==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 031号 1999年 1月26日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.AOLジャパン、会員数“ようやく”20万人突破? 02.米CATVインターネット大手@Home(アットホーム)、検索大手Exciteを買収 03.ソニー&サン&フィリップス、ネット家電技術の共同開発で提携 04.ポケベル低迷、加入数ピーク時の4割に落ち込み ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.本格化する?衛星通信ビジネス  ・バクスター、患者宅への医薬品配送管理に衛星移動体データ通信導入  ・ミサワホーム、衛星利用の不動産情報配信サービス拡充  ・岐阜県、衛星使い産業廃棄物運搬車両の監視実験 02.衛星インターネット「Mega Wave」サービス開始 03.スカイパーフェクTV、データ放送を有料化 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●AOLジャパン、会員数“ようやく”20万人突破?  http://www.jp.aol.com/company/release/990121_2.html  AOLジャパンは、会員数が1月7日付けで20万人に達したと発表。97年4月サービス 開始後、98年4月末に10万人、同10月に15万人を超えた。  ここ3カ月の伸びが顕著で、特に12月の純増数は約2万7千人と過去最高、個人向け パソコン市場の回復や、年末商戦でのキャンペーン戦略が功を奏したという。 >  米国の1000万始め、世界で加入数1500万人を誇るAOL。にもかかわらず日本はよ > うやく20万と中堅プロバイダー並。しかもこの数値すら疑問の声がある。 >  電気街やイベント会場での無料体験付入会用無料CD-ROMの大量配布や、何度も > 繰り返されるDM配布はあまりにも有名で、私の所にも数ヶ月毎に何枚も送られて > 来る。このCD-ROMで無料体験後、解約手続きをしたユーザーを「休止状態」とし、 > この数もカウントしているのではないかとの疑問である。 >  AOLジャパンの不振は何故?。米国の加入者急増は、優れたコンテンツサービス > もあるだろうが、同社がいち早く打ち出した19.95ドルという画期的な定額料金制 > にある。我国でも多くのプロバイダーが定額料金制を採用しているが、AOLジャパ > ンは未だ従量制。これじゃ加入者は増えっこない! ───────────────────────────────────── ●米CATVインターネット大手@Home(アットホーム)、検索大手Exciteを買収  http://www.excite.com/merger/  アットホームが、エキサイトを、約67億ドル(約7,600億円)で買収する。AOLによ るネットスケープ買収額(42億ドル)を上回り、ネット分野では最大規模の企業買収。  エキサイトは2000万人の登録ユーザーをもち、検索サービスでヤフーに続く2番手 グループ。アットホームの大株主は米CATV大手テレ・コミニュケーションズ(TCI)。 会員数は現在33万だが、電話回線の百倍以上の高速接続を売り物に、動画などを自 在にやりとりできる次世代ネット市場を開拓中。エキサイトの買収によりポータル サービスにも力を入れる。 >  AT&Tは、アットホームの大株主TCIの買収に続き、昨年12月IBMのネットワーク > 事業買収を発表した。 >  かわら版026号「AT&TがIBMのネットワーク事業を買収、通信分野の相互アウト > ソーシングも」 http://www.micle.co.jp/kawara026.txt 参照 >  今回の買収で、AT&Tのサービスも含め電話ユーザーからCATVユーザーまで、幅 > 広くエキサイトの持つポータル&パーソナライズサービスを提供する構想があると > いう。一大AOL対抗勢力が出来る可能性も強い。 >  我国でも、CATV統括事業会社のタイタス・コミュニケーションズ(伊藤忠系)と > ジュピター・テレコム(住友商事系)が、光ファイバー回線網の共同建設で合意す > るなど、CATVインターネットの普及に向けた動きが見られるものの、如何せんCA > TV自体の普及度があまりにも違う。(米の世帯普及率は60%以上) >  http://www.titus.co.jp/news/n_990107.html >  CATVそして後述する衛星、我国の高速ネット環境は緒についたばかり。 ───────────────────────────────────── ●ソニー&サン&フィリップス、ネット家電技術の共同開発で提携  http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199901/99-0120/index.html  ソニー、米サーバー大手サン・マイクロシステムズ、欧州家電大手フィリップス3 社が、ホームネットワーク環境構築技術の開発で提携。  日立、松下、シャープ、東芝など日欧8社共同開発による家庭用AVネットワーク技 術「HAVi(ハビ Home Audio Video Interoperability)と、サンのネットワーク技術 「Jini(ジニー)」を相互接続する。これにより電話やPDA等で、外出先からJiniネッ トワークを介して家庭のHAVi対応機器にアクセスし、遠隔操作でビデオの録画予約 や、テレビやパソコンの操作等ができるようになるという。 >  ホームネットワーク技術で注目されているのが「HAVi」「Jini」と、マイクロ > ソフトが提唱する「UPAP(Universal Plug & Play)」の3つ。すでにサンはこの分 > 野で松下とも提携している。 >  かわら版027号「着々と進むマイクロソフト包囲網?サンの攻勢加速」 >  http://www.micle.co.jp/kawara027.txt 参照 >  時事通信は、家電メーカーとサンが業界標準になる可能性が強くなったため、 > 取り残される恐れがあるマイクロソフトは互換性確立に最優先で取り組まざるを > 得なく、同社から家電メーカーに低姿勢で接近する必要がある。パソコン業界に > おける同社の圧倒的な「神通力」も、パソコンと家電の技術が融合する「デジタ > ル家電時代」には通用しないということか、と報じた。 >  マイクロソフトがこのまま指を咥えているはずもない。巻き返しは如何に。 ───────────────────────────────────── ●ポケベル低迷、加入数ピーク時の4割に落ち込み  http://www.nttdocomo.co.jp/mc-user/bell/ (NTTドコモ)  http://www.ttm.co.jp/ (東京テレメッセージ)  移動通信の先駆者ポケベルが正念場を迎えている。98年末の加入数は453万台とピ ーク時(96年6月:1077万台)の4割近い水準に落ち込んだ。  多数の端末に同じ情報を同時に送れる、携帯電話やPHSにない「同報機能」を生か した文字情報サービスを拡充、情報端末への脱皮で生き残りを目指す。その補強役 として「発信者課金」という新料金制度や、音声を使ったサービスの提案など新し い試みも動き出した。 (日経産業新聞1月22日付記事より) >  ポケベル事業者はドコモとテレメッセージグループの2社。シェアは概ね拮抗し > ている。両社とも一昨年からビジネス情報や気象情報、プロ野球途中経過などを > 配信、新しいコンテンツも次々と追加されているようだ。 >  しかし、加入数減少に歯止めがかからない。主因は言わずと知れた若者達。か > つて「ベル友」という社会現象を起こし、女子高生に占拠され“つながらなくな > った”ポケベル。ビジネス用途主体のポケベルに彼女達が飛びついたのは、数字 > やメッセージが表示できる文字表示型の機種が出てから。 >  急増する苦情処理や加入・解約手続きなど、事業者は彼女達に振り回され、増 > 強した回線設備も僅か数年で無駄になった。 >  PHSそして携帯もまた若者達に占拠された。 >  歴史は繰り返され、悪夢のシナリオが続く! >  「“過熱”移動電話市場!業界にしのびよる悪夢のシナリオとは 」 >   http://www.micle.co.jp/zakkan.htm 参照 ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●本格化する?衛星通信ビジネス ◆バクスター、患者宅への医薬品配送管理に衛星移動体データ通信導入  http://www.iijnet.or.jp/orbcomm/news34.html (オーブコムジャパン)  代表的在宅医療、腹膜透析(CAPD)の最大手バクスターは、全国8000人の患者に毎 月1回届けている透析液の配送管理に、オーブコムジャパンの衛星移動体データ通信 を導入する。トラックに搭載した専用端末の操作で、情報が衛星経由で配送拠点に 伝わり、運行状況や到着時間を正確に把握できる。  携帯電話では電波の届かない地域もあり、きめ細かな管理が出来なかった。 ◆ミサワホーム、衛星利用の不動産情報配信サービス拡充  http://www.mrd-misawa.co.jp/ (全国衛星不動産情報)  加盟社から提供された物件情報を、モデルハウスや提携不動産会社約2000社に設 置した検索端末に通信衛星(CS)を通じて配信するサービス。顧客の希望条件を登録 し、来場後に条件を満たす物件があれば、自動的に電話で連絡するシステムを新た に導入するとともに、インターネット上でも物件の公開を開始。 ◆岐阜県、衛星使い産業廃棄物運搬車両の監視実験  http://www.seino.co.jp/sis/its/k99114.htm (セイノー情報サービス)  ITS(高度道路交通システム)のモデル実験事業として、「オムニトラックス」と呼 ぶ、GPS通信衛星を利用した産業廃棄物の運搬管理システムを構築する。アンテナや 端末機を運搬車両に搭載して位置や走行経路を常時把握・監視し、廃棄物の不法投 棄防止やリサイクル促進につなげるのが狙い。 >  企業むけ衛星通信ビジネスがようやく本格化しそうな気配だ。昨年日経産業新 > 聞で報じられた主な記事は以下のとおり。 >  10/28 松下電工、衛星通信とイントラネットを利用した双方向社内研修システ >     ムを来春稼動 >  9/2  ベッコアメ、衛星ネット会社設立。中小プロバイダーや企業向けサービ >     スを計画 >  8/26 イマジカ、衛星を利用した映像・音声のデジタル伝送代行サービス開始 >     セミナー、コンサート、スポーツイベント中継等の利用見込む >  8/26 ビー・ディー・エス、中古バイクの衛星オークションシステム構築 >  6/23 河合塾、衛星テレビ授業にデータ通信機能を追加 >  5/26 FM東京とミュージックバード、「ガスト」向けに衛星データ多重放送を >     活用した映像配信開始 >  1/9 ユーステーション、衛星通信を活用した不動産物件情報サービス開始 ───────────────────────────────────── ●衛星インターネット「Mega Wave」サービス開始  http://www.megawave.ne.jp/  NTTサテライトコミュニケーションズは、延期していた衛星インターネット接続サ ービス「Mega Wave」を25日より開始。約30Mbpsの衛星回線を受信専用に利用するこ とで、1ユーザーあたり500kbps〜の高速通信を実現、動画像などが掲載されたHPへ のアクセスや、大容量ファイルのダウンロードが専用線並に高速で行える。  利用料金は、2月末まで無料、3月〜7月が月額4,000円の定額、8月以降は基本料 金+情報量による従量制を予定。  受信には、SKYPerfecTV!対応のデュアルビームアンテナと受信用ボードが必要。 >  サービス延期の要因は、同社の発表によれば、受信ボードの品質チェックのた > めということだが、ウィンドウズOSとの関係で、通信用ドライバソフトの開発が > 遅れたためということのようだ。 >  マイクルでもいずれ導入する予定。評価レポートをお楽しみに。(^J^) ───────────────────────────────────── ●スカイパーフェクTV、データ放送を有料化」  http://www.skyperfecpc.com/  昨年5月より試験サービスを実施、システムやコンテンツの開発・検証を行なって いた、パソコン向け衛星データ放送サービス「SKY PerfecPC!」が25日より有料化さ れた。月額680円の基本料金ですべてのコンテンツを利用できる。  ソフト配信「SKY PerfecPC! 窓の杜」、電子新聞「日刊ゲンダイ」「夕刊フジ」、 電子雑誌「espresso」、ショッピングモール「SKY Perfecぷらら」など。 >  NIFTYの衛星関連フォーラムに「Sky Perfect PC!の終焉。金払う人います?」 > というタイトルのモニターユーザーの発言があった。あまりにもお粗末な内容に > 加え、特定ボードしか対応していないコンテンツもあったようだ。 >  前記の「Mega Wave」との相乗効果も狙っているようだが、前途多難だろう。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================