==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 041号 1999年 4月 6日発行        〜総配信数 1,390部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <<お知らせ>>  電網かわら版をご購読いただき、ありがとうございます。 今号より“読者登録&カンパ制”に移行いたします。ご登録いただいた皆様、 そしてカンパいただいた皆様に深く感謝いたします。m(__)m  今後ともより充実した電網かわら版をお届けできるよう頑張ります。 <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.ラジオが復権する!  ・IE5(Internet Explorer 5)、「ラジオツールバー」搭載  ・「オールナイトニッポン」、ネット連動の新番組に衣更え  ・携帯やポケベル、タクシー、自販機にも「見えるラジオ」が 02.ソニーとビクター、D-VHSで提携 03.カーナビ向けネット情報サービス「MobileLink」休止 04.郵政省、1998年度の「通信利用動向調査」結果発表 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.東経110度の次期CS(通信衛星)、放送利用の要望強まる 02.ソニー、パソコンサポートにCS放送を活用 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ラジオが復権する! ◆IE5(Internet Explorer 5)、「ラジオツールバー」搭載  http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/0318rad.htm  マイクロソフトのWWWブラウザーの新バージョンIE5が先月リリースされた。  最大の特長は「ラジオツールバー」の採用。音声・動画再生ソフトの機能をブラ ウザー内に組み込み、ブラウザー内で再生・停止やボリューム操作ができるように なった。TBS、FM東京、読売新聞、インプレスなど12社がコンテンツを提供する。  これまで、ストリーミング(動画や音声データを受信と同時に再生する方式)ソフ トは、昨年登録ユーザー数が5,000万人を突破したリアルネットワークス社の「Real Player」が最大手であった。マイクロソフトのブラウザー組み込み戦略は、今後リ アル社の大きな脅威に。 ◆「オールナイトニッポン」、ネット連動の新番組に衣更え  http://www.allnightnippon.com/  30年の歴史を持つニッポン放送の看板番組「オールナイトニッポン」がインター ネットとの連携を強化した新放送局に生まれ変わった。  キャッチフレーズは「さよなら、ニッポン放送」。開始時間を午後10時に繰り上 げ、放送枠全体を「LF+R」(エルエフアール)と名付けた3部制に再編成した。専用 ホームページの開設、音声・動画によるスタジオや街頭からのネット中継、掲示板 やチャットによるコミニュケーションの他、MP3を利用した音楽データ配信も計画、 従来にないラジオ番組作りに挑戦する。  2部の「@llnightnippon com」では、ラジオとは切っても切れない関係であったハ ガキによるリクエストを廃止、全て電子メールに切り替えた。 ◆携帯やポケベル、タクシー、自販機にも「見えるラジオ」が  http://www.nttdocomo.co.jp/i/corp/entame.html (iモード)  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew121.html (ポケベル)  http://www.tfm.co.jp/mieraji/index.html (見えるラジオ、情報未掲載)  ドコモが先月開始した携帯電話のiモードサービスに、東京FMなどラジオ局がオン エア情報など各種情報を提供し始めた。ポケベル向けにも横浜FMなどが、音楽情報、 ニュース・天気、スポーツ情報などの有料文字情報配信サービスを開始した。  タクシー車内にも「見えるラジオ」の情報が流れている。都内の約5千台のタクシ ーに文字情報を表示するディスプレーが装着されているようだ。  また、東京FMとUCC上島珈琲は「見えるラジオ」を表示する大型ディスプレーを搭 載した自動販売機を共同開発、大規模商業施設などで今年度中に全国で1千台の稼動 を目指すという。 >  オールドメディアの代表「ラジオ」が、マルチメディア時代への生き残りと復 > 権をかけ、様々な試みを加速し始めた。 >  ラジオ局のもつ豊富なコンテンツを、パソコンやモバイル機器など新たな端末 > に提供するとともに、聴取者とリアルタイムでコミニュケーションが取れる新た > な手段として、インターネットを積極的に活用しようとの狙いである。 >  さて、我がオフィスには、テレビ(地上波、CS)のニュース番組や、音楽番組が > BGMとして常に流れている。したがって、IE5のラジオツールバーのニーズは無い > が、「ラジオ」に大きな可能性を感じている。マイクロソフトの狙いは常套手段 > のライバルつぶし、すなわち「Netscape」と同様「RealPlayer」を標的にしたも > のだろう。 >  「マルチメディアの主役は画像または映像で、音は花形ではない。電話の帯域 > は4KHz程度、ステレオ機器でも20KHz程度で、テレビ放送の4MHzと比べると2ケタ > ぐらいの情報量の差があり、映像や視覚が優れていると思いがちだ。しかし音の > 役割は映像に劣らない。音は映像以上に臨場感をもたらす。受動的かつ全方位的 > で守りの感覚の聴覚と、攻めの感覚の視覚が相俟ってこそ、同じ部屋で一緒に仕 > 事をしたり、会議をしたりという空間共有感覚が得られ、理想的なコミュニケー > ションがとれる」という、電気通信大学の竹内教授の記事(日経産業新聞98年9月 > 28日付)を思い出したからである。 >  モデムやISDNレベルの通信容量・速度では、画像よりもデータ量の少ない文字 > や音声データの方が適しており、現状ではテレビ映像より、ラジオのコンテンツ > 方がインターネットに適している。 >  オールドメディア「ラジオ」の可能性に、改めて注目して行きたい。 ───────────────────────────────────── ●ソニーとビクター、D-VHSで提携  http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199903/99-0329/index.html  http://www.victor.co.jp/products/vcr/D-VHS-SONY.html  日本ビクターとソニーは、家庭用デジタルビデオ「D-VHS」を共同開発、年内に製 品化すると発表した。  ビクターのD-VHS基本システム技術と、ソニーのデジタル家電用ネットワーク接続 規格「IEEE1394」対応技術を結び付け、デジタル衛星放送や地上波デジタル放送の STB(セットトップボックス)等と接続、デジタル動画の記録再生を可能とする。  D-VHSはビクターが提唱した規格で、従来のアナログに加え、デジタル放送も記録 できる。複数のデータレートを持ち、スタンダードモードで7時間、高品位デジタル 放送でも3.5時間の録画が可能。 >  昨年来、日経ビジネス誌上で、佐藤正明氏による「映像メディアの世紀−ビデ > オ・男たちの産業史」というノンフィクションが長期にわたり連載されている。 > ソニーとビクターが骨肉の争いを繰り広げた「β(ベータ)対VHS戦争」の跡が、迫 > 力ある筆致で克明に辿られ、私も毎号楽しみにしている。 >  3月30日付日経産業新聞は以下のように解説した。 >  あれから20年、ソニーは国内VHS市場でシェア15%を占め、松下に次ぐ第2位と、 > 完全にVHS陣営の軍門に下ったかに見える。しかし、今や家庭用エレクトロニクス > 製品の主戦場はパソコンやゲーム機に移行、両社の立場は大きく変った。 >  相変わらずビデオが売上依存度の3割を占め、単独売上高も過去最高の85年の6 > 千5百億を抜けないビクターに対し、ソニーの単独売上高は85年の2.5倍の2兆5千 > 億、ビデオ依存度は15%に過ぎない。 >  かつての勝者に焦りが生じ、敗者に余裕が生まれ、ビクターはソニーとの提携 > を模索した。「20年目の雪解け」はビデオデッキが家電の主役の座を譲り渡した > ことを図らずも浮き彫りにした。 ───────────────────────────────────── ●カーナビ向けネット情報サービス「MobileLink」休止  http://www.mobilelink.or.jp/pc1.htm  ソニー、日本IBM、電通など11社が共同で提供してきた、カーナビなど移動体機器 向けネットサービス「MobileLink」が4月1日休止された。  同サービスは97年10月から主にソニー、パイオニア製カーナビ向けにイベントや レストラン情報などをWWW上で配信する他、メールサーバーを提供してきた。5月に はメールサービスも休止される。  休止理由を「駅前探検倶楽部など同種のホームページが充実してきたため」とし ているが、実際には中心となってきたソニーのカーナビ部門の不振が背景にある模 様。(日経パソコン1999.4.5号より) >  カーナビ向け情報サービスは上記の「MobileLink」のようにインターネットを > ベースとするタイプと、トヨタの「MONET」のように専用ネットワークを構築する > タイプがあり、ベンツや日産、ホンダなども独自のサービスを提供している。 >  いずれも散々?な状況のようで、ソニーですら休止に追い込まれた。 >  インフラ(携帯電話の通話品質や料金)に問題があるのか、ハード(対応カーナビ > の性能や価格)に問題があるのか、コンテンツ(提供する情報内容の質量)に問題が > あるのか、サービスの訴求が不十分なのか、サービス自体のニーズが無いのか、 > 未だ機が熟していないのか・・・。 >  そう難しい問題とは思えないのだが。 ───────────────────────────────────── ●郵政省、1998年度の「通信利用動向調査」結果発表  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/990330j901.html  主な結果は以下のとおり。 1.携帯電話の保有率は世帯では好調な伸びを示し(46.0%→57.7%)、事業所では前回  の伸び悩みから復調(59.0%→67.3%)。 2.PHSの保有率は世帯で減少したが(15.3%→13.1%)、事業所は増加(11.0%→12.2%)。 3.インターネットの利用率は前年に引き続き倍増し、世帯では10世帯に1世帯(6.4%  →11.0%)、事業所では5事業所に1事業所(12.3%→19.2%)が利用。 4.高齢者(65歳以上)の約2割がワープロやファクシミリなどの情報通信関連機器を利  用。利用率が最も高いのはワープロ(12.9%)、次いでファクシミリ(10.7%)。 5.BS放送、CS放送またはCATVのいずれかを視聴している世帯は年々増加。  (H8:37.8%、H9:41.1%、H10:43.3%)。 6.パソコンのある家庭は32.6%、まだワープロ(46.9%)に届かず。 >  電網企画会社「マイクルプラン」の最初のテーマは「ビギナー向けパソコン、 > ネット端末」の予定だ。この調査結果をどう反映する? ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●東経110度の次期CS、放送利用の要望強まる。経団連、検討会設置へ  http://www.keidanren.or.jp/indexj.html (情報未掲載)  2000年に、NHKなどBS(放送衛星)と同軌道の東経110度に打ち上げ予定の、次期CS (通信衛星)を放送用に使いたいとの要望が強まって来た。  放送利用が実現すれば、BS・CS共用の受信機が可能になると、経団連も放送利用 の検討会を発足させる見通し。(日経産業新聞3月30日付記事より) >  ライバル同士の宇宙通信と日本サテライトシステムが、共同で次期CSの打ち上 > げ、運用を発表したのは昨年11月であった。 >  http://www.superbird.co.jp/press/press8.html >  かわら版023号「次期CSを共同運用、SCCとJSATが合意。BSと同一軌道に打ち上 > げ」でもこの話題を取り上げた。http://www.micle.co.jp/plan/kawara023.txt >  そもそも、通信衛星(CS)と放送衛星(BS)の違いは衛星の出力ぐらいで、大出力 > のBSのアンテナ径が30cm、低出力のCSが45cm程度のものであり、技術革新で低出 > 力のCSでも十分放送用に使えるようになった。欧米ではもともと通信も放送もCS > 中心で、BS・CSの区分けがあるのは「規制大国」我が日本のみである。郵政省の > 9階が電気通信局、10階が放送行政局とに厳然と分かれていることとも決して無 > 縁ではあるまい。 >  通信、放送の境目は急速に消滅しつつある。規制緩和が声高に叫ばれる中、今 > 更経団連が乗り出さねばならぬ程の問題とも思えないが、共同運用の発表から4ヶ > 月以上経過しても、大きな進展がないということなのだろう。 >  それほどまでに“官”のそして“規制”の力が強いということか。 > >  「衛星放送の現状」は >  http://www.mpt.go.jp/policyreports/japanese/misc/BS_Manual/status/ >  current_status_index.html 参照 >  「BS放送とCS放送の比較」は >  http://www.mpt.go.jp/policyreports/japanese/misc/BS_Manual/status/ >  current_status_index.html 参照 ───────────────────────────────────── ●ソニー、パソコンサポートにCS放送を活用  http://www.vaionet.com/index2.html (情報未掲載)  ソニーは、関連会社のデジタルメディアエンタテインメント(DME)が、スカイパー フェクTVで放送中の文化・教養専門チャンネル「VaioNet」で、同社製パソコンVAIO シリーズの活用方法などを紹介するサポート関連番組を開始する。  年内開始予定のデータ放送にも対応、パソコンの販売促進とCS放送の加入者拡大 の相乗効果を見込む。(日経産業新聞3月30日付記事より) >  最近ソニー関連の話題がやけに目に付く。プレステ2、組織リストラの発表は各 > メディアのトップを飾り、当電網かわら版でも毎週ソニーがらみの記事が続いて > いる。(マイクルがソニーびいきということでは断じてない!) >  企業イメージアップや株価対策など、広報戦略の巧みさにも感心するが、先週 > の家庭内デジタルネットワーク構想「PlusMedia STATION」など、デジタル家電の > 覇者を目指した戦略が着々と進展しているのだろう。 >  一方、このところライバル松下はすっかり鳴りを潜めている。松下のこと、ソ > ニーの動きをしっかりと見守り・マークしつつ、水面下で虎視耽々と大得意の二 > 番手戦略を固めつつあるのだろう。日立、三菱、東芝、かつてのライバル達はい > ずれも新潮流に乗り遅れ、大規模なリストラの真最中、デジタル家電戦略も迷走 > を続けているように思われる。 >  松下のデジタル家電戦略は如何に。(?_?) ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマガ  ジンです。配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================