトだったが、当初から計画の > 甘さが指摘されていた。 > 稲森氏(京セラ、DDI創業者)に続き、山内老いたり・・・とならねばよいが。 ───────────────────────────────────── ●スカイパーフェクTV、10月より新パッケージ商品投入  旧パーフェクTVの基本パッケージ(パーフェクパックDX、40チャンネル、月3480 円)と旧JスカイBの基本パッケージ(スカイエントリー、18ch、月2440円)を統合 したグランドパック(58ch、月5500円)を投入。従来の基本パックも継続。 来春の本格的統合パッケージ導入の手がかりとして認知度向上を目指す。 > 伊藤忠を中心とする旧パーフェク陣営、マードック・孫連合からソニー・フジテ > レビ連合に主導権が移った旧JスカイB陣営、さらに東北新社やスターチャンネ > ルなどの番組供給会社、それぞれの思惑の違いから合併はしたものの相変わらず > の不協和音が聞こえてくるスカイパーフェクTV。 > ディレクTVの足踏みで一気に加入者を増やすチャンスにもかかわらず、思い切っ > た戦略が打ち出せない。今回の統合パックも単に2つを併せただけ。 > 前述のように2000年にはBSデジタル放送が始まる。CSとBSに技術的違いはほとん > どない。松下、東芝、三井物産、丸紅などはBSへ比重を移しつつあるようだ。 > 伊藤忠、ソニーに残された時間は少ない。 ───────────────────────────────────── ★お勧めBOOK  「インターネット危機一髪〜無法の電脳世界をグリグリ探検〜」  岬 兄悟著 廣済堂出版 \1,600+税  http://www.bekkoame.ne.jp/~greeny/misaki.htm  インターネットの現状と危険性を“裏サイト”を中心にわかりやすく解説。 帯に「インターネット中毒のSF作家が、犯罪すれすれのディープサイトをグリグリ 探検した!初心者も上級者も知れば知るほど青くなるインターネットの危ない罠」 とあるが、いたってまじめな本だ。 氏によれば(私も同感だが)、日本のインターネットは企業のホームページや、当た り障りの無い個人ページなど“表サイト”が30%、アダルト関連や無法状態の掲示 板などの“裏サイト”が70%。  立花 隆氏の「インターネットはグローバルブレイン」が表サイトを中心にやや 専門的に解説したものとすれば、この本はより一般ユーザーに近い視点で裏サイト を主体に解説したものといえる。  氏のネット遍歴・ネット生活について触れ、初心者にカード番号やパスワード漏 洩の危険性、電子メールの危険性、アダルトサイトの危険性などを警鐘し、著作権 問題やネット社会の考え方等についても言及している。 ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================