========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 020号 1998年11月03日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.学校向けインターネット導入促進策、NTTなど相次ぎ発表  ・NTT、IIJ等特別料金割引制度の導入表明  ・インターキュー、学校向け低価格レンタルサーバーサービス開始 02.日本オラクル、NCTVを本格展開へ。日本語対応システムを発売 03.富士ゼロックス、デジタルコンテンツの“利用権”流通技術を開発 04.SOHOに最適?キャノン、1台5役のオールインワンタイプ複合機発売へ ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.独自開発の情報衛星導入へ。政府が素案まとめる 02.BSデジタル放送参入事業者決定。民放系5社、WOWOWなど10社を認定 ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●学校向けインターネット導入促進策、NTTなど相次ぎ発表 ・NTT、IIJ等学校向け特別料金割引制度の導入表明  9月末の野田郵政大臣の検討要請を受け、学校でのインターネット普及のための料 金割引制度設定を各企業が表明。NTTは学校向けに限りISDN回線の通話料を月額100 時間で9,000円程度と、現行の半額以下の水準で来年中に提供する。IIJも学校向け 特別割引を12月から開始、月額2500円(年額3万円)の定額制で一般向けサービスの約 半額で提供。富士通やNECも実施予定。 ・インターキュー、学校向け低価格レンタルサーバーサービス開始  http://www.interQ.or.jp/interq/press/press.html#100225  同じく要請を受け、法人向けサービスを学校向けに月額料金4分の1以下にした「 interQ ED」を開始。ホームページスペース10MBと独自ドメインによるメールアカウ ント100個で月額1万円。12月1日より受付を開始。 >  全国約4万校の我が国の小中高等学校のうち、インターネット接続は約20%。 > 米国ではすでに80%近くの学校が接続しており、生徒がいずれ成人し社会の中心と > なる21世紀には、彼我の差はとてつもなく拡大する。 >  郵政省は2003年までに全ての学校をインターネット接続する方針を打ち出し、 > 今年度第一次補正予算でも基盤整備費を要求したが、大蔵省にゼロ査定された。 > 今回、景気対策臨時緊急特別枠に関連経費など1,031億円を盛り込むよう再度要望 > するようだ。数十兆円単位の数字が飛び交う中、僅かこの程度の金額すら獲得で > きないようでは、存在価値は無いに等しい。聖子大臣にとっても正念場。名前と > 毛並みとルックスだけではいずれ落選の憂き目に! >  なお、ネット上に公式、非公式にかかわらずホームページを開設している学校 > 数は、信州大学のリンク集では約4300校で全国の約10%。高校約1700(31%)、中学 > 校約1200(11%)、小学校約1400(6%)。 >  http://cert.shinshu-u.ac.jp/sch/net/welcome.html ───────────────────────────────────── ●日本オラクル、NCTVを本格展開へ。日本語対応システムを発売  http://db.oracle.co.jp/news/owa/news.NEWS_DETAIL?p_news_code=221  http://www.sol-tec.co.jp/  日本オラクルは、家庭のテレビでインターネットを利用できる「NCTV」の日本語 対応システムを発売。端末用ブラウザーソフトと、サービス構築用のサーバーソフ トで、同時にNCTV端末は日本ソルテックが「ETV-2000」を発売する。  企業や自治体への導入を進め、その後家庭を中心としたコンシューマ市場への普 及を図る考えで、さくら銀行がオンラインバンキングサービスを予定している他、 シティバンクが顧客向け金融情報サービスへの採用を発表している。 >  サン・マイクロと並ぶ反マイクロソフト陣営の急先鋒オラクル。 > その戦略商品として一昨年提唱したのが「NC(ネットワークコンピュータ)」。ソ > フトやデータをサーバー側で集中管理し、必要な都度端末に呼び出して使うため、 > ハードディスクや高性能CPU・メモリーは不要、端末価格は500ドル前後に抑えら > れ、システムの総管理コスト(TCO)もパソコンに比べ4-6割削減できるという極め > て斬新な概念であった。この概念をTV端末に発展させたのが「NCTV」。 >  マイクロソフトも即座に同概念の「ネットPC」を提唱して対抗したが、パソコ > ンの低価格化やソフトや製品開発の遅れで、いずれも普及は進んでいない。 >  マイクロソフトのインターネットTV端末が「WebTV」。対抗が「NCTV」。企業向 > けデータベースソフト市場ではNo.1の力を誇るオラクルも、家庭市場は未知の分 > 野。WebTVも伸び悩んでおり、家庭市場開拓は難しい??   ───────────────────────────────────── ●富士ゼロックス、デジタルコンテンツの“利用権”流通技術を開発  http://www.fujixerox.co.jp/release/981026.html  急速に進むデジタル化で複製が容易となった書籍・雑誌/映画・ビデオ/写真/音楽 /ゲームなどのコンテンツ。これらをネットワークを含む多様なメディアで利用する 際の新たな権利概念と、流通システム構築を目的に新しい電子チケット技術「DDSA (デジタル・ドキュメント・セキュリティ・アーキテクチャー)」を開発した。  所有に対して商品価値を見出す物理的な商品と異なり、(複製が容易な)デジタル コンテンツの場合は所有の特定自体が無意味になっているとして、“利用権”によ る新しい流通技術を提唱。 >  同社が言うように本格的なデジタルコンテンツビジネスの確立には、コンテン > ツ著作者の権利をいかに保護するかという問題と、利用者への課金をどのように > 実現するかという、どうしても解決しなければならない双子の問題がある。 >  この解決策として、これまで著作権などで堅固に保護されていたコンテンツを > いったん複製自由にして、利用する毎に課金しようとする新しい発想と技術が「 > DDSA」。こういう柔軟で斬新な発想ができるのは、“コピー”を生業としてきた > 同社ならではであろう。 >  過渡期の今、パソコンやインターネットの普及にブレーキがかかり、旧勢力の > 生き残り策や巻き返しも激しさを増している。時代の大きな流れは誰にも止めら > れはしない。デジタル時代に相応しい新しい思想や技術の誕生は必然である。 >  新たな価値観・ビジネススタイルへの方向転換は避けられない!! ───────────────────────────────────── ●SOHOに最適?キャノン、1台5役のオールインワンタイプ複合機発売へ  http://www.canon-sales.co.jp/Whatsnew/1998-shimo/pr_mpb10.html  パソコンと連動して使用する1台5役のPCサイド複合機「MultiPASS B-10」を11月 13日に発売。価格は98,000円。バブルジェット式カラープリンター、普通紙ファク シミリ、カラースキャナー、カラーコピー、PCファクシミリをW400×D365×H205mm (トレイ類除く)のコンパクトボディに一体化。 >  パソコン周辺商品の開発スピードと価格ダウンも、パソコンに負けず劣らず。 >  マイオフィス(格好よく言うと)にも、前述の機器は一応整っている。もちろん > 単能機で、コピーは6年前45000円程で買った連続複写の出来ない白黒コピー機、 > プリンター(30000円程)、スキャナー(50000円程)は一昨年デスクトップPC導入時 > に購入、FAX(65000円程)は普通紙対応機をオフィス開設時に購入。締めて19万円。 >  コピー機は本当に良く活躍してくれている。トナー代が高い(13000円程)のが辛 > いが。次に使うのがプリンター、FAXは週1程度、スキャナーはホームページ作成 > 時以外は埃を被っている。性能・機能はいずれも上記新製品より遥かに劣り、狭 > いマイオフィスではこれらのスペースも馬鹿にならない。 >  新しくSOHOを始める方には最適の商品かも(^J^) ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●独自開発の情報衛星導入へ。政府が素案まとめる  10月31日付朝日新聞によると、北朝鮮による「テポドン」発射をきっかけに、情 報収集のための衛星導入を検討していた政府は、安全保障や災害など危機管理への 活用を主目的とする「情報衛星」4基を2002年度までに打ち上げる構想の素案をまと めた。衛星は日本の独自開発を前提とし、総開発費用は約1500億円と見込んでいる 模様。自民党との調整などが済めば、11月末開催見通しの臨時国会に提出される今 年度第3次補正予算案に関係費用を盛り込む。 >  瓦版10号 郵政の「空の電波塔」計画と通産の「低コスト衛星」計画 >  http://www.micle.co.jp/kawara010.txt > でも指摘したが、今更独自開発でもあるまい。我が国政府(すなわちお役所)は、 > よくよく国産(すなわち業界保護)が好きらしい。 >  同紙によれば、衛星導入をめぐっては、自民党の「情報衛星に関するプロジェ > クトチーム」が、早期導入の観点から「米国製の購入や開発協力も検討する」と > した提言をまとめているとのこと。これも別の“族”議員のなせる技か。 >  我々国民一人一人がメディアリテラシーを身につけ、情報衛星そのものの必要 > 性を含め冷静に判断しよう!! ───────────────────────────────────── ●BSデジタル放送参入事業者決定。民放系5社、WOWOWなど10社を認定  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/981027j702.html  郵政省は電波管理審議会の答申を受け、HDTV(高精細度テレビ)放送に民放キー局 5系列と日本衛星放送(WOWOW)の6社、現行並みSDTV(標準画質テレビ)放送に前記6社 と映画専門放送のスター・チャンネルを認定。音声放送は前記HDTV6社と、FM東京系 2社、日本短波放送系1社計9社を認定。民放系各社は年内にも新会社を設立する。 >  予想どおり、落選したのは民間気象情報会社のウェザーニューズ、BS音楽放送 > のセント・ギガなど4社。民放5系列とWOWOW6社の認定内容は、HDTV:1チャンネル、 > SDTV:3チャンネル、音声:2チャンネルと判を押したように全く同一。またもや我 > が国の横並び体質が露呈した。 >  HDTVで何を流すのかといった具体的番組編成や、有料か無料かといった放送形 > 態で独自性が打ち出せなければ、ワイドショーやニュース、お笑い、ドラマなど > 似たり寄ったりの番組内容が氾濫する地上波と同様の状況が出来する。CSデジタ > ルや地上波デジタルとの激しい視聴者獲得競争も待ち受け、1社500億から1000億 > かかるといわれる総事業費の回収は容易ではあるまい。 >  NTTの一人勝ちを招いたのは、業界音痴のNCC各社の経営者とその貧困な経営戦 > 略。新会社のトップはいずれも地上波テレビの出身者で放送業界のプロ。 >  くれぐれも通信業界の二の舞とならぬよう期待したい。 ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================