==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 043号 1999年 4月20日発行        〜総配信数 1,410部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.ヤフー株急騰の「怪」、浮動株はわずか1,000株 02.混迷IDC、NTTと英C&Wが買収合戦。日英摩擦に発展も 03.cdmaOneとDoccimoに思う。稲盛、そしてIDOも老いたり  ・「cdmaOne」14日より全国サービス開始。ドコモとの対決姿勢を鮮明に  ・ドコモ、携帯とPHSの複合端末「Doccimo」発売 04.若者離れで「ゲーセン」沈む。プレステ、ケータイ、類似品が三重苦 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.豪ニューズ、スカイパーフェクTVの放送免許一部返上 ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- 01.辞書・用語リンク集「Internet Resources」 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ヤフー株急騰の「怪」、浮動株はわずか1,000株  http://profile.yahoo.co.jp/biz/fundamental/4689.html (情報未掲載)  ヤフーの株価が店頭市場で乱高下している。先週末に2日間で2,800万円上昇した あと反落。14日には再び950万円値上がり、5,000万円(*)で引けた。会社設立からわ ずか3年あまりで、株式時価総額がコマツやマツダを上回った。  ヤフーの親会社ソフトバンク株も20,000円にあと一歩で、トレンドマイクロ、ジ ャストシステムなど他のネット関連株の人気も高い。  米国でもネット関連株が高騰、米ヤフーの株価も過去1年で5倍以上に急上昇、時 価総額も400億ドルを超え、ソニー、松下、東京電力を上回った。 (日経産業新聞4月15日付記事より) (*)ヤフー株は額面5万円で、一般的な額面50円に換算すると、株価は5万円に相当 >  ダウ平均が1万ドルを突破し、活況にわくニューヨーク市場のけん引役は言うま > でもなくハイテク株。マイクロソフト、インテルに続き、最近ではヤフー、AOL、 > アマゾンなどインターネット関連株が上げ相場の主役となっている。「ネット株 > バブル」との危惧もあるものの、バーチャル?な企業の時価総額が、GMやボーイ > ングなど巨大メーカーを上回るという、まさに時代の転換を実感させられる出来 > 事である。 >  米国の影響や、ネットビジネスの将来性が見込まれたこともあり、日本のネッ > ト関連株も高騰しているが、米国とはかなり事情が異なるようだ。 >  同記事によると、日本ヤフーの発行済み株式数は6,910株。うち、浮動株はわず > か約1,000株。これに対し、米ヤフーの発行済み株式数は2億株で、うち8,000万株 > が市場に出回っている。米ヤフー株にもバブルの要素があるかもしれないが、98 > 年12月期に始めて連結純利益で黒字転換するという、わかりやすい材料をきっか > けに上昇した。浮動株1,000株間での乱高下は、少数参加者による一種のマネーゲ > ームにすぎない。 >  日米の株式市場の歴史や厚みも違い、単純に両者を「ネット株バブル」とひと > くくりにはできない。日本のネット関連株の高騰は、株式を公開している企業が > 少ないことや、浮動株が不足していることが大きな要因である。 > >  マイクルも、店頭公開、上場を目指し、一歩ずつ前進を続けます! ───────────────────────────────────── ●混迷IDC、NTTと英C&Wが買収合戦。日英摩擦に発展も  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comm/56041  http://www.idc.co.jp/ (情報未掲載)  NTTと、英通信大手ケーブル・アンド・ワイヤレス(C&W)の両社から買収提案を受 けている国際デジタル通信(IDC)は、15日に臨時取締役会を開き、NTTの傘下に入る ことを決めた。IDC保有株をNTTへ売却するよう株主に要請する。  C&Wは、IDC株17.69%を保有し、伊藤忠商事、トヨタ自動車と並ぶ筆頭株主の1社。 IDCの経営権を握ることで日本市場への進出を加速したいとの思惑から、株の買い増 しを提案していた。NTTは、IDCを傘下に収めることで、7月の再編後に本格参入が認 められる国際通信サービスの早期立ち上げを図る方針。  C&Wは保有株売却の考えはないと強く反発している。 >  競争激化による料金値下げで急速に収益環境が悪化する中、ライバルKDDとITJ > は単独生き残りを断念、各々テレウェイ、日本テレコムと合併した。 >  取り残されたIDCは、唯一最良の選択肢として、創業時に技術支援を受けたNTT > との合併に活路を求め、昨年6月に業務提携、今年7月のNTT分離・分割を待って合 > 併する予定であった。これはまた郵政省とNTTの描いたIDC救済シナリオでもあり、 > 当初はC&Wも同調する意向で、シナリオどおりに動いているハズであった。 >  1月にC&Wのトップが交代し、激震が起こった。対日戦略を180度転換、IDC買収 > に乗り出した。 >  16日付朝日新聞によれば、C&Wは日英間の通信市場摩擦に結び付けて徹底抗戦す > る構えを見せている。すでに英政府も郵政省にC&Wを推す書簡を送ったことを明ら > かにし、英のブレア首相も日本政府に対し、C&Wを日本市場から締め出すような動 > きに不満の意を表明した模様。 >  今回の臨時取締役会の決定は、IDC買収に消極的な意見もあるNTTへの催促の意 > 味や、IDC自身の意思を明確にすることで、日英通信摩擦に発展することを避けた > い郵政省の思惑に則ったもの?との見方もできよう。 >  3月14日付日経産業新聞の「世界のM&A市場では突然の方向転換は日常茶飯事。 > C&Wの豹変にあわてふためく関係者の姿は、今だ本格的なグローバル競争とは無縁 > の日本の通信市場の閉鎖性を象徴している」との表現に、妙に納得してしまった。 ───────────────────────────────────── ●cdmaOneとDoccimoに思う。稲盛、そしてIDOも老いたり ◆「cdmaOne」14日より全国サービス開始。ドコモとの対決姿勢を鮮明に  http://www1.ido.co.jp/new/news/990413.html  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc616.html  DDIセルラーと、日本移動通信(IDO)は、音質の優れた新方式携帯電話「cdmaOne」 のサービスを14日より全国で開始した。  両社は、現行方式の不満、特に顧客の多いドコモに苦情が目立つ「相手の声が聞 き難く、通話中に途切れる」といった欠点を改善したと強調、新方式を切り札に、 今年度中に300万人の新規顧客を獲得する計画。  「ドコモユーザーに乗り換えてもらってこそ、cdmaOneを始めたかいがある。ドコ モのシェアを50%以下にしたい」塚田IDO社長は記者会見で対決姿勢を鮮明にした。 ◆ドコモ、携帯とPHSの複合端末「Doccimo」発売  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/99/whatnew0412.html  NTTドコモは、携帯電話・PHS複合端末「Doccimo(ドッチーモ)」を、38,700円で発 売する。サイズは127×412×22mm、約86g。同時待ち受けが可能で、待ち受け時間は 携帯単独モードで約200時間、PHS単独モードで約650時間、同時待ち受けで約180時 間。データ通信機能は、PHSで64kbpsのPIAFSに対応する。  発信時には携帯、PHSを選択して発信する。携帯とPHSの同時使用(データと音声な ど)はできない。利用には携帯・PHS両方の契約が必要だが、併用割引サービス「フ ァミリー割引」を利用すれば、基本料金が割安となる。 >  cdmaOneの全国サービス展開については、かわら版038号で論評したので、これ > 以上は書かない。 > 「IDO、cdmaOneを4月14日よりサービス開始。全国ネットワーク完成へ」 >  http://www.micle.co.jp/plan/kawara038.txt 参照 >  要するにトップの意気込みだけがから回りして、千載一遇のチャンスを生かし > 得る戦略や、両社一丸となった体制が構築できていないということだ。 >  「ファミリー割引」で機先を制し、「iモード」で先制攻撃、「Doccimo」で守 > りを固めるというNTTの堅陣は揺るぎそうにない。 > >  本来、携帯・PHS複合端末・サービスは、DDIグループこそ投入すべきであった。 > 妥当NTTの、そしてまた携帯・PHS両事業再編の切り札として。手を拱いているう > ちに、ドコモがパーソナルを吸収、逸早く強力なラインナップを築いてしまった。 >  稲盛和夫京セラ、DDI名誉会長は、PHSで致命的なミスを二つ犯した。一つはDDI > 最大の功労者で、PHS事業の責任者でもあった千本倖生氏(現慶応義塾大学教授)を > 解任したこと。もう一つは、禁じ手の多額インセンティブを解禁、PHSでもタダ端 > 末を横行させたことである。当時、私は「稲盛老いたり」とことあるごとに吹聴、 > 京セラそしてDDIグループの前途を危うんだ。 >  事態は危惧したとおりに進んでいる。そしてまた、悲しいかな「IDO老いたり」 > と感じているこのごろである。 ───────────────────────────────────── ●若者離れで「ゲーセン」沈む。プレステ、ケータイ、類似品が三重苦  全国に7,700店舗あるゲームセンターから若者が離れ始めた。「UFOキャッチャー 」などクレーンゲームや「プリント倶楽部」など一過性のヒット商品に頼り、魅力 ある店作りを怠ったツケが今噴出した。  「プレステ、ケータイ、類似品」が三重苦。家庭用ゲーム機の性能向上で業務用 ゲーム機の優位性が崩れ、携帯電話で友人と話し込む若者は自然とゲーセンから遠 ざかり、ヒット商品の安易な模倣で類似品が氾濫、すぐに飽きてしまうという悪循 環に陥った。  大手は、複合映画館「シネコン」やレコード店との複合施設など、総合化・複合 化に活路を見出そうとしている。一方、バブル崩壊時の空きテナント急増時に、人 件費など固定費がかからないため新規開業が相次いだ店舗数の7割を占める零細小規 模店は、転廃業が相次いでいる。(日経産業新聞4月12日付記事より) >  「ゲーセン」には全く興味がなかったし、入ったこともほとんど無いが、通勤 > 途上や昼食時など、そのつもりで観察してみると、まさにこの記事のとおりであ > る。なんとまぁ、ゲーセンの多いこと!客もほとんど入っていない。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●豪ニューズ、スカイパーフェクTVの放送免許一部返上  マードック氏率いる豪ニューズ・コーポレーションは、スカイパーフェクTVのチ ャンネル戦略を抜本的に見直す。  今春放送予定だった2チャンネルの放送免許を郵政省に返上したほか、現在放送中 の5チャンネルについても番組内容を一部変更する。また、営業部門を強化し、海外 TV番組専門チャンネル「FOX」を中心にCATV向け営業を強化する。  CS放送の需要の伸びが当初予測を下回っているため、経営資源を効率的に配分し、 事業基盤の強化を図る。(日経産業新聞4月14日付記事より) >  メディア王の異名を持つマードック氏。飽くなき事業欲を満たそうとする氏の > 動向は、常に世界のメディア業界から注目されている。 > かわら版013号「メディア王マードックの英名門サッカーチーム買収に暗雲」 >  http://www.micle.co.jp/plan/kawara013.txt 参照 > 同037号「マードック氏、仏有料テレビ最大手カナル・プリュスに急接近」 >  http://www.micle.co.jp/plan/kawara037.txt 参照 > >  我国でも、「黒船来襲」と言われ、その後のメディア業界ビッグバンの礎とな > った、ソフトバンク孫正義氏と組んだテレビ朝日株の買収(後朝日新聞等に売却) > や、旧JスカイBの設立で、その勇猛さをいかんなく発揮した。 >  氏のニューズ・コーポレーションは、現在ももちろん伊藤忠商事、ソニー、ソ > フトバンク、フジテレビと並ぶスカイパーフェクTVの筆頭株主の1社である。 >  http://www.skyperfectv.co.jp/gaiyou.html 参照 >  その筆頭株主が、一旦取得した放送免許を返上するなど、我国では前代未聞の > 出来事である。一方でCATVにも接近するなど、豪腕かつドライなマードック氏の > 面目躍如といったところだ。 >  CS市場自体に見切りをつけたとしたら、早晩保有株自体も手放すに違いない。 > スカイパーフェクTVには、相変わらず主導権争いの噂が絶えなく、最も有利な条 > 件で売却できる相手やタイミングを、虎視耽々と狙っているのだろうか。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- ───────────────────────────────────── ●辞書・用語リンク集「Internet Resources」  http://cgi.tky.3web.ne.jp/~shanji/  ネット上の辞書・用語集を集めたリンクページ。「翻訳のためのインターネット ・リソース」のタイトルのとおり、もともとは翻訳者のために作らたようだ。  世界各地の言語はもちろん、パソコンやインターネット、科学、技術関連用語、 経済、社会、文化関連用語などのページが、100近くのジャンルに整理され掲載され ている。もちろん日本語ページも。  辞書や用語集が手元に無い場合非常に重宝する。早速「お気に入り」に登録を!  マルチメディアやインターネット関連については、「マルチメディア・インター ネット辞典」がお勧め!  http://www.cgarts.or.jp/jiten/ ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================