==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 030号 1999年 1月19日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.移動電話4500万台へ。98年年間で携帯:1000万台増、PHS:100万台減 02.インターネットはYahoo!が制覇?日米ともにネットビジネス絶好調  ・米Yahoo!大幅増益で初の年間黒字化。サービス登録者3500万人に  ・Yahoo! JAPAN、10-12月期経常利益過去最高。登録利用者50万人に  ・パソコンのボタンをワンタッチでYahoo!へ。IBMとYahoo!共同戦略で合意  ・「Yahoo! goo検索サービス」開始 03.コンテンツ産業危機!CD-ROM事業は限界、ゲームソフトもマイナス成長へ  ・シナジー幾何学、貸し渋り?倒産。大手3社もCD-ROM事業見直しへ  ・家庭用ゲームソフト、初のマイナス成長か 04.競争時代に突入した欧州の郵便事業。国境越えた事業展開加速 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.CS番組をインターネットで。コジマとケアネットが動画配信 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●移動電話4500万台へ。98年年間で携帯:1000万台増、PHS:100万台減  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/990113d601.html  12月の移動電話加入(速報値)は、携帯電話は93万台増と好調を維持したが、PHSは 11万台減で15ヶ月連続減少の上、先月一旦縮小した減少幅が再び拡大した。  総普及台数は携帯:3900万(人口普及率30.8%)、PHS:598万(同4.7%)、全体では4499 万台(同35.5%)。98年年間では、携帯は1025万台増、PHSは101万台減と、PHS→携帯 の需要シフトが鮮明化した。 >  事業者毎の累計加入台数とシェアは、 > 【携帯電話】 > NTTドコモG セルラーG デジタルホンG IDO ツーカーG デジタルツーカーG >   2233    502     348    324   280     214万台 >   (57.3)  (12.9)    (8.9)   (8.3)  (7.2)    (5.5%) > 【PHS】 > DDIポケットG  NTTドコモG  アステルG > 352 (58.9)   147 (24.6)   99万台 (16.6%) > >  携帯はドコモ、PHSはDDIポケットの寡占化が進んでいる。NTTパーソナルという > 社名はすでに消え、アステル東京も4月に東電系の東京通信ネットワーク(TTNet) > に吸収合併される。昨日の読売新聞はセルラー・IDOの合併交渉を報じた。 >  HPでも指摘したし、かわら版でも何度もコメントして来たので、今回これ以上 > 言及しない。このメールが電子滅入(電子メール)にならないように。(^J^) >  因みにこれは、住友生命が募集している「創作四字熟語」の入選作。 > 脇耳運転(脇見運転)、敬怠電話(携帯電話)、唯我独電(唯我独尊)等携帯関連の入 > 選作も多い。 http://www.sumitomolife.co.jp/jukugo/ ───────────────────────────────────── ●インターネットはYahoo!が制覇?日米ともにネットビジネス絶好調 ◆米Yahoo!大幅増益で初の年間黒字化。サービス登録者3500万人に  http://news.yahoo.co.jp/headlines/hwj/990113/cpt/15035600_wircpt001.html  米Yahoo!の98年年間決算は、売上が前年比約3倍の2億300万ドル、純利益が2600万 ドルと、大幅な増収増益で年間ベースで初めて黒字を確保した。  サービス登録者が3500万人に増え、広告収入が急増。今後広告収入依存からの脱 却を目指し、オンラインショッピングや個人向け金融サービスなど手数料収入の拡 大を狙う。株価も昨年12月時点の倍以上の400ドルの大台を越えた。 ◆Yahoo! JAPAN、10-12月期経常利益過去最高。登録利用者50万人に  ホームページの広告料収入(約4億)の好調により、10-12月期の売上高は5億2千万、 経常利益9800万円で、四半期ベースではいずれも過去最高。「My Yahoo!」など登録 サービスの利用者も50万人を突破した。 ◆パソコンのボタンをワンタッチでYahoo!へ。IBMとYahoo!共同戦略で合意  時事通信社によれば、米Yahoo!とIBMが共同戦略で合意。IBM製パソコンのキーボ ードのボタンを押すと、ワンタッチでインターネットに接続しYahoo!運営のホーム ページに自動的にアクセスするよう設定するとのこと。 ◆「Yahoo! goo検索サービス」開始  http://www.goo.ne.jp/help/n_990111.html  昨年3月発表以来、開始が待たれていた連携サービスがようやくスタートした。  Yahoo!はディレクトリー型検索サービス、gooは全文検索型サービスとして、日本 最大。新サービスは、両者の長所を融合、Yahoo!でキーワード検索を行った場合に Yahoo!のデータベースと一致しない場合、gooで自動的に検索が行われる。 >  ポータル(玄関)競争はYahoo!の勝利で終わる可能性が強そうだ! >  先週Yahoo!で検索していたら、見慣れない検索結果が表示された。すでに連携 > サービスが始まっていたのだ。これは便利である。これまで主にgooを使っていた > が、Yahoo!にアクセスすれば済む。 >  多くのパソコンには、予めメーカー関連プロバイダーへのオンラインサインア > ップ機能や、ワンタッチで自動的にネット接続できる機能が設定されているが、 > 初心者には難しい。キーボード上には一度も押したことの無いボタンが幾つもあ > り、これをワンタッチアクセスボタンとして使うアイデアはこれまで結構話題に > なっていたが、ポータルを目指す戦略として実現する例は今回が初めてだろう。 > >  さて、米国は昨年さながら“オンラインクリスマス”だったようだ。オンライ > ンでプレゼントを購入したり、贈ったりする人が急増、ネット人口の半数以上が > 利用したとの調査結果もある。本、音楽CDなどを販売するAmazon.comは、クリス > マスシーズンだけで新規顧客を100万人以上獲得、売上が前年同期の4倍に達した。 >  しかし、95年創業以来僅か3年で、売上500億以上を誇る最大手Amazonですら、 > これまで1セントも利益を計上していない。華やかなりし数多のネットビジネス皆 > しかりで、Yahoo!が逸早く黒字化したのは業界初の快挙でもある。 >  「インターネットの覇者を目指す」 > Yahoo!の親会社ソフトバンク社長、孫正義氏の野望が着々と実を結ぶ!? ───────────────────────────────────── ●コンテンツ産業危機!CD-ROM事業は限界、ゲームソフトもマイナス成長へ ◆シナジー幾何学、貸し渋り?倒産。大手3社もCD-ROM事業見直しへ  昨年12月、CD-ROM制作の草分けとして、CG(コンピュータ・グラフィックス)ソフ トで通算大臣賞を受賞するなど、世界的にも高い評価を受けていた「シナジー幾何 学」が自己破産を申請した。同社にも投資していたバンダイ系投融資会社「マルチ メディアファイナンス」も11月に特別清算を申請した。  ソフトの知的所有権を担保にしたコンテンツ産業への融資ブームが、深刻な不況 と金融危機で急速にしぼみ、貸し渋りが押し寄せて来たのが要因だが、CD-ROM市場 の深刻な冷え込みが背景にある。  ユーザーは、ゲーム機のようにボタン操作だけで簡単に楽しめるものを望み、CD -ROMのように立ち上げに時間がかかり、操作が複雑なものは嫌う。主流はインター ネットや放送を使ったコンテンツに移り変わっている。  富士通パレックス、ソニー系SIM、NECインターチャネルの大手3社も市場低迷に対 応すべく、発売タイトルの削減、低価格ソフトの拡充の他、事業の重点をCD-ROMか らインターネットに移す。(1月6.7.14日付日経産業新聞より) ◆家庭用ゲームソフト、初のマイナス成長か  機器の高性能化や表現能力の向上で、これまで一貫して右肩上がりの成長を続け てきた家庭用ゲーム市場が、98年度に初めてマイナスに転じる可能性が出てきた。  「ファイナルファンタジー」など、映画並みの人と金をつぎ込んだ“大作”や、 音楽ゲーム「ビートマニア」や鉄道ゲーム「電車でGO!」など従来に無い“新機軸” ゲームのヒットはあるものの、百万本を超えるソフトが5指に満たなく、プレステ 用ソフトの出荷本数も前年を下回る模様。 (1月6日付日経産業新聞より) >  1日24時間のうち、睡眠・食事(生活必需行動)、仕事・学校・家事(社会生活行 > 動)を除く、レジャーやテレビ視聴等の「自由時間行動」は平日で5,6時間で、増 > 加傾向にはあるものの大きくは変化しようがない。 >  通信白書「デジタルネットワーク社会の幕開け〜変わりゆくライフスタイル」 > によれば、当たり前ではあるが、携帯・PHS、インターネット等の利用で、テレビ > 視聴時間は減っている。 >  http://www.mpt.go.jp/policyreports/japanese/papers/98wp1-2-1.html >  テレビを見る、本を読む、音楽を聴く、ゲームをやる、電話でおしゃべり、ネ > ットで遊ぶ・・・。限られた時間の中で各メディアをどう楽しむか。ユーザーを > 楽しませる環境を、競合メディアに負けないようどう構築するか。 >  パッケージ系メディアに対するネットワーク系メディアの攻勢が本格化してき > た。メールマガジンなど電子出版、ソフトや音楽データ、画像の配信・ダウンロ > ード、そしてネットワーク対戦ゲーム等々・・・。 >  パッケージ、ネットワークそれぞれの良さがあり、ネットワークがパッケージ > を駆逐するなどという戯言に組みするつもりは毛頭無い。CD-ROMやゲームソフト > の不振は、業界の未熟さ・稚拙さ、クリエータの貧困さ以外の何者でも無い。 ───────────────────────────────────── ●競争時代に突入した欧州の郵便事業、国境越えた事業展開加速  欧州各国の郵便局が国境を越えた国際展開を急いでいる。  民営化で先行したオランダ郵便局は、すでにオーストラリアと仏の宅配企業を買 収、民営化を来年に控えた独郵便局も、仏宅配会社買収に続き、イタリア、スイス の運送会社を買収する計画。出遅れた仏郵便局も独宅配大手を買収、スペイン郵便 局とも資本提携を結んだ。  単一通貨ユーロの導入を機に、経済の国境が無くなり宅配市場は欧州規模へと一 気に広がった。今後、公共郵便サービスの市場開放も予定され、企業体質を強化し、 欧州市場の主導権を握るのが狙い。(日経産業新聞1月12・13日付記事より) >  我国でも小包郵便の退潮を尻目に、宅配事業は隆盛を極めている。カタログや > 雑誌などの印刷物も、民間の配送サービスが急増、郵便離れが進んでいる。 >  郵便局の基本理念は「郵便局ビジョン2010」によれば、「国民共有の生活イン > フラとして、全国あまねく、いつでも、誰もがユニバーサルサービスを受けられ > る」こと。一方、郵政審議会の試算では、郵政三事業を民営化した場合、郵便事 > 業単独では全国約2万5千の郵便局の約9割が赤字という。 >  http://www.mpt.go.jp/policyreports/japanese/postcouncil/70610k01.html >  目先の不況脱出策に目を奪われ、行財政改革はどこかに飛んで行ってしまった。 > 一刻も早く真の民営化を実現し、スリム化・効率化を図る以外に郵便事業の再生 > はありえない。にもかかわらず、「マルチメディア郵便局」「ハイブリッドメー > ル」実験など、郵政の打ち出す政策は相変わらずのピント外れ。 >  http://www.micle.co.jp/kawara006.txt >  http://www.unisys.co.jp/event/hybridmail/index.html >  郵便事業に、未だ黒船到来せず・・・。(>_<) ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●CS番組をインターネットで。コジマとケアネットが動画配信  http://www.kojima.net/(コジマ)  http://www.so-net.ne.jp/medipro/(メディカル・プロフェッション)  家電量販店のコジマは、動画を活用したHP「コジマ・ウェブゲート」を2月12日に 開設、ショッピング機能を強化する。CS放送スカイパーフェクTVの「コジマショッ ピングワールド」チャンネルの番組映像を活用する。  また、同CS放送で医療機関向け有料専門チャンネル「ケアネットTV・メディカル ch」を運営しているケアネットと、ソニーコミニュケーションネットワーク(ソネッ ト)は、登録会員数の拡大(現在5400名)を狙い、ソネットの医療専門情報ページで、 メディカルchの番組を動画で提供するサービスを開始した。 >  多チャンネルのCS放送は、「マスメディア」には無い新しい価値観を内包した > 「パーソナルメディア」という本質においてインターネットと極めて近い。 >  視聴者は地上波のように一方的に流れてくる番組を受け身で見させられるので > はなく、料金を払って、多数のチャンネルの中から自分の見たい番組を主体的に > 選んで見る。送り手側も、スポンサー企業を意識した視聴率に束縛された番組で > はなく、見てもらいたい人だけを対象とした主体的な番組づくりができる。 >  CSとインターネットの連動は、衛星インターネットそして衛星データ放送によ > り本格的に実現されるが、これに到る様々な試みは、今回のコジマやケアネット > の例や、SKY PerfecPC!などデータ放送の試験サービスなどがあるものの、あまり > にも少なく、かつお粗末なのが現状である。 >  ならば、いずれマイクルがチャレンジするであろう。(^J^) ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================