==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 046号 1999年 5月18日発行        〜総配信数 1,440部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.デジタル家電、端末の本命はゲーム機?  ・松下電器と任天堂、ネットワーク家電戦略で包括提携。ソニー追撃へ  ・セガ、英BTとドリームキャストのネット接続事業で提携  ・マイクロソフトとコナミ、ゲームソフトを相互供給 02.デジタル家電、インフラの本命は衛星orCATV?  ・AOL、ディレクTVと提携。衛星でCATV(AT&T−MS連合)に対抗 02.CDは時代遅れ?新音楽配信システム続々登場  ・7千円を切る世界最小の携帯MP3プレーヤー、6月発売  ・神戸製鋼、NTTと共同開発の携帯音楽プレーヤー「SolidAudio」7月発売  ・ソニー・ミュージック、音楽配信でマイクロソフト、IBMと提携 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.英BスカイB、デジタル放送受信端末を無料配布。アナログ加入者の移行促進 02.テレマン社、衛星放送・衛星通信の同時受信システム開発 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●デジタル家電、端末の本命はゲーム機? ◆松下電器と任天堂、ネットワーク家電戦略で包括提携。ソニー追撃へ  http://www.nintendo.co.jp/n10/news/990512.html (任天堂)  http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn990512-2/  jn990512-2.html (松下電器)  http://www.ibm.com/news/1999/05/12.phtml (米IBM)  松下電器と任天堂がネットワーク家電戦略で包括提携した。内容は以下の3点で、 将来のデジタル家電対応を念頭に、任天堂の次世代家庭用ゲーム機事業と、松下の DVDなどデジタルAV技術、著作権保護技術等を組み合わせて事業展開する。 1.次世代ゲーム機(開発コード名「ドルフィン」)用DVDメディア及び再生専用ドライ  ブの開発・供給。(任天堂ブランドで発売) 2.次世代ゲーム機とDVDプレーヤー融合商品の開発。(松下ブランドで発売) 3.デジタル家電用次世代プラットフォーム機(開発コード名「X-21」)の開発。  1、2については2000年末の発売を予定、3は2001年以降発売される見通し。  なお、次世代ゲーム機用CPUには、任天堂が米IBMと共同開発中のパワーPCをベー スとした「ゲッコー」(仮称)を採用する。契約規模は10億ドル以上。 >  ソニーは3月、次世代ゲーム機「プレステ2」の概要を発表した。あまりにも衝 > 撃的なその内容が両社の提携を加速させたことは疑いようもない。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara037.txt >  任天堂はこれまで「ゲームビジネスで重要なのはハードよりソフト」と、ゲー > ムソフトの記録媒体として、ファミコン以来小容量だが反応速度の速いROMカート > リッジに拘ってきた。ゲーム機が単なるゲーム機に止まらず、デジタル家電の本 > 命となる可能性が高まる中、DVDやインターネット接続機能を取り込み従来路線を > 大きく転換する。また、欧米でソフトの違法コピーが蔓延している現状から、CD- > ROMに比べ不法コピー対策が優れている点も、DVD採用の理由としてあげている。 >  松下は、2年前に家庭用ゲーム機市場から撤退したものの、プレステ様様のソニ > ーの現状を見てはゲーム機分野を無視できず、「X-21」を同社が推進するホーム > ネットワーク構想「HII」の核に据え、先行するソニー陣営を追撃する。 > >  主なゲーム機の概要は以下のとおり >            CPU        発売時期 メディア > 任天堂 ドルフィン  不明   (IBM製) 2000年末 DVD >     NINTENDO64  64ビット(NEC製)  96年 6月 ROMカートリッジ > ソニー プレステ2  128   (東芝製) 99年度中 DVD/CD-ROM > セガ  ドリキャス 128   (日立製) 98年11月 CD-ROM ◆セガ、英BTとドリームキャストのネット接続事業で提携  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/0513/segabt.htm  セガは、家庭用ゲーム機ドリームキャストを今年9月に欧米で投入するのを機に、 英通信最大手BTと、ドリームキャストを専用端末とする無料、無制限のインターネ ット接続サービス事業で提携した。  ドリームキャスト購入者は、欧州内であればBTに支払う市内通話料だけでインタ ーネットを利用できる。プロバイダーへの接続料は、セガとBTが共同で負担する。  BTはゲーム機を次世代の有力なネット端末の一つとみており、回線の利用者が増 えるなどメリットが大きいと判断した。 >  昨年11月、セガの社運をかけ、背水の陣で発売されたドリームキャスト。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara024.txt >  部品の納入遅れやソフト不足、プレステ2発表の影響など、販売台数は90万台と > 目標の100万台に達せず出足で躓いた。業務用ゲーム機事業も不振で、連結最終赤 > 字は450億円に拡大、従業員の25%にあたる1000人の人員削減、不採算ゲームセン > ター100店の閉鎖など、大幅なリストラ策を発表せざるを得なかった。 >  欧米投入を機に、両地域で総額約240億円の販売促進費を投入、一気に巻き返し > を狙うようだが、トップの確執など社内は相変わらず一枚岩となっておらず、前 > 途は多難なようだ。 ◆マイクロソフトとコナミ、ゲームソフトを相互供給  http://www.konami.co.jp/press/r.11.05.11.html  マイクロソフトとコナミは、両社のパソコン用ゲームと家庭用ゲームのクロスラ イセンス契約を締結した。  コナミはマイクロソフトのPC用ゲームを、プレステ、ドリキャスなど家庭用ゲー ム機向けに、マイクロソフトはコナミの家庭用ゲームをウィンドウズ98用にそれぞ れ移植、販売する。 >  マイクロソフトはPCゲームの最大手でもある。これまでも任天堂やソフトバン > クと提携したり、米国のソフトメーカーを相次いで買収するなど、ゲーム部門の > 強化を精力的に進めてきた。 >  コナミとの提携で、ゲーム分野を含めたデジタル家電戦略が一層加速する。 ───────────────────────────────────── ●デジタル家電、インフラの本命は衛星orCATV? ◆AOL、ディレクTVと提携。衛星でCATV(AT&T−MS連合)に対抗  http://www-db.web.aol.com/corp/news/press/view?release=639&  http://www.directv.com/news/aoldtv.html  米プロバイダー最大手アメリカ・オンライン(AOL)は、衛星放送最大手ディレクTV など4社と双方向テレビ放送「AOL TV」で業務提携した。衛星放送でテレビ番組を楽 しみながら、インターネットでAOLの各種サービスにアクセスできる。  ディレクTVがシステム開発で協力、米HNS社と蘭フィリップスが受信装置(STB)を、 米NCI社が受信に必要なソフトをそれぞれ開発する。 >  「AOL TV」は、現在約80万台が加入しているマイクロソフトの「WebTV」対抗サ > ービスに他ならない。先週かわら版で取り上げたように、マイクロソフトはAT&T > と提携、“CATV”をインフラとしてデジタル家電市場を目指す。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara045.txt >  AOLの加入者は1700万を超え、ディレクTVも700万の視聴者を抱えている。高速 > インターネットそしてデジタル家電用インフラとして、AOLは“衛星”を選択。 >  また、NCI社はマイクロソフトのライバル米オラクル傘下で、「WebTV」類似の > 「NCTV」のメーカーでもある。今回の提携劇を、AOL-サン-オラクル(衛星)対マイク > ロソフト-AT&T(CATV)といった構図で論じる米メディアも少なくないようだ。 ───────────────────────────────────── ● CDは時代遅れ?新音楽配信システム続々登場 ◆7千円を切る世界最小の携帯MP3プレーヤー、6月発売  http://www.dynamicnakedaudio.com/html/release.html  ダイナミック・ネイキッド・オーデイオ(DNA)が、世界最小の携帯型MP3プレーヤ ー「ポケットデジタルオーディオ」を6月15日に発売する。  価格は本体のみで6,800円。記録メディアには別売のMMC(マルチメディアカード) を使い、MMC Reader/Writer(4,800円)と、MMC 16MB(実売約1万円)が必要。 ◆神戸製鋼、NTTと共同開発の携帯音楽プレーヤー「SolidAudio」7月発売  http://www.solidaudio.jpn.net/release/release990512.html  神戸製鋼は、NTTと共同開発の携帯用音楽プレーヤー「SolidAudio」を7月下旬か ら発売する。本体価格は30,000円前後になる予定。  CD並みの品質を可能にした音楽圧縮技術「TwinVQ」を採用、サイズはクレジット カード大で厚さ10mm、重量55g。音楽コンテンツは、NTTが開発した著作権保護技術 を組み込んだ「InfoBind」方式により、ネットワークを介して配信され、東芝製の ID付き専用スマートメディアに記録・再生する。 ◆ソニー・ミュージック、音楽配信でマイクロソフト、IBMと提携  http://www.microsoft.com/presspass/press/1999/may99/SonyMusicpr.htm  http://www.ibm.com/news/1999/04/14.phtml  ソニー・ミュージックとマイクロソフトは、インターネット上の音楽/ビデオ配信 事業で提携、'99年夏に予定されているマイクロソフトの「Windows Media Technolo gies 4.0」の最終バージョンでコンテンツを配信する。  なお、ソニー・ミュージックは既にIBMとも提携、ソニーが開発した著作権保護技 術「MagicGate」「OpenMG」と、IBMの配信システム「EMMS(Electronic Music Mana gement System)」を相互利用可能にする。 >  数年後には音楽ソフトは、インターネットやデータ放送でダウンロードして聞 > くのが当たり前になり、カセットやCDはなくなる。実際にそうなる可能性は極め > て少ないと思うが、最近新配信システムや新流通ビジネスの動きが盛んだ。 >  MP3というCD並の高音質でダウンロード・再生できる音声圧縮技術が登場し、米 > 国では今やネット上でMP3はSEXに次ぐ代名詞になったと言われるくらい普及、MP3 > データを再生する携帯型専用プレーヤーも相次いで登場した。 >  問題は著作権である。違法サイトが横行し、レコード業界はMP3対策に躍起にな > っている。デファクト・スタンダードを目指し、著作権保護のシステムを組み込 > んだ新たな圧縮技術や配信システム、携帯再生プレーヤーや記録メディアが相次 > いで登場、新音楽配信システムを巡る合唱連衡が活発化している。 > >  上手く整理できないが、とりあえず現状を以下にまとめてみた。 > <圧縮技術・フォーマット> > 「MP3」「RealAudio G2(RealNetworks)」「ATRAC3、MagicGate(Sony)」 > 「Windows Media Technologies 4.0(Microsoft)」「TwinVQ(NTT)」等 > <配信システム・再生ソフト> > 「RealSystem MP、Real Player G2(RealNetworks)」「WinAmp(MP3)」 > 「Sonique(MP3)」「EMMS(Electronic Music Management System)(IBM)」 > 「InfoBind(NTT)」「DRM(Digital Rights Management)(Microsoft)」等 > <携帯用再生プレーヤー> > 「RIO、ポケットデジタルオーディオなどのMP3プレーヤー」 > 「SolidAudio(神戸製鋼&NTT)」 > 「メモリースティックウォークマン(Sony)」等 > <携帯用記録メディア(メモリーカード)> > 「マルチメディアカード(日立) > 「スマートメディア(東芝) > 「メモリースティック(ソニー)」等 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●英BスカイB、デジタル放送受信端末を無料配布。アナログ加入者の移行促進  昨年10月デジタル放送を開始した英BスカイBが、6月より専用受信端末(STB)を無 料提供、アナログ加入者のデジタル移行を促進する。約4万円のSTBを、取り付け工 事費(約8千円)のみで提供し、併行して無料のインターネット接続や、双方向番組、 ホームショッピングやホームバンキングなどサービス内容を充実させる。  当面は配当も見合わせ、内部留保をデジタル移行に伴う各種イベントに投入、20 02年末までに完全移行を目指す。(日経産業新聞5月11日付記事より) >  同記事によれば、英国でデジタル放送を手がける3陣営の概要は以下のとおり。 >   社名     方式  主要株主  事業開始 加入者数 チャンネル数 >  BスカイB    衛星  豪ニューズ 98年10月  55万    約140 >  オン・デジタル 地上波 英民放局  98年11月  11万      30 >  CWC       CATV  C&W     99年 7月   −   最大200 > >  現状はBスカイBが先行、ライバルの地上波「オン・デマンド」に大差をつけて > いるが、今年7月にはCATVが加わり、衛星、地上波、CATV三つ巴の激しい加入者争 > 奪戦が繰り広げられる。 >  先回も記したが、我国民の放送デジタル化ニーズは限りなく低い。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara045.txt >  これぐらいの思い切った戦略を取らねば、デジタル化は頓挫するに違いない。 ───────────────────────────────────── ●テレマン社、衛星放送・衛星通信の同時受信システム開発  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/990510j501.html  http://www.telemann.co.jp/ (情報未掲載)  郵政省は、テレマンコミュニケーションズから申請があった「衛星を利用したデ ジタルテレビ放送・データ放送・インターネットデータが同時送受信可能な事業」 について、通信・放送開発法に基づく事業計画に認定した。  同法は、通信・放送分野におけるニュービジネスの振興により、情報流通の円滑 化を図ることを目的としたもので、認定企業はテレコム・ベンチャー投資事業組合 からの出資や、通信・放送機構の債務保証などの支援措置が受けられる。 >  河合塾や東進予備校、大原学園など、CSデジタル放送やインターネットを使っ > た授業が活発化している。 >  11日付日経産業新聞によれば、テレマン社は衛星関連機器の輸入・販売のベン > チャー企業で、今回の認定を受け、5月から来年3月まで駿台メンバーズスクール > と共同で、予備校生を対象にパソコンを使った実験に乗り出すとのこと。 >  詳細は不明だが、講師の映像を見ながら関連図表などを画面に随時表示したり > 、質問や回答がリアルタイムでやり取りできるとすれば、期待が持てる。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================