==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 037号 1999年 3月 9日発行      〜総配信数 1,340部 Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)と  サテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお  届けいたします。   by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ========================================================================== <<お知らせ>>  電網かわら版『必読!マルチメディア』をご購読いただきありがとうございます。  ご協力いただいたアンケートの集計結果を、ホームページにアップしましたので ご覧下さい。ご回答いただいた皆様には別便にて配信させていただきました。  http://www.micle.co.jp/enquete.html  今後の電網かわら版の運営については、アンケート結果、開設準備中の電網企画 会社「マイクルプラン」、また『まぐまぐ』の購読者アドレス非公開方針等を鑑み、 来月より「登録購読&カンパ」制への移行を予定しております。  メールアドレスや簡単な属性をご連絡いただいた皆様、及び電網企画会社「マイ クルプラン」ご参加メンバーには、これまでどおりの電網かわら版を配信させてい ただきます。購読料は無料でもかまいませんが、できれば「カンパ」及び「マイク ルプラン」へのご参加をお願いしたいと思います。  これにともない現在の『まぐまぐ』『Macky!』での配信は、目次や記事の一部を 抜粋した「抄録版」に切り替える予定です。  近々詳細をご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。 <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.ソニー「プレステ2」の概要発表。家庭用端末の主導権狙い、今冬発売  ・ソニー、次世代ゲーム機「プレイステーション2(仮称)」の基本仕様公開  ・ソニー、次世代プレステ用半導体製造に1,200億円投資。東芝とも新会社設立 02.ドコモ、複数契約割引サービスを変更。新電電各社は(>_<) 03.日本でも本格化する?「ホワイトボックス」市場  ・ソフトバンク、ホワイトボックス事業本格化  ・台湾系パソコンメーカー、販売店やSI業者向けにホワイトボックス販売 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.海外の衛星放送業界トピックス  ・マードック氏、仏有料テレビ最大手「カナル・プリュス」に急接近  ・米デジタル衛星放送、巨額投資響き苦戦続く  ・英BスカイBのデジタル衛星放送「スカイ・デジタル」の加入者急増  ・スペインで、サッカー人気試合のPPB放送を30万人が有料視聴 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ソニー「プレステ2」の概要発表。家庭用端末の主導権狙い、今冬発売 ◆ソニー、次世代ゲーム機「プレイステーション2(仮称)」の基本仕様公開  http://www.scei.co.jp/dearscei/press.html  SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)は、全世界で5,000万台を出荷し ているプレイステーション後継機の概要を発表。将来の家庭用情報端末の主導権確 立を目指し、今冬にも国内で発売、海外市場には来秋投入する。主な内容は、 ・画像表現力の画期的向上、映画並に  最先端PCを大幅に凌ぐ128ビットCPU(東芝と共同開発)と、超高速描画プロセッサ  により、髪の毛一本一本や、水面のさざ波など微妙な動きさえもリアルに表現す  る微細高画質CG(コンピュータ・グラフィックス)の世界を実現。 ・DVD/CD-ROMの採用  従来のCD-ROMに加え、DVD-ROMを採用。市販DVDソフトの再生も可能か。 ・下位互換の実現  3,000タイトルにも及ぶ豊富な現行プレステ用ソフトが継続して使える。 ・拡張性の大幅強化  パソコン、キーボード、ビデオデッキ、デジタルカメラ、プリンタ等様々な機器  との接続やインターネット接続が可能に。 ◆ソニー、次世代プレステ用半導体製造に1,200億円投資。東芝とも新会社設立  http://www.toshiba.co.jp/about/press/1999_03/pr_j0401.htm  http://www.scei.co.jp/dearscei/pr/990304b.html  SCEは、次世代プレステの核となる2種類の最先端半導体の量産のため、新会社を 2社設立、計1,200億円を投資すると発表。  東芝と共同開発した128ビットCPU生産のため、東芝と大分市に合弁会社を設立。 東芝大分工場内にラインを新設し今秋から量産を始める。製造ラインをSCEが購入し て東芝側に貸与、運営も任せる。投資額は500億円。  またソニー本体と協力し、グラフィック用システムLSI生産のための子会社を諫早 市に設立。ソニー諫早工場敷地内に専用新工場を建設、2000年春から生産を開始す る。投資額は700億円。新工場建設まではソニー国分工場で生産する。 >  いよいよと言うか、ついにと言うか、プレステ2の基本仕様が公開され、これに > 賭けるソニーの執念と、デジタル家電戦略が見えて来た。 >  発表会のデモ内容に、会場は静まり返り、出席者は声も無く魅せられていたよ > うだ。ソニーが「エモーション・シンセシス(情緒合成)」と呼ぶ、観客が主人公 > に共感して映画世界に引き込まれる、今のゲーム機の水準からあまりにもかけ離 > れたリアルな映像世界に。 > >  基本仕様をセガのドリームキャストと任天堂のNINTENDO64と比較してみると、 >        CPU    周波数  最大描画性能    メディア > プレステ2  128ビット 300MHz  7500万ポリゴン/秒  DVD/CD-ROM > プレステ   32     34    ?        CD-ROM > ドリキャス 128    200    300万ポリゴン/秒  CD-ROM > NINTENDO64  64     94    ?       ROMカートリッジ >  加えて、現行のプレステ用ソフトが使え、市販DVDソフトも再生可能というマ > ーケティングの巧みさ。 > >  プレステ2はもはや単なるゲーム機ではない。ソニーの競争相手も任天堂やセガ > ではない。出井社長が言うように、パソコンをベースにデジタル家電市場も制覇 > しようとする「ウィンテル(マイクロソフトとインテル連合)」に対する真っ向か > らの宣戦布告である。その三次元動画処理性能はインテルの最新CPU「ペンティア > ムIII」を一桁上回る凄まじい性能で、これからの娯楽用コンピュータのテクノロ > ジードライバーと呼ぶに相応しい。 >  東芝との提携や、半導体製造の巨額投資も、日経エレクトロニクスが解説して > いるように、まさに将来のデジタル家電時代を見据えたもの。 > 「ソニー出井社長が語る:ディジタル家電向けLSIの製造技術を確立する」 >  http://ne.nikkeibp.co.jp/edaonline/eachnews/99mar/990304sony1.html > 「LSIの製造計画を変えた、次世代プレイステーションの巨大な影響力」 >  http://ne.nikkeibp.co.jp/edaonline/eachnews/99mar/990304sony2.html > >  ソニーの勝利が見えつつある!?。 ───────────────────────────────────── ●ドコモ、複数契約割引サービスを変更。新電電各社は(>_<)  http://docomo-web.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew108.html  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/990122j601.html  ドコモグループは、同社の携帯・PHSを2台以上契約している利用者向け「ファミ リー割引」サービスの料金を6月1日から改定すると発表。2台目以降の月額基本料を 一律15%割り引く体系を改め、利用期間に応じて割引率を拡大する仕組みに変更。  同サービスは昨年12月、経営不振に陥っていたPHS事業の引継ぎに際し開始したも ので、DDIなど新電電各社は「携帯電話とPHSを兼営するドコモによる移動体通信市 場支配」と批判、郵政省も1月下旬「一部利用者を差別的に扱う内容」と判断し「料 金変更命令」を出していた。  一律割引は是正されたものの、ドコモの試算では平均割引率はむしろ拡大、新電 電各社にとっては不可解な内容となった。 >  新電電各社の狙いは、移動電話で53%(携帯:58%、PHS:24%)を占めるドコモの独 > 占的市場支配力。これに対し郵政省は1月下旬の「料金変更命令」で、市場支配力 > について判断を回避、割引き料金の算出根拠などに判断理由を止めた。 >  通信市場全体がNTTグループの独占状態で規制が必要、と主張する新電電各社に > 対し、通信市場全体ではドコモのシェアは20%以下に過ぎなく、移動電話のシェア > も自由競争の結果と主張するドコモ。 >  政府の規制緩和委員会は、NTTのドコモに対する出資比率の低下を提言、固定回 > 線を事実上独占するNTTと、ドコモをリーダーとする移動電話業界を競争させるこ > とが業界全体を活性化するとした。 >  我国では、今年ようやく長年の懸案事項であったNTTの分離・分割が決着すると > いうのに、インターネット、そして本格的マルチメディア時代を迎えつつある欧 > 米通信業界は地域・長距離・国際、固定・移動、音声・データを統合したシーム > レスサービスへと急速に動き始め、かつて分離・分割されていた事業者の再統合 > や、CATVなど他メディアを巻き込んだ再編が相次いでいる。 >  私とて、NTTやドコモそして郵政に組みする気は毛頭無いが、最近の状況を見る > につけ、郵政の庇護の下、自らの努力不足や拙い事業戦略でこれまでNTTに独占支 > 配を許して来た新電電各社の主張は、何故か負け犬の遠吠えに聞こえる。(>_<) ───────────────────────────────────── ●日本でも本格化する?「ホワイトボックス」市場 ◆ソフトバンク、ホワイトボックス事業本格化。販売体制を整備  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/pc/52015  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/pc/52068  日経BizTechによれば、ソフトバンクは米ホワイトボックス最大手イングラム・マ イクロと提携、ホワイトボックス(販売店や卸業者が組み立てるノンブランドパソコ ンやショップブランドパソコン)事業に本格進出する。  要望仕様どおりのPCを低価格でタイムリーに供給するメリットが受け、世界市場 の40%を占めると言われるホワイトボックスのデメリットは信頼性と保守サポート。  従来、日本ではブランド信仰が強く、普及は難しいと見られていたが、インター ネットを活用した販売体制や、リコー子会社のサポート面での協力により初年度20 万台、200億の売上げを目指す。 ◆台湾系パソコンメーカー、販売店やSI業者向けにホワイトボックス販売  http://www.ficj.co.jp/index.htm  台湾系PCメーカーのエフ・アイ・シー(FIC)販売は、PC販売店や中小SI(システム ・インテグレーター)向けに「CTOホワイトボックス300」の販売を開始した。縦共 用のデスクトップ本体にマザーボードを搭載。価格は35,800円から。 >  ホワイトボックスという言葉を最近知りました。^_^; > 因みにマルチメディア・インターネット辞典には載っていません。 >  電網企画会社「マイクルプラン」もテーマの一つに、「誰もが簡単に楽しく使 > えるビギナー向けパソコンやネット端末」を取り上げます。 >  http://www.micle.co.jp/plan/ > キーワードは「Joyful」「Simple」「LowPrice」。 >  ホワイトボックス市場の拡大はきっと追い風になることでしょう。(^J^) ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●海外の衛星放送業界トピックス  最近の海外の衛星放送業界の話題をいくつか掻い摘んでご紹介します。我国のデ ジタル衛星放送業界にも、参考となる話題ばかりです。(^J^) ◆マードック氏、仏有料テレビ最大手「カナル・プリュス」に急接近  英最大の衛星放送会社「BスカイB」を所有するメディア王、ルパード・マードッ ク氏が、仏を中心にイタリア、スペインなど欧州各国で衛星放送事業を展開する仏 カナル・プリュスに急接近している。  背景は多チャンネル化が引き起こした優良コンテンツの獲得競争。独キルヒグル ープが獲得した2002年ワールドカップの放映権は約1,100億円に高騰、マードックの 狙ったセリエAの独占放映権獲得も伊政府の規制強化で挫折。  「利害の衝突を防ぐための事業の線引き交渉」「巨額の放映権料を分担する談合 戦略」等の観測が流れている。(日経産業新聞3月4日付記事より) ◆米デジタル衛星放送、巨額投資響き苦戦続く  94年のサービス開始から5年足らずで、加入者が1千万人を突破するなど急激に成 長した米デジタル衛星放送(DBS)業界の苦悩が続いている。  ここ数ヶ月で4社体制から、ディレクTV(シェア7割)と、エコスターの2社体制に収 斂したものの、巨額の投資が収益に結びつかず、両社とも未だに赤字経営。DBS受信 用カードの偽造や、地上波放送の不法送信といった新たな問題も抱える。  再編後の2社は多チャンネルとインタラクティブ機能など新サービスでCATVと差異 化、ユーザーの拡大を目指す。(日経産業新聞2月23日付記事より) ◆スペインで、サッカー人気試合のPPB放送を、約30万人が有料視聴  仏カナルプリュスが現地企業と運営するデジタル衛星放送会社(加入者60万人超) が、PPB(ペー・パー・ビュー)方式で独占放映したサッカー試合中継(レアル・マド リード対FCバルセロナ戦)が、過去最高の29万5千人の有料視聴者(料金は約1400円) を集めた。  スペインでは、通信最大手テレフォニカが国営テレビ局等と組んで衛星デジタル 放送を始めたが、加入者は30万に止まる。デコーダ規格が異なるため政府は両陣営 に提携を働き掛け、両社は対等合併に向け交渉中だが、調整に手間取っている。 (日経産業新聞2月22日付記事より) ◆英BスカイBのデジタル衛星放送「スカイ・デジタル」の加入者急増  昨年10月開始後、専用受信端末の無料取付工事サービスや積極的な宣伝活動、豊 富なコンテンツ等を売り物に、99年1月末までの加入者は35万人に急増した。うち新 規加入者は34%、アナログからデジタルへの乗り換えが66%。  今春にも双方向サービス「オープン」を立ち上げ、ホームバンキングやショッピ ング、電子メールサービス等を開始、10月までに100万人の加入者を目指す。  一方、BスカイBに対抗して昨年11月地上波デジタル放送を開始した「オン・デジ タル」の加入者は5、6万と見られている。(日経産業新聞2月16日付記事より) ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================