========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 019号 1998年10月27日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.インターネットはつまらない?解約者続出でプロバイダーの危機 02.急成長カーナビも自動車国内販売低迷で、市場拡大にブレーキ 03.最新OS本当に必要?日本HP、日本IBM“ダウングレード”サービス開始 04.サポートセンター説明員の態度が変わる?Infoweb電話応対を点数評価 ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.スカイパーフェクTV加入者、年内100万人に 02.三洋電機、米社計画の衛星デジタルラジオ放送用受信機第一号を開発 03.日立「ハローキティ」のCSデジタル受信セット&20型TVを限定販売 ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●インターネットはつまらない?解約者続出でプロバイダーの危機  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/inet/43377  日経PC21によれば、ある大手プロバイダーは毎月1万6000人が新規に加入するが、 同時に6000人が退会する。うち他のプロバイダーへの乗り換えでなく「インターネ ットをもう利用しない」退会者が約半数で、チャットやメールなど、コミュニケー ションの面白さを知る前に、辞めてしまう状況が増えつつあると推測。  ホームページを見ているだけなら、テレビを見ている方がよほど面白い。ネット 上のコミュニケーションは、現実の世界と同様積極的に参加しない限り楽しめない。 プロバイダーは、サービスの違いを競うより、ユーザーがインターネットを見限ら ないよう、コミュニケーションの面白さを啓蒙していかないと大変なことになりそ うだと警鐘する。 >  インターネットは様々な機能を持っている。メールや電子会議のようにコミニ > ュケーション(通信)手段として、個人や企業が発信する各種情報を入手するイン > フォメーション(情報)手段として、そして様々な画像や音声を楽しむエンタテイ > ンメント(娯楽)手段として。その混在・融合がインターネットである。 >  現状では、確かにコミニュケーションが先行し、インフォメーションやエンタ > テインメントについてはまだまだ貧弱である。しかし、コミニュケーションの面 > 白さを啓蒙するだけでは解決にならない。現状でも、テレビより楽しめるサイト > は幾つもあるし、使い方さえ解れば情報入手も容易である。皆インターネットの > “本質”を知らないのである。 > “本質”とは情報入手も娯楽も「現実の世界と同様“積極的に参加”しない限り > 楽しめない」ことである。テレビや新聞から一方的に与えられる情報や娯楽に慣 > らされた我国・国民の受動的体質を、自主・自立のそれに変えること無くして、 > インターネットの定着は有り得ない。 ───────────────────────────────────── ●急成長カーナビも自動車国内販売低迷で、市場拡大にブレーキ  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/gen/43585  日経マーケットアクセスの調査によると、今年上期のカーナビの国内出荷台数は 対前年同期比21%増の約60万台。市販品市場(*1)21万台、純正品市場(*2)39万台。 昨年は、特に純正品市場が5割を超えるペースで急拡大したが、今年に入り自動車の 国内販売低迷で市場拡大にブレーキがかかった。  下期以降も伸び率は鈍化し、通年では対前年比18%増の135万台になる見込み。 (*1)自動車部品販売店や家電量販店などでの、個人購入による後付け分 (*2)自動車の生産ラインでの装着分と系列カーディーラーでのオプション販売分 >  携帯電話やPHS同様、急成長市場にカーオーディオ、自動車部品、家電など関連 > メーカー30社近くがこぞって参入、激しい開発・販売競争を繰り広げた。一つの > ヒット商品でシェアが大きく変動、立ち上がり時はパイオニア、ソニーが二強を > 形成。95年にアルパイン、松下通工が上位を奪い、97年はパイオニアがDVD投入で > 巻き返す。東芝のようにすでに撤退したメーカーも。 >  今年上期の市販品の市場シェアは、松下通工27%、パイオニア18%、アルパイン > 11%、クラリオン9%で、DVD対応型機種を投入した上位2社の寡占化が進む。純正品 > はトヨタにOEM供給するアイシンAWが25%でトップ、三菱、本田に供給する住友電 > 工が16%で第2位。 >  ソフトの品揃え不足など家庭用AV分野では伸び悩むDVDだが、CDに比べ7倍の記 > 録容量を持ち、CDならば6,7枚必要だった地図ソフトを1枚に記録できるDVDはカー > ナビにとって絶好のメディア。寡占化と下位メーカーの淘汰が一気に進む。   ───────────────────────────────────── ●最新OS本当に必要?日本HP、日本IBM“ダウングレード”サービス開始    10月20日付日経産業新聞によれば、日本ヒューレット・パッカードは企業向けパ ソコン購入者を対象にOSを「ウィンドウズNT4.0」から「同95」にダウングレードす るサービスを開始した。「ウィンドウズ98」から「同95」にダウングレードするサ ービスは日本IBMも始めており、企業ユーザーが必ずしも最新のOSを求めているわけ ではない傾向が改めて鮮明になってきた。 >  個人ユーザーは最新のハードやソフトのニーズが強いが、企業は社員全員のメ > ンテナンスの手間や、システムの総管理コスト削減から使い慣れたシステムやソ > フトを利用したいというニーズが強い。メーカーはハードの更新を機に、ソフト > のアップグレードも勧めたいが、景気低迷が続く中で、新たな投資額を抑えたい > との企業の意向もあり、ユーザーの強い要望に配慮したとのことだ。 >  企業ユーザーだけでなく、個人ユーザーも全く同じ。メーカーの都合で4半期毎 > に繰り返されるチェンジにはうんざりだ。過剰スペックも不要だし、ほとんど使 > わない機能やソフトも不要。無け無しの金を払って新機種を買ったものの、トラ > ブル続きでは、目も開いていられない。(幸い私のパソコンは2台とも大きなトラ > ブルは無かったが、息子のノート型は2台とも買って1ヶ月経たないうちに、メー > カーのドッグ行き。帰って来ても常にどこかが不調) >  技術とニーズの乖離が進んだが故に、パソコンバブルが弾けた。再生への近道 > は最新技術でなく、既存技術の“熟成”こそである。 ───────────────────────────────────── ●サポートセンター説明員の態度が変わる?Infoweb電話応対を点数評価  10月20日付日経産業新聞によれば、富士通のプロバイダー事業infowebを運営する ジー・サーチは、サポートセンター説明員の接客態度を点数評価する制度を導入。 電話問い合わせの応対を接客の専門家が傍受、水準以下の説明員は交代させる。 説明員100名の大半は人材派遣会社からの派遣社員で、わかりやすく、ていねいな説 明ができる人が少ないとの批判がでていたため。  応対改善で、新規加入者増加と退会者の減少につなげる。 >  infowebに限らず、パソコン、インターネット関連企業のサポートセンターは押 > し並べて評判が悪い。私の経験でもマイクロソフト、NIFTY、ソニー・・しかり。 > さすがに受付時間が平日の9時から5時までというような所は無くなったが、電話 > がつながらない、難しい問題はたらい回しといった状況は今でも変わらない。 >  そもそも、サポートセンターは企業の最前線で、この応対如何がCS(customer > satisfaction 顧客満足)の要である。よく言われることだが「苦情を言う客が最 > 上の顧客」とは、苦情により製品やサービスの不具合が解るだけでなく、苦情へ > の対応が良ければCSがより向上し、不動の固定客となってくれるからである。 >  サポートセンター要員の大半を派遣社員に任せるなど、私には到底信じられな > い。ましてや、本社の社員が傍受して評価するなど、派遣社員のプライドを否定 > し、モラル低下を招く以外の何者でもあるまい。 ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●スカイパーフェクTV加入者、年内100万人に  22日の同社三田社長の会見で、加入数の90万突破を発表。合併によるチャンネル 数増加で、合併前より伸び率が25%増え、年内の100万件突破は確実と語る。  チャンネル計画(現在の161チャンネルを来年3月末までに194に)や、パソコン向 けデータ放送「スカイパーフェクPC」の事業化(来年1月)方針も明らかにし、BSデジ タル放送が始まる2000年3月末までに200万件の加入者獲得を目指したいと語る。 >  何はともあれ喜ばしい。でもチャンネル数の増加が加入者獲得の最大要因だと > 考えているとしたら、これ以上の伸びは期待できまい。2000年3月まで後1年半、 > 現在の増加ペース(月約4万)より、5割増しでも200万には届かない。 >  量より質。番組内容の一層の充実で、何より既存加入者を逃がさないこと。 > そして視聴チャンネルと視聴時間を増やすこと。これができれば、新規加入者は > 黙っていても必ず増える!! ───────────────────────────────────── ●三洋電機、米社計画の衛星デジタルラジオ放送用受信機第一号を開発  10月23日付日経産業新聞によれば、三洋電機は米の衛星放送ベンチャー「ワール ドスペース」が、来年アフリカ・アジア・中南米向けにサービスを計画している広 域多チャンネル衛星デジタルラジオ放送向け専用受信機の一号機を開発した。  価格は未定だが10万未満に抑えたい考え。受信可能地域の大半を占める発展途上 国で、デジタル製品の市場開拓を進める戦略商品と位置づけ。  三洋他、松下、日立、ビクターの国内4社が開発・製造権を得ている。 >  専用衛星3基を打ち上げ、世界人口の8割、46億人を対象にサービス開始という > 壮大な計画。システムの詳細は不明だが、欧米先進国では視聴できないようだ。 > 日本でも一部の携帯電話と周波数帯が重なり受信できないとのこと。 >  専用受信機の開発・製造権を得ているのは上記の我が国4社のみ。“物作り”は > まだまだ我が国企業に優位性があるということだろう。 ───────────────────────────────────── ●日立「ハローキティ」のCSデジタル受信セット&20型TVを限定販売  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9810/1021.html  日立製作所は、サンリオとの共同企画により「ハローキティ」を採用したスカイ パーフェクTV対応受信セットと、20型ワイドテレビを12月21日に発売。本体の色に パールピンクを採用、電源を入れるとキティちゃんが挨拶する。  受信セット(75,000円)500台、ワイドテレビ(59,000円)1000台の限定生産で、小さ い子供のいる家庭向けに売り込む。 >  「投資家“鈍牛・日立”にそっぽ」先週、ライバル東芝に35年ぶりに株価で逆 > 転された翌日の日経産業新聞の見出しである。来年3月期決算で2,600億(うち半導 > 体事業だけで1,200億)という巨額の最終赤字に陥る見込みだそうだ。 >  日経ビジネスは6月1日号の特集「沈むな!日立−重電の危機を改革の好機に」 > で、内科的な小手先の改革でなく、これまでのやり方を根底から覆す外科的な大 > 胆な改革に取り組まずして、日立の明日はないと指摘した。 >  今更キティちゃんでもないだろうに、しかも500台、1000台とは。 ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================