==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 044号 1999年 4月27日発行        〜総配信数 1,410部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <<お知らせ>>  電網かわら版をご購読いただきありがとうございます。連休につき次週の発行 を休ませていただきます。045号は5月11日発行予定です。 <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.「読む」のは、“画面”より“紙面”で  ・シャープ、インターネットを利用したカラーFAX情報サービス開始  ・富士通、「InfoWebインターネットFAXサービス」開始 02.パソコン入力をより便利に、簡単に!  ・リコーエレメックス、新入力ツール「PCPICO(ピーシーピコ)」発売  ・手のひらサイズPDA対応の「片手入力キーボード」登場  ・作家・文筆家グループ、「親指シフトキーボード」支持をアピール 03.広告を聞くと市外通話が3分間無料に。KDD子会社「UHA!(ウーハ)」開始 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.KDD、衛星回線だけを使うIPサービス「KDDスカイキャスト」開始 02.ディレクTV、プログレッシブ方式採用の高画質サービス開始 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●「読む」のは、“画面”より“紙面”で ◆シャープ、インターネットを利用したカラーFAX情報サービス開始  http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/990419-1.html  http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/990419-2.html  シャープは、デジタル情報家電向け情報サービス事業(*)の第二弾として、インタ ーネット通信網を使った業界初のカラーFAX情報サービス「シャープ スペースタウ ン for FAX」を5月14日より開始する。同時に同サービスに対応したカラー、モノク ロファクシミリ2機種を新発売する。  FAXを家庭内情報端末として用途拡大すべく、女性とファミリー層をメインターゲ ットに「楽しく・役に立ち・得する」情報を、「簡単に、優しく」利用できるよう 提供する。オリジナル料理レシピやワイン情報、飲食店紹介、タウンマップなどサ ービス開始時には、22メニュー、約2000件のコンテンツを用意する。  インターネット網による全国一律の低料金システムを採用、登録料500円の他、近 接アクセスポイントまでの電話料金とインターネット通信料(20円/3分)だけでサー ビスを利用できる。 (*) http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/990310-2.html   http://www.spacetown.ne.jp/ (スペースタウン) ◆富士通、「InfoWebインターネットFAXサービス」開始  富士通は、同社が運営するプロバイダーInfoWebで、端末型ダイヤルアップIPサー ビス契約者を対象に、WWWブラウザーからFAXの送信ができる「InfoWebインターネッ トFAXサービス」を19日から開始した。  専用ソフトや特別な申し込みは必要なく、専用ページにアクセスし、相手のFAX番 号とメッセージを入力し送信する。画像添付も可能。料金は、日本国内で1枚35円。 >  文字を読むのはディスプレー“画面”より、“紙面”に限る。 >  おじさんに限らず、多くの人がそう思っているだろう。 >  FAXは、電話機能を拡張する身近な情報機器として、パソコンと機を一にして一 > 般家庭へも普及し始め、普及率は現在3割を超え(*)、パソコンとほぼ同等である。 >  (*) 郵政省「通信利用動向調査(平成10年度)」 >    http://202.48.208.73/tokei/tdmokuji.html 参照 >  電話機共用のロール状の感熱紙タイプが家庭用の主流であったが、昨年書き込 > みや長期保存のできる普通紙タイプが登場、今後は家庭用も同タイプが主流にな > ると見られている。 >  数年来、この家庭向けFAX市場を狙った新ビジネスが幾つも誕生した。多くは消 > えたか鳴かず飛ばず。FAX情報サービス(*)もその一つである。要因はコンテンツ > の貧弱さと、ロール状感熱紙の使いにくさ。 >  (*)JAFSA(日本FAX情報サービス協議会) http://www.jafsa.or.jp/ 参照 >  シャープは、FAX付電話機のトップメーカーであり、前述のように「FAXを家庭 > 内通信情報端末として用途拡大する」のが狙い。1年間で10万人の会員獲得を目標 > に、「1ユーザーが1週間に1度アクセス、平均4枚の情報取得」という前提で事業 > 計画を立て、2000年下期に黒字化を目指すという。巻き返しはなるだろうか。 > >  米国でヒューレットパッカード(HP)が、FAXではなくプリンターを利用する同種 > のサービスを運営している。読みたいニュースの配信スケジュールを登録してお > くと、定期的に新しい情報を配信、印刷してくれるようだ。 >  「HP Instant Delivery」http://www.instant-delivery.com/ > >  通勤途上などモバイル環境下でニュースが読めたらとのニーズを満たすべく、 > 携帯パソコンやPDA、そしてカーナビや携帯電話でも様々なアプローチが試みられ > ている。混んだ電車の中では、新聞も広げられないが、モバイル端末を操作する > のも困難だ。数枚のペーパーだったら、ちょうど手頃かも知れない。 >  オールド?メディア“FAX”や“紙”も、まだまだ工夫の余地がある! ───────────────────────────────────── ●パソコン入力をより便利に、簡単に! ◆リコーエレメックス、新入力ツール「PCPICO(ピーシーピコ)」発売  http://www.ricoh.co.jp/rex/news/education/994pcpico.htm  リコーエレメックスは、パソコン初心者でもつないだその日から自由自在にパソ コンが使える新入力ツールと別売専用ソフトを、6月末に新発売する。  「ぺほん」と名づけた、ペンタッチ方式と本のページを開くだけで対応ソフトが 起動する入力方式を採用、キーボード入力の煩わしさや、マウスのクリック操作な どが不要となる。簡単インターネット、簡単メール、簡単ワープロ、お絵描き、フ ァミリーメールの5つを基本ソフトとしてパッケージ。 ◆手のひらサイズPDA対応の「片手入力キーボード」登場  http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/ft/newinfo/sh-keys.html  富士通高見澤コンポーネントは、IBMワークパッドや米3Comパームパイロットなど 手のひらサイズPDAに対応した、片手入力キーボード「SH-KeysTM」を発売した。  独自の「圧縮文字セット辞書引き(復元)変換」により、日本語と英語の両方に対 応、入力した文字を語意により自動認識し変換する。入力キーは3段6列の18キーで 構成され、1分間に40〜60語の高速入力が可能という。 ◆作家・文筆家グループ、「親指シフトキーボード」支持をアピール  二階堂黎人氏など3名が発起人となり、「私たち文筆家は親指シフト(NICOLA)キー ボードを支持します」というアピールを発表した。協賛者を募り、雑誌等に意見広 告を出すなどの活動を行う。  親指シフトキーボードは、日本語入力を便利に快適にするための最も合理的で優 れたキーボードだが、その便利さ・快適さが充分に浸透していないため、多くのユ ーザーがただ与えられた不便なJISキーボードを使わされているため、とのこと。 >  上記のアピールに「これだけ普及しつつあるパソコンですが、日本語入力の装 > 置として、どこか敷居が高いものになっていると感じませんか?情報をやりとり > する道具として、なにか大事な観点が欠落していると感じませんか?何よりもま > ず基本的な性能としてパソコンに求められる、日本語を快適に便利に入力するた > めの配慮が、今のパソコンに欠けているとお感じにならないでしょうか?私たち > がパソコンを使用するときに、その入口であり窓口であるキーボードがどのよう > に設計されているかは、道具としてのパソコンにとって、他の機能に劣らず、い > やそれどころかもっとも重要な要素と言えるのではないでしょうか」とある。 > >  全く同感である。現在のJISキーボードは不満だらけだ。意味の分からぬ英語表 > 記、分けの解らぬ記号、使い方の分からないキーや一度も押したことの無いキー > などなど。ビギナーにとってはまさにチンプンカンプン、パソコンなど見向きも > したくないといった要因の多くはキーボードにある。 >  にもかかわらず、大手メーカーはこぞって使いもしない新機能や、不相応な性 > 能向上ばかりに目を向け、キーボードには見向きもしない。音声入力(*1)や手書 > き文字入力(*2)にうつつをぬかす前にやることは五万とあるだろうに。 >  (*1)日本IBM 音声認識ソフト「ViaVoice98」 >    http://www.ibm.co.jp/voiceland/ >  (*2)同 手書き入力装置「クロスパッド」 >    http://www.ibm.co.jp/pc/vlp/vhcrp8b/vhcrp8ba.html >  親指シフトも、ぺほんも、片手入力キーボードも、使ったことがないため評価 > できないが、チョットした工夫でもキーボードやマウスの改善は可能である。 >  「マイクルプラン」でチャレンジする。 ───────────────────────────────────── ●広告を聞くと市外通話が3分間無料に。KDD子会社「UHA!(ウーハ)」開始  http://www.kdd.co.jp/press99/99-019r2.html  KDDクリエイティブは、新しい広告メディアとして、通話前に10秒間の音声広告を 2回聞くことにより、3分間の市外通話が無料でかけられる広告電話サービス「UHA!( ウーハ)」を、5月1日から開始する。通話料は広告主が負担する。  事前に利用者と加入電話回線の登録が必要で、サービス利用期間は3ヶ月、1ヶ月 あたり30回までこのサービスを使って電話がかけられる。  当初は、市外局番「03」「045」地域の1万回線を登録対象とし、状況を見ながら 提供地域、利用者数の拡大を検討する。 >  同種サービスは、昨年北欧で開始され、デンマークが携帯電話、ノルウェーと > スウェーデンは固定電話に採用、フランスでも今夏から試験導入されるようだ。 >  一方、日経産業新聞4月14日付記事によれば、NTTやドコモなどの出資会社が96 > 年に開始した「ワンナンバーサービス」が3月末で廃止された。電話・FAX、携帯 > ・PHS、ポケベルなど複数の番号を一つに統合するサービスだが、携帯電話の予想 > を上回る普及でニーズが減少、会社も解散された。仏テレコムやAT&Tの出資も仰 > ぐなど鳴り物入れで始まったが、あっけなく幕を閉じた。 >  ウーハは、既にダイハツ、NEC、イトーヨーカドーなどのスポンサーが決まり、 > 2年後には年15億の売り上げを見込んでいるようだが、何となくワンナンバーと同 > 様の運命を辿るような気がする・・・。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●KDD、衛星回線だけを使うIPサービス「KDDスカイキャスト」開始  http://www.kdd.co.jp/press99/99-020.html  KDDは、双方向衛星IP伝送サービス「KDDスカイキャスト」を今秋開始する。送信 回線・受信回線双方を衛星回線で提供するサービスは日本初。  現在提供されている他の衛星インターネットサービスは、送信回線としてISDNや フレームリレー等の地上回線を設定する必要があるが、ユーザー側に送受信機能を 備えた超小型地球局(VSAT)を設置するため地上回線が不要で、企業のイントラネッ ト・エクストラネットの構築が低コストかつ効率的に実現できる。 >  企業向け衛星インターネットサービスは、かわら版でも何度も取り上げてきた > が、主に以下の各社が提供している。 > ・NTTサテライト http://www.nttsc.co.jp/ > ・宇宙通信 http://www.direcpc.superbird.co.jp/index.shtml > ・ダイレクトインターネット http://www.directint.net/japanese/ > ・富士通 http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/solution/mmc/products/eisei/ > ・日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9903/0324b.html >  前述のように、いずれも送信回線は地上回線を利用するという、非対称サービ > スである。インフラとしての衛星は放送でも通信でも長年の実績があるが、イン > ターネット対応技術やサービスは未だ確立されていない。企業にとってはコスト > や技術力より、何はともあれトラブル時のサポート体制がどうなっているかが、 > 最も気がかりであろう。 ───────────────────────────────────── ●ディレクTV、プログレッシブ方式(*)採用の高画質サービス開始  http://www.directv.co.jp/press/news/0416.html (ディレクTV)  http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn990416-1/  jn990416-1.html (松下電器)  ディレクTVは、23日より新チャンネル「プログレッシブ・シアター」で、鮮明で ちらつきが少ない綺麗な映像を実現するプログレッシブ方式を採用した高画質放送 を開始した。PPB(ぺーパービュー)方式で国内外の映画作品を放映する。  同時に松下電器は、対応CSチューナー「TU-DSD30SET」を発売。視聴にはCSチュー ナーの他、アスペクト比16:9のプログレッシブ対応テレビも必要。 (*)プログレッシブ方式  ノンインターレース(non-interlace 順次走査)方式とも呼ばれ、1画面を描くのに 1回の走査で完成させる方式。一般的なテレビに利用されているインターレース(飛 び越し走査)は、1回目の走査で奇数番目の走査線を描き、2回目に1回目に引いた走 査線と走査線の中間の偶数番目を描く。2回の走査を合成して1つの画面を完成させ るため、静止画の表示ではちらつきが目立つ。  細かい文字や画像を表示するコンピュータ用ディスプレイはノンインターレース 方式が主流。 >  かわら版035号で「三菱総研、放送のデジタル化に関するアンケート結果発表」 > を取り上げた。http://www.micle.co.jp/plan/kawara035.txt > ・CS加入者の不満内容のトップは「番組数が多い割には見たいもの面白いものが >  少ない(84%)」次いで「パッケージ料金も思うような組み合わせが出来ないので >  使いやすくない(59%)」 > ・デジタル放送への期待度トップは「映画、ニュース、スポーツ、音楽等の専門 >  チャンネルの登場、拡充(72%)」次いで「高画質放送(53%)」 > という結果であった。 >  高画質放送のニーズがそれほど高いとは思えないし、ましてや対応チューナー、 > さらには対応テレビまで必要とは一体全体誰が見るのだろう。 >  技術屋の自己満足としか思えない。やらねばならぬことは山積しているだろう > に。ディレク不振の根本要因は、こんな体質にあるのだろう。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 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