==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 040号 1999年 3月30日発行      〜総配信数 1,380部 Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)と  サテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお  届けいたします。   by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/ ========================================================================== <<お知らせ>>  電網かわら版をご購読いただきありがとうございます。  ご案内のとおり、次号より“読者登録&カンパ制”へ移行いたします。 読者登録(属性・購読理由など簡単なアンケート)いただいた方々、及び「電網企 画会社マイクルプラン」ご参加メンバーには、これまで同様の電網かわら版をマイ クルより直接配信させていただきます。  無料購読も可ですが、できれば“カンパ”または「マイクルプラン」へのご参加 をお願いしたいと思います。 ★読者登録は、下記URLで受け付けています。  手続きがお済みでない方は、ご面倒ですがよろしくお願いいたします。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ★アクセスできない場合や、申込書が送信できない場合は下記宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ★これにともない「まぐまぐ」「Macky!」での配信は、次号より、目次や記事の一  部を抜粋した“抄録版”に切り替えさせていただきますのでご了承下さい。 【マイクルプランについて】  電網企画会社「マイクルプラン」は、インターネット上に設立された、我国初? の本格的バーチャル・カンパニーです。ネット上でのメンバーの自由な議論や意見 交換により、既存業界や既存商品から脱却した、新たなコンセプトに基づくマルチ メディア関連新商品・新サービスを、新たな仕組み、やり方で企画します。  詳細は下記URLをご覧ください。参加申し込み受付中です。  http://www.micle.co.jp/plan/ <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.ソフトバンク・マイクロソフト・ヤフー、ネット自動車販売の合弁会社設立 02.ニフティ、富士通の100%子会社に。日商岩井が保有全株式を売却 03.日本テレコム、BT、AT&Tと資本提携へ向け最終調整 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.日立、衛星インターネット関連サービスを6月より開始 02.ソニー、家庭内デジタルネットワーク構想と、対応CS製品・サービスを発表 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ソフトバンク・マイクロソフト・ヤフー、ネット自動車販売の合弁会社設立  http://www.softbank.co.jp/sbadmin/news/990324.htm  ソフトバンク、マイクロソフト、ヤフー3社は、インターネットによる自動車販売 仲介サービス会社「カーポイント(株)」を来月設立、マイクロソフトが米国で提供 している「MSN CarPoint」と同様のサービスを国内で展開する。  資本金は700万ドルで、ソフトバンクが50%、マイクロソフトが40%、ヤフーが10% 出資。11月にも新車サービスを開始、来年には中古車サービスも手がける予定。  購入希望ユーザーに、詳細な車種情報や比較記事などを提供する他、希望車種の 販売店を紹介する。ユーザーはオンラインで見積り依頼でき、販売店回りや商談の 手間が省ける。  販売店は購入意識の高い見込み客を低コスト(米国は仲介料20〜40ドル程度)で効 率的に獲得できる。米国では通常の成約率が20%程度なのに対し、CarPoint経由では 2カ月以内の成約割合が80%にも達し、全自動車販売店2万2千社うち、約2,800社が登 録、月間取引高は4.5億ドルに達するという。 >  かわら版025号で『我国にもネット新車販売時代到来?「Yahoo! 自動車」開始』 > を取り上げた。http://www.micle.co.jp/plan/kawara025.txt >  「激変しつつある米国の自動車販売業界で、インターネット販売が急速に拡大、 > オートバイテル・ドット・コム(http://www.autobytel.com/)は創業わずか3年 > で年間150万台と、市場の10分の1以上を占める新車を販売、調査機関の予測では、 > 2000年には全新車販売の半分がインターネット経由になるという」と記し、 >  「暗黒大陸と呼ばれた我国流通業界の中でも、近代化の最も遅れたのが自動車 > 業界。オートバックスなど部品・用品販売や、買い取り専門店の台頭など中古車 > 分野、そして車検制度改正でサービス・整備分野は改革が進みつつある。取り残 > されたのが新車分野。メーカー各社もインターネット販売に手を染めたりあれこ > れ模索しているが、遅々として改革は進まない」と記した。 >  そして、「オートバイテルを我国にも、と始めたYahoo!自動車も低レベル。情 > 報やサービス内容など、あまりにクルマや業界を知らなさすぎる。これじゃうま > く行きっこない」と記した。 > >  我国でネットビジネスがブレイクしない主要因は、 > ・インターネットそのものの市場規模が、クリティカル・マス(ある状況の発生に > 必要な最低ライン)に到達していない。 > ・個々の商品や市場に特有のマーケティング手法を、ネットに生かせる仕組みが > 確立されていない。(商品や市場を熟知した企業や人材はネットを知らず、ネット > トのプロを自認する企業や人材は、商品や市場を知らない) >  言わずと知れたネットビジネスの雄、孫氏がマイクロソフトと組んで乗り出す > ことで、我国でもネット新車販売が一気に加速する、と期待するのは早計だ。 > > 主なネット自動車販売サイトは以下のとおり。 >  Yahoo!自動車 http://autos.yahoo.co.jp/ >  isizeカーライフ http://www.isize.com/carlife/ >  クイック http://www.quick-go.to/ >  クリエイティブ・ハウス http://www.reo.co.jp/ >  ネットインフォメーションセンター http://www.nicest.co.jp/ >  フレックス自動車販売 http://www.flexnet.co.jp/ ───────────────────────────────────── ●ニフティ、富士通の100%子会社に。日商岩井が保有全株式を売却  http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/news/1999/Mar/23-3.html  http://www.nisshoiwai.co.jp/cgi-bin/nic_nview.cgi?19990323_299  日商岩井は、同社が保有するパソコン通信大手「ニフティサーブ」(会員数269万 人)を運営するニフティ株式会社の全株式を、3月31日付で富士通に260億円で売却す る。売却益255億円は、急務となっている特別損出処理に当てる。  これにより、ニフティは富士通の100%子会社となり、富士通は今後、同社のイン ターネット接続サービス「InfoWeb」とニフティの連携を強める予定。 >  日経産業新聞3月24日付記事によれば、ニフティは日商岩井の米国駐在員が80年 > 代に米パソコン通信会社コンピュサーブと取引関係を築いたのが原点で、日商岩 > 井が富士通に働きかけ、13年前両社が資本金10億円を折半出資して設立した。 >  株式上場を数年後に控える優良事業を日商岩井が手放すのは同社の資産リスト > ラ、売却益を1600億円に上る特別損失処理の原資に充当する。当初、NTTなど5社 > 以上の候補と売却交渉を進めたが、最良の入札条件を出した富士通に決定した。 >  富士通の狙いは、これまで分離して運営していたパソコン通信とインターネッ > ト接続サービスの一本化。経営自由度の増した富士通の次の一手に他社は戦々恐 > 々。3000社までに膨れ上がり、接続料金の値下げに加え、コンテンツサービス、 > 電子商取引事業など総合力勝負の段階に入ったインターネット接続市場の淘汰が > 一段と加速するだろう。 > >  かわら版032号で「ニフティサーブ、新サービス投入でアクティブ化?」を取り > 上げた。http://www.micle.co.jp/plan/kawara032.txt >  「パソコン通信とインターネットの垣根は急速に薄れたものの、ニフティはパ > ソコン通信の遺産が大きかった故、また富士通がInfowebを設立したためこの流れ > に乗り遅れた。昨年来加入者増加は頭打ちで、実際にニフティを利用しているユ > ーザーも50%に止まっている。昨年度の売上高431億円の大半は加入者の会費と利 > 用料で、利用が伸びなければ売上は伸びない」と記し、 >  「私もニフティでネットワーカーに仲間入り、数年前はヘビーユーザーの一人 > であった。インターネットの利用が増えるにつれニフティは減少、現在は幾つか > のフォーラムの自動巡回のみで利用は月間30分に満たない。新サービスの投入で > 私がニフティに戻ることはないだろう。ネットワークコミュニティの本質を忘れ > たニフティそのものに幻滅を感じているのだから」と記した。 >  富士通、そしてInfoWebは果たして本質を解っているのだろうか。(?_?) >  私はInfoWebでネット利用を開始した。そして従量制料金に耐えられず定額制の > ドリームネット(MBN)を追加し、ホームページURLとメールアドレスは継続性から > InfoWebで、接続はMBNでと使い分けて来た。昨年独自ドメインを取得したため、 > InfoWebを脱退した。 ───────────────────────────────────── ●日本テレコム、BT、AT&Tと資本提携へ向け最終調整  日本テレコムが、英ブリティッシュ・テレコム(BT)、米AT&Tから約30%の資本参加 を受け入れる方向で最終調整に入った。両社は常勤役員派遣による経営参加も希望、 実現すれば、日本と外資系通信会社との初の本格的な提携となる。BTは、日本テレ コムと日産等が設立予定の次世代携帯電話会社への参加も希望している模様。  日本テレコムは、両社との提携でインターネット対応通信インフラや次世代携帯 電話の資金調達に目処が立ち、世界規模の国際通信事業展開が可能となる。一方、 BTとAT&Tは、提携を機に世界第2位の通信市場日本への本格参入を加速、欧・米・ア ジア3大市場を結ぶネットワークを確立する。(3月21日付日経産業新聞記事等より) >  3年前、NTTが分離・分割と引き換えに国際通信進出を表明したのを機に、長距 > 離系各社も相次いで国際通信に進出、日本テレコムは日本国際通信(ITJ)と合併し > た。この時点では通信市場は未だ電話主体で、外資のアプローチはあったものの、 > 国内各社の反応はいずれも鈍く、大きな合従連衡には到らなかった。 >  ところが、予想もしない勢いでインターネットが普及し始める。各社は“電話 > 屋”からの脱皮と、データ通信対応の新通信インフラ構築に迫られ、外資を巻き > 込んだ動きが加速し始めた。AB連合の本命はNTTだったが動きの遅さを懸念、DDI > 、KDDもラブコールを送ったが、結局日本テレコムを選択したようだ。 > >  AB連合との提携交渉が明らかになった19日、日本テレコムの株価が急騰した。 > ライバルDDIやKDDに先行、NTT追撃体制が整ったと株式市場は好感したのだろう。 >  同記事は「“一周遅れ”の巨大提携」と題し、華々しさの裏に潜む二つの大き > なリスクを指摘した。 >  第一は「経営の自主性確保」。AB連合の本音は、日本テレコムは両社の国際ネ > ットワークに日本発の通信需要を流し込んでくれる単なる下請け、との指摘も。 >  第二は、AB連合が本当の「勝ち馬」なのか。日本に単独進出したMCIワールドコ > ムや、トヨタ・ソニー・IIJの共同出資会社(CWC)など新興企業群は、データ通信 > に的を絞り、最新ネット技術を素早く取り込む。BTとAT&Tは、旧来型電話インフ > ラを抱える同じ“電話屋”、新鋭設備への転換はどうしても遅れる。 >  ある役員は、提携を「辛酸をなめさせられたNTTに追いつき、追い越すためのカ > ケ」と説明するが、一旦歯車が狂えば、重い呪縛になりかねない。 ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●日立、衛星インターネット関連サービスを6月より開始  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9903/0324b.html  日立製作所は、同社のネットワーク構築サービス「Compassport」に“衛星イント ラネット”を、またインターネット接続サービス「netSpace」に“衛星インターネ ット”をそれぞれ追加、6月以降順次サービス開始する。  衛星イントラネットは、衛星回線を利用した高速ネットワークの設計から保守ま でを一括して請け負う。衛星インターネットは、NTTサテライトコミュニケーション ズやダイレクト・インターネットの衛星サービスを利用、衛星回線と地上回線を組 み合わせた接続サービスを提供する。  同時に、衛星インターネット用プロトコルに対応した衛星受信チューナ内蔵の衛 星ルーター(価格77万円)を、国内で始めて発売する。 >  衛星インターネット市場が思った以上に鈍い。NTTサテライトやダイレクト・イ > ンターネットも苦戦しているようだ。個人よりまず企業をとの戦略はもっともで、 > 日立も明らかに企業を対象としている。 >  流通業界など、本部から各地の店舗へは、カタログやディスプレイなど大容量 > 情報を配信する(下り回線)場合が多いが、店舗から本部への通信量(上り回線)は > 少ない。こういう企業に、「下り回線に衛星を使い、上り回線に電話回線を使え > ば地上回線のみの場合に比べ、通信コストの大幅削減が可能ですよ」というメリ > ットを如何に訴求し、納得させるか。 >  一方、個人市場はNTTサテライトの「Mega Wave」に期待したが、受信ボードの > パソコンへの組み込みなど、サービス以前の問題が多すぎるようだ。CATVインタ > ーネットも普及の兆しを見せており、個人市場は衛星よりCATVが優位に立つ可能 > 性も強まってきた。 ───────────────────────────────────── ●ソニー、家庭内デジタルネットワーク構想と、対応CS製品・サービスを発表  http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199903/99-036A/index.html  http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199903/99-036A/index.html  ソニーは、家庭内デジタルネットワーク構想「PlusMedia STATION」と、この構想 に対応した新デジタルCS放送チューナーと、新MDデッキを発表、スカイパーフェク TVで双方向音楽配信番組「MusicLink」を5月12日に開局する。  「PlusMedia STATION」は、ソニーの家庭内AV機器を中心としたネットワーク構想 の中心となるセットトップボックス(STB)で、デジタル放送や音楽などのデジタルメ ディアの受信だけでなく、STBと接続された各AV機器(MDデッキやビデオ、ゲーム)に コンテンツを配信したり、コントロールする役目を担う。 >  先週号で取り上げた「ソニー、衛星で音楽ビジネスを本格展開へ」の具体的対 > 応がこの発表。http://www.micle.co.jp/plan/kawara039.txt >  マルチメディアの主役と持て囃されるデジタル家電やホームネットワークだが、 > 概念ばかりが先走り、具体的ハードやソフト、サービスの裏付けが無かったため、 > いまいち理解し難かった。 >  コンセプトとハード・サービスを同時に発表するとは、さすがソニー! ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/plan/kawara.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 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