==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 047号 1999年 5月25日発行        〜総配信数 1,450部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.ターゲットは“地域”だが?  ・エプソン、GPS搭載携帯情報端末と、ユーザー向け情報サービス事業を発表  ・ベッコアメ、フランチャイズ方式で地域密着型の接続サービスを提供  ・関西マルチメディアサービス、特典付地域情報サイトオープン 02.ブラウザのシェア逆転。NetscapeからInternet Explorerへの移行が加速 03.店頭端末でMDに録音。ブイシング、音楽ソフトのネット配信実験開始 04.野村総研「第5回情報通信利用者動向調査」結果より 05.我国のネット精通経営者は僅か15%、先進国中最低 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.NHK、BSデジタルハイビジョンをスポーツなど中心の総合編成に ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- 01.「日経BPデジタル大事典1999-2000年版」 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ターゲットは“地域”だが? ◆エプソン、GPS搭載携帯情報端末と、ユーザー向け情報サービス事業を発表  http://www.epson.co.jp/epson/news/1999/990517_1.htm  http://www.epson.co.jp/epson/news/1999/990517_2.htm  セイコーエプソンは、「GPSモバイルコミュニケーター Locatio(ロカティオ)」と 、ユーザー向け情報サービス「i-Point network」を発表した。  「Locatio」はポケット手帳サイズのPDA(携帯情報端末)で、通常のPDA機能の他、 GPS衛星受信アンテナやデジタルカメラ機能を搭載、地図上に現在置を表示したり、 位置に関連した各種コンテンツを表示できる。手持ちの携帯電話やPHSに接続して使 うモデルと、PHS機能を装備したモデルがある。6月9日より発売、実売価格は10万円 程度。両モデルあわせて今年度5万台の販売を見込む。  「i-Point network」は端末ユーザー向けに、インターネット接続サービスの他、 現在地周辺の天気予報、観光地情報、乗り換え案内など各種の地域タウン情報を提 供する“歩行者向けナビゲーション”サービス。 ◆ベッコアメ、フランチャイズ方式で地域密着型の接続サービスを提供  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/0520/bekkoame.htm  http://www.b-city.net/ (ベイ−シティネット)  http://www.048net.net/ (ゼロヨンハチネット)  プロバイダーの草分けで、アダルト系サイトとしても名を馳せているベッコアメ ・インターネットは、地域系プロバイダー向けに、フランチャイズ方式で通信設備 や回線をレンタルする。加盟料100万円、設備経費として経常利益の20%を徴収する。  一般ユーザー向け年額9,480円の無制限接続サービスと、未成年者向け年額8,280 円の接続サービスを設定した。未成年者向けは、アダルトサイトなど有害コンテン ツへの接続制限システムを設置、利用時間を朝5時から夜11時までに制限することで 業界最低料金を実現した。  既に横浜、埼玉で開局した他、年内に50カ所を予定、3万件の加入を目指す。FC方 式導入で地域に密着した営業戦略を展開、地域の教育機関などに食い込んでいく。 ◆関西マルチメディアサービス、特典付地域情報サイトオープン  http://www.zaq.ne.jp/  http://www.kmsc.co.jp/ (関西マルチメディアサービス)  CATVインターネットプロバイダーの関西マルチメディアサービスは、関西地区の 飲食店やレジャー施設などの情報を提供する「かんさいBeans」を開設した。掲載情 報すべてにクーポン券などの特典が付き、「駅すぱあと」と連動、出発駅を指定す ると経路や運賃、最寄り駅からの所要時間が表示される。  地域情報コラム「より道、みち草、ぶらり旅」や、エリアや市町村から検索でき る「暮らしに役立つ情報リンク」なども提供している。 >  “地域”に関連するトピックスを3件取り上げた。 >  エプソンのロカティオは、カーナビ及びカーナビ向け情報サービス(トヨタのモ > ネ、日産のコンパスリンク、ホンダのインターナビなど)の歩行者版。カーナビは > 結構売れているが、情報サービスはいずれも冴えない。通信料金の高さも要因だ > が、地域に密着した有用コンテンツが貧弱なことが最大要因。エプソンも今のと > ころ似たり寄ったりだ。 >  ベッコアメの戦略は、過当競争下での中小プロバイダーの新たな生き残り策に > 他ならない。メーカー系、キャリア系、外資系など資本力を武器に厳しい価格競 > 争を繰り広げる大手プロバイダーに対抗するためには、地域に密着した情報提供 > など、きめ細かなサービス以外には無い。しかし、参加した両プロバイダーのサ > イトはあまりに寒い。 >  関西マルチメディアサービスは、関西電力が中心となり、松下電器や住友商事 > など有力企業を巻き込んで鳴り物入りで設立した「関西復権のため」の新会社。 > 米国でAT&Tやマイクロソフトが、CATVを次世代インフラの中心とすべく着々と戦 > 略を進めつつあるのに比べ、その動きはあまりにお粗末。サイトで提供している > 地域情報もまた然りである。 >  “地域”とは、“地域コンテンツ”とは。答えを出した者が覇者となる。 ───────────────────────────────────── ●ブラウザのシェア逆転。NetscapeからInternet Explorerへの移行が加速  http://www.zonaresearch.com/browserstudy/1999/may99/index.htm  米国の市場調査会社Zona Researchの調査によれば、長年Netscape Navigatorを使 ってきた企業が、雪崩を打ってInternet Explorerに移行し始めた。メインに使うブ ラウザの59%がInternet Explorer、41%がNetscape Navigator。昨年10月の調査では NavigatorがIEを20%も引き離していたのに、わずか半年で大逆転した。  また、特定のブラウザを社員に推奨するかとの問いに、7割の会社がYESと答え、 そのうち62%がIEを推奨ブラウザとしている。 >  PC Watch5月20日号のコラム「データで読む米国パソコン事情」は、この件に関 > し「AOL買収の影響でNavigator離れがますます浮き彫りに」と題し、以下のよう > にコメントしている。 >  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990520/pcdata20.htm >  原因はAOLがNetscapeを買収したため。これまでNetscapeは、Microsoftにコン > シューマ市場では追いつめられても、企業ユースだけはがっちり握り、現場技術 > 者には「アンチMicrosoft=Netscape支持」という構図もあった。社員の使うソフ > トを規定しようとの動きが各企業で強まった結果、システム部門の責任者が、AOL > 傘下となったNetscapeの先行きに不安を感じ、Navigator離れが起きた。 >  「判官びいき」という言葉があるが「アンチMicrosoft=Netscape支持」という > のも、これに当たるのだろう。 ───────────────────────────────────── ●店頭端末でMDに録音。ブイシング、音楽ソフトのネット配信実験開始  http://www.musicpod.co.jp/press/index.html  ブイシンクは、NTTの協力を得て店頭端末による音楽ソフト配信サービス「ミュー ジックポッド」の実験を都内レコード店で開始する。  デジタルデータ化した楽曲をサーバーに蓄積、光ファイバ回線を通じ各端末にダ ウンロードする。ユーザーは端末画面で好きな曲を検索、視聴し、持ち込んだMDに データを書き込む。価格は、楽曲だけの場合1曲150円前後、その場で印刷した歌詞 とジャケット写真付きで250円前後。端末価格は200〜250万円程度を予定。 >  先週号で「CDは時代遅れ?新音楽配信システム続々登場」を取り上げたが、今 > 回は、店頭端末を使ったシステムである。いずれも成否の最大の課題は著作権問 > 題で、ミュージックポッドも、最新のヒット曲ではなく、インディーズや旧譜が > 中心のようだ。 >  現在大手レコード会社と交渉を進めており、合意が得られ次第、新譜を充実さ > せるとのことだが、CBSソニーや東芝EMIなど傘下に有力レーベルを持つメーカー > が競合相手?に塩を送るとも考えられず、前途は多難だろう。 ───────────────────────────────────── ●野村総研、「第5回情報通信利用者動向調査」結果より  http://www.nri.co.jp/nri/news/990520.html  野村総合研究所が半年毎に実施している標題調査の、99年3月実施結果の概要は以 下のとおり。 ・携帯電話・PHSの個人使用率は5割を超え、特に20代男性(79.7%)、30代男性(77.1)  、20代女性(65.3)が高い。購入意向率は10代が抜きんでて高く他は頭打ち。 ・携帯・PHS個人使用者のうち、電話会社を変更した人は23.2%、会社を変えずに端  末を変えた人は34.6%。 ・同個人使用者のうち、ショートメッセージ(Pメール、キャラメール、モジトーク  等)利用者は18.9%、電子メール利用者は3.6%。10代のショートメッセージ利用率  は59.0%と群を抜いている。ホームページ閲覧や各種情報サービスのニーズは各年  代とも12〜15%と低い。 ・パソコンの世帯普及率は41.6%、うち個人使用率は21.9%。20〜40代男性は3割を超  える。購入意向率も21.7%で、概ね各年代とも高い。 ・パソコンの購入重視点は性能(62.0%)、価格(46.4)が圧倒的。 ・使用ソフトはワープロ(83.7%)、表計算(60.1)、通信(38.7)、周辺機器はプリンタ  ー(73.4%)、モデム・TA(44.4)、スキャナー(19.8)、デジカメ(15.0)等。 ・ネットワーク接続パソコンの比率は半年で10.1%増加し、5割を超えた。未接続ユ  ーザーも4割が2年以内に接続意向を持っている。 ・プロバイダー選択の最重視点は接続料金(26.3%)が圧倒的。 ・エレクトロニック・コマースの利用経験者は全体の2.2%、ネット接続者の15.8%。 ・テレビゲーム機の個人使用率は全体で26.2%。10代男性(88.9%)、20代男性(65.2)  が高く高年代、女性の使用率は低い。 ───────────────────────────────────── ●我国のネット精通経営者は僅か15%、先進国中最低  アンダーセンコンサルティングが、世界24ヶ国の大手企業の経営陣・政府機関の リーダー1700人以上を対象に実施したインターネット利用調査によれば、インター ネットを使いこなしている日本の経営者は15%で、先進国のなかで飛び抜けて低い。  快適に利用できるまたは精通している人は、カナダ、米国、スペイン、オースト ラリアが約6割と高く、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスが約3割で、日本は これらの半分にも満たない。(日経産業新聞5月21日付記事より) >  我国の現状が集約されている調査結果だ!。 >  戦後、占領軍により「公職追放」が行われた結果、政界始め、経済界でも新旧 > 交代が著しく進み、高度成長時代への礎が築かれた。 >  現状を打破し、我国を復興・再生させるには、再度の「公職追放」が必要であ > る。リストラで従業員の首を切り、自らは居座り続ける多くの経営者こそ、(企業 > )戦争犯罪人に他ならない。しかし、今、占領軍はいない。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●NHK、BSデジタルハイビジョンをスポーツなど中心の総合編成に  NHKの松尾放送総局長は、来年末に始まるBSデジタルハイビジョン放送を、スポー ツなど遠近感の出る迫力ある映像を中心に、幅広いジャンルの番組を流す総合編成 にする方針を明らかにした。  ニュースや大河ドラマの他、候補として競馬やサッカーなどのスポーツ番組や、 自然物のドキュメンタリーなどを挙げた。(日経産業新聞5月20日付記事より) >  デジタル化まであと1年半というのに、民放キー局5系列が設立したBS新会社の > 方針・戦略が見えてこない。料金(有料or無料)、番組編成(総合or専門、ハイビジ > ョン主体or標準放送主体)、ソフト調達、データ・文字放送対応、双方向放送対応 > などなど。このままでは、アナログBSで先行するNHKにおんぶに抱っこの状態にな > らざるを得なく、早晩NHKの分割・民営化論議が活発化する。 >  オリンピック、ワールドカップ、大リーグ、そしてプロ野球やJリーグ・・・ > メジャースポーツは巨人戦以外は専らNHKBSが群を抜いている。これに中央競馬が > 加われば、ほぼニーズは満たされる。ハイビジョンでなく、標準放送なら現在の > 2チャンネルに3チャンネル分が加わり、5チャンネル体制だって可能だ。事実ハイ > ビジョン(高精細放送)のニーズは少ないのだし、メディアビッグバンが本格化す > る中で、NHKも一層の競争力強化が必要なのだから。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- ───────────────────────────────────── ●「日経BPデジタル大事典1999-2000年版」 定価(5000円+税)  http://bpstore.nikkeibp.co.jp/books/data/contents/digitalDZ3_cnt.html  PR文によれば、「ゴールド・カラー」を目指すビジネスマンに必携の知識データ ベースで、21世紀の理解に必要な情報・通信・メディアに関する知識が体系的かつ 網羅的に得られる。テキスト全文収録のCD-ROMを添付、充実した検索機能とインタ ーネットとの連携により、キーワードを入力するだけで、パソコン上でワンタッチ で関連用語を引き出したり、関連ページにジャンプしたりできる。  ということで、かわら版の編集作業にも重宝している。 因みに、「ホワイト・カラー」に変わる「ゴールド・カラー」の8つの資質とは、  1.先端情報技術を駆使できる能力  2.自分で問題を発見し、解決する能力  3.国際的な場で活躍する能力  4.科学技術の進歩を予測し、特定の専門分野に関して21世紀のビジョンを描く   能力  5.そのビジョンを実現する企画力、実行力、評価力、リーダーシップ  6.適切なマーケティング力  7.新しい社会問題に対処する能力  8.起業家精神に富み、ニュー・ビジネスを創造する気概 だそうです。皆さんは如何?。3を除きマイクルはほぼ合格かな。(^J^) ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================