========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 022号 1998年11月17日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.マイクロソフトとクアルコム、携帯端末用ネットワーク技術で提携 02.松下のデジタル家電戦略、本格化?  ・コンパックとパソコン用地上波デジタルTV受信装置を共同開発  ・WebTV新サービス用受信端末発売 03.DVDの本格普及へ弾みがつくか?  ・「TSUTAYA」、DVDレンタルサービスを800店舗で開始  ・日本IBM、多機能携帯型DVDプレーヤー発売 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.インターネットを超える?英で双方向テレビ始動  ・BスカイB、デジタル放送向け双方向情報サービス会社設立  ・BIB、衛星デジタル放送向け双方向サービスを来春にも稼動 02.CSデジタル、新チャンネル開設ラッシュの中で撤退・休止も相次ぐ ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●マイクロソフトとクアルコム、携帯端末用ネットワーク技術で提携  http://www.microsoft.com/presspass/press/1998/Nov98/QualcommPR.htm  http://www.qualcomm.com/news/pr981110c.html  マイクロソフトと無線通信技術の米クアルコム(*)は、ワイヤレス通信でインター ネットを利用するための技術を開発する子会社「Wireless Knowledge」を共同設立。 AT&T、Bell、GTEなど大手電話会社と提携し、PDAやノートパソコンなどモバイル機 器とデジタル携帯電話を用いた新たなネット用機器やシステム、ソフトを開発・提 供していく予定。 (*)クアルコム  次世代移動体通信システムの世界統一規格として有力なCDMA方式を初めて実用化、 基本特許を持つ。米国陣営が提唱するcdmaOne方式(日本ではセルラー・IDO連合が採 用)のリーダー企業。日本・欧州陣営はNTTの提唱するW-CDMA方式で対抗。 > 携帯端末向け基本OS「ウィンドウズCE」の普及を目指すマイクロソフトと、CDMA > の標準化で国際的な主導権を握りたいクアルコムの思惑が一致した。 > 「ウィンドウズ95/98」でパソコン分野を席捲したマイクロソフトの次の狙いは家 > 電(特にテレビ)と自動車と通信(特にワイヤレス)。その基本構想が「ウェブTV」 > 「オートPC」、そして今回のクアルコムとの提携で打ち出されるであろう新構想。 > 「CE」をこれらに搭載することで狙いは成就する。 >  既存業界の本音はマイクロソフトの進出阻止。が、マルチメディアの行く先は > まだ誰にも明確に見えていない。で、ソニーも松下もNTTもクアルコムも、マイク > ロソフトと組まざるを得ない。 ───────────────────────────────────── ●松下のデジタル家電戦略、本格化? ・コンパックとパソコン用地上波デジタルTV受信装置を共同開発  http://www.compaq.com/newsroom/pr/pr091198b.html  http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn981110-2/  jn981110-2.html  松下電器とパソコン最大手コンパックは、パソコン用の地上波デジタルTV受信用 チューナと、MPEG2(*)デコーダボードの共同開発を発表。2枚組のボードをパソコン に差し込むだけで、現在考えられているあらゆる方式のデジタルTVと、現行アナロ グ放送を見ることができる。来月よりサンプル出荷、来春には1セット10万円程度で 発売予定。販売目標は初年度5万セット。 (*)MPEG(エムペグ:Moving Picture Experts Group)  カラー動画像の圧縮・伸張方式の国際規格。MPEG1は動画データを最大1.5Mビット /秒に圧縮、VHSビデオ並みの画像が得られる。MPEG2は最大60Mビット/秒に圧縮、 HDTV(高品位TV)並みの高品質画像が得られる。 ・WebTV新サービス用受信端末発売  http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn981112-1/  jn981112-1.html  家庭用TV向けインターネットサービス「ウェブ・ティービー・ネットワークス」 が12月から開始する新サービス「WebTV Plus」専用の受信端末を来月発売。  ホームページの閲覧や電子メールの送受信機能などに加え、TV番組と連動した情 報アクセスや、番組ガイド、番組検索機能など、テレビとの融合をより進めている。 >  グレン上院議員と向井さんが搭乗したスペースシャトルの打ち上げ中継を皮切 > りに、米国で今月から地上波デジタルTV放送が開始された。提供地域の限定や、 > 提供番組の少なさ、そして5000ドル以上する高額な受信機器など、全米でデジタ > ルTV視聴者はたった100家庭?とも言われている。 >  我が国でのWebTVサービスもこれほどとは言わないまでも、せいぜい数万台で目 > 標に遥かに及ばない。受信端末もソニーのみが供給していた。 >  さて、松下・ソニーはデジタル家電で既にマイクロソフトと提携している。米 > WebTVは、マイクロソフトがデジタル家電戦略のため昨年買収した会社で、端末面 > はソニーがバックアップしていた。コンパックは周知のようにマイクロソフトと > 尤も親密なパソコンメーカー。 >  デジタル家電分野でのハードメーカー同士の提携は初のケース。今回の提携は、 > ソフト・ハードのトップ企業同士で強者連合を築き、世界市場でライバルソニー > をリードしようとの思惑の下に行われた。? ───────────────────────────────────── ●DVDの本格普及へ弾みがつくか?  DVD:Degital Video Disc/Digital Versatile(多目的な) Disk ・「TSUTAYA」、DVDレンタルサービスを800店舗で開始  ビデオ/CDレンタルチェーン最大手TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエン ス・クラブ(CCC)は、DVDソフト及びDVDプレーヤーのレンタルサービスを11月20日か ら全950店舗のうち、展示スペースを持つ800店舗で順次開始する。料金は店舗や作 品、レンタル日数によって異なるが、1本300〜500円。プレーヤーは500〜800円。 ・日本IBM、多機能携帯型DVDプレーヤー発売  http://www.ibm.co.jp/pc/option/xd4008b/xd4008ba.html  4倍速DVD-ROMドライブと、MPEG2デコーダを内蔵、テレビに接続しDVDビデオや音 楽CDを再生できる多機能携帯型DVDプレーヤー「XD-400M」を発売。価格は98,000円。  IBMが家庭用のAV(音響・映像)機器を発売するのは初めて。 >  CD並みサイズで、4.7ギガバイトというCDの約7倍の大容量を持つDVD。ビデオや > CD、CD-ROMやCD-R/RWに代わる次世代の家電、パソコン用記録・再生メディアとし > て大いに期待されている。 >  昨年、映像ソフトと再生専用プレーヤーが発売された。タイトルの少なさなど > プレーヤーの販売台数は14万(全世界で約80万)と期待外れに終わった。今年に入 > り発売ソフトは年内にも2000タイトルを超え、携帯型プレーヤーも東芝、松下、 > ソニーに加え今回IBMも発売、さらにレンタルも全国展開・・・といよいよ本格普 > 及に弾みがつく、と思ったらそう単純でもなさそうだ。 >  音楽用DVDの統一規格を巡り、東芝・松下等「DVDオーディオ」陣営と、ソニー > ・フィリップス等「スーパーオーディオCD」陣営が、VTRの「ベータ・VHS戦争」 > 並みの争いを繰り広げているらしい。 >  またTSUTAYAのレンタル展開も、最初の100店舗と後の700店舗では、取り扱いソ > フト数に大きな差があり、DVDレンタル解禁と認識するのは早計のようだ。レンタ > ル用ソフトの権利料や発売時期などの調整が業界内でついておらず、ソフトメー > カー側はレンタルに対する慎重姿勢を崩していないとのこと。 >  本格普及はまだまだ先のようだ。 ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●インターネットを超える?英で双方向テレビ始動 ・BスカイB、デジタル放送向け双方向情報サービス会社設立  9日付け日経産業新聞によれば、メディア王ルパード・マードック氏率いる英衛星 放送会社BスカイBは、デジタルテレビ向け双方向情報サービス会社を設立。  画面に直結する、随時呼び出し可能な巨大映像・文字情報データベースを作り、 インターネットのリンクのように番組のあちこちにちりばめ、テレビを見ている最 中に「もっと知りたい」と思ったことを、その瞬間に呼び出せるようにする。  衛星放送始め、CATV局や地上波デジタル局にも新サービスを販売する。 ・BIB、衛星デジタル放送向け双方向サービスを来春にも稼動  同13日付け記事によれば、BスカイB、BT(ブリティッシュ・テレコム)、ミッドラ ンド銀行、松下電器が出資するBIB(ブリティッシュ・インタラクティブ・ブロード キャスティング)は、双方向サービス「オープン」を来春にも立ち上げる。  ショッピング、ホームバンキング、娯楽情報、教育サービス、ゲーム、電子メー ルなどのサービスを提供。 >  新会社の社長に就任したマードック氏の長女エリザベス社長は「英国家庭のイ > ンターネット加入率はわずか9.5%。とりあえず入ってみても、何に使っていいの > か分からず、やめてしまった人も多い。何より大半の人は、キーボード操作が面 > 倒だと思っている」と語り「応答する番組」こそ、デジタルテレビのキラーコン > テンツと断言したとのこと。 >  パソコン・インターネットで先行する米国に対し、英仏始め欧州各国は双方向 > デジタルテレビで対抗する。マードック帝国始め通信・放送会社も「打倒インタ > ーネット」に動き始めた。各国の政府もこれをバックアップする。 >  日本の状況と酷似しているようだが、ビジョンのない我が国政府や通信・放送 > 業界との違いはあまりに大きい。(>_<) ───────────────────────────────────── ●CSデジタル、新チャンネル開設ラッシュの中で撤退・休止も相次ぐ  ディレクTVは12月を目処にチャンネル数を現在の92から155に増やし、スカイパー フェクTVも現在の161を来年3月末までに194に増やすなど、CS業界は相変わらずの新 チャンネル開設ラッシュ。  一方、美容専門チャンネル「スーパー・ビューティー・テレビジョン」がCSでは 始めて放送免許を返上、映画専門チャンネル「アバンツ・レコード」も放送休止。 業界通によればこの他破綻予備軍が最低10社はあるという。 >  撤退・休止事例は、いずれも当初の事業計画通りに加入者が集まらず、資金繰 > りに行き詰まるというパターン。 >  郵政の認定基準の甘さや、プラットホーム運営会社(スカイパーフェクTV、ディ > レクTV)の対応の拙さを指摘する声もあるが、チョット冷静に事業計画を見ればそ > の杜撰さは簡単に分かること。商社や既存メディア業界が権益確保のために作っ > た会社、一時はベンチャーの雄などと持て囃された会社、バブルに群がる有象無 > 象が作った会社などなど・・・。 >  昨年もJIC(ジャパン・イメージ・コミュニケーションズ)が経営不振に陥り、4 > チャンネルのうち2チャンネルの放送を中止した。テレビ局の下請けに甘んじてき > た番組制作会社が集まり、旧態然とした業界に風穴を開けようと始めたベンチャ > ー企業であった。CS草創時には業界のリーダーと持て囃され、CSバブルに群がる > ベンチャーキャピトルやセコム、KDDなど大企業もこぞって出資、資本金は設立時 > の3000万が瞬く間に60億へと膨れ上がった。となると、初心はいつのまにか忘れ > られ、おごりや主導権争いなどお決まりの転落コースが待ち受けていた。 >  プラットホームに続き、チャンネル運営会社にも再編・淘汰の嵐がいよいよ本 > 格的に吹き荒れる。!! ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================