==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 059号 1999年 8月24日発行        〜総配信数 1,550部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <お知らせ>  つかの間のお盆休みでしたが、気を引き締めて配信を再開いたします。  さて、マイクルの5年間の集大成として、下記事業プランをまとめました。 今後プランの実現に向け邁進してまいります。電網企画会社「マイクルプラン」で 全文を公開(メンバー限定)しています。 http://www.micle.co.jp/plan/  ご関心をお持ちの方はご連絡下さい。 plan@micle.co.jp ========================================================================== 『MICle事業企画』 〜情報リテラシー向上による、地域コミュニティ復興と新産業創出を目指して〜  第一部 起業の経緯と背景  第二部 事業目的と基本戦略  第三部 MICleステージ1「ビギナーパソコン事業企画」 <事業概要>  未曾有の大不況と、閉塞状況を打破し、迫り来る高齢化社会と、急進するマルチ メディア革命に立ち向かうには、国民一人一人の情報リテラシー向上による、地域 コミュニティ復興と、新産業創出が不可欠である。  日本型経営の申し子トヨタ自動車と、新電電IDOで25年間のビジネス経験を積 んだ一人の中年起業家が、5年間の試行錯誤の末、確信するに到ったMICleの理念と 事業プラン。  具現化のため、最先端かつ革新的教育を実践するSFC(慶応義塾大学湘南藤沢 キャンパス)に集う若者や、全国各地の有為のSOHO・起業家達とコラボレート、 チャレンジする。  目指すは 「Multimedia For The People 誰もが手軽に楽しく使えるマルチメディア」  先端技術をウォッチしつつ、こなれた技術を優先活用、ハード(端末)を中心に、 関連サービス・コンテンツ分野も視野に入れ、企画〜開発〜生産〜流通〜サポート 各ステップに、斬新かつ正鵠なアイデアをふんだんに盛り込む。  第一段は「ビギナーパソコン関連事業」、  次いで「新キオスク端末(地域サーバー)関連事業」、  そして「新メディア端末(ネットワーク家電)関連事業」。  新たなコンセプトで企画した、新情報端末やインターネット関連新サービスを、 新たな仕組み、やり方で提供するMICleのビジネスプランこそ、これまで既存業界 や数多の泡沫ベンチャーが成し得なかった、ビジネスの本質と王道に立脚した、真 の事業戦略に他ならない。 ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.“虎の威を借る”戦略の狙いは?  ・ソフトバンク、東電・マイクロソフトと合弁でネット通信サービス会社設立  ・セガ、AT&Tとドリームキャスト向けネット接続サービスで提携 02.移動電話の普及が、情報リテラシー向上を阻害する?  ・携帯/PHS加入数、5,000万台突破。一般電話を上回る勢い  ・ドコモの「iモード」契約者、100万人突破 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.ディレクTV、300億円強の転換社債発行へ 02.米イリジウム、更生法適用を申請。DDIの経営にも影響か? 03.英衛星携帯電話ICO、サービス開始を延期 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●“虎の威を借る”戦略の狙いは? ◆ソフトバンク、東電・マイクロソフトと合弁でネット通信サービス会社設立  http://www.softbank.co.jp/sbadmin/news/990811.htm  http://www.tepco.co.jp/corp-com/press/1999081102-j.html  http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/0811jv.htm  ソフトバンク、東京電力、米マイクロソフト3社は合弁会社を設立、定額・低料金 の高速インターネットサービス事業に参入する。東京電力の光ファイバー網を利用 し、2000年夏から関東地区で無線方式のサービスを提供する計画。資本金は60億円 で、3社がそれぞれ31%出資するほか、ヤフーなども出資する。  足回りにNTTの回線を利用せず、光ファイバーが敷設されている電柱などに、数百 メートル間隔で無線基地局を設置、高速無線でユーザー宅と接続する。東電以外の 電力会社とも組み、全国に事業地域を広げていく予定。  ソフトバンクの孫正義社長は「64〜128kbpsでは、我々がサービスを提供する意味 がない、メガビットクラスも視野に入れている。料金はNTTのISDN定額サービスの月 額1万円より、はるかに安くする」と語った。  また、学校向け「スクールネット」構想も発表、ネット接続料と通信料を無償に する他、全学生・教員にメールアドレスとホームページスペースを無料提供する。 ◆セガ、AT&Tとドリームキャスト向けネット接続サービスで提携  http://www.sega.co.jp/sega/corp/news/nr990805_1.html  http://www.sega.com/corporate/press_releases/99aug/press_att.html  http://www.att.com/press/item/0,1193,599,00.html  セガは、家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」向けインターネット接続サービス で米AT&T社と提携した。AT&Tの「AT&T WorldNet Service」が、米国におけるドリー ムキャストの優先プロバイダーとなる。  ドリームキャストは、北米市場で今年9月9日の発売を予定。接続時間10時間まで の9.95ドル/月から、接続時間無制限の21.95ドル/月まで、3種類のサービスを設定、 チャットや電子メールによるゲーム仲間同士の交流の場を提供したり、電子メール によるゲーム情報の配信や顧客サポートなどを行う。来年にはリアルタイム・ネッ トワーク・ゲームのサービスも始める予定。  AT&Tに続き、欧州では英BTと提携、日本でも同様の提携を計画しているという。 >  こなた、ソフトバンク、セガ、いずれも何かと話題(問題)の多い企業。かたや > 東電、マイクロソフト、AT&T、いずれも錚々たる業界最大手のビッグネーム。 >  上記の本質を、マイクルは“虎の威を借る”戦略と読む。 > >  かつてのメディア王マードックと組んだ、テレビ朝日株買収に端を発する放送 > 業界への参入に始まり、今年に入ってもセブンイレブンと組んだ電子出版事業、 > 米ナスダックと組んだ証券業界への参入、そして今回の通信業界への参入と、孫 > 氏の新事業参入には、常にビッグネームが存在した。 >  かわら版052号「“事業家”から“虚業家”に変貌した?孫正義氏」で、日本版 > ナスダック構想の危うさと、氏の金権体質を批判した。 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara052.txt >  今回のネット接続事業の危うさも全く同様である。新会社の社長が、NTT元会長 > で大物財界人の真藤恒氏の三男、真藤豊氏(元パーフェクTV常務、前三井物産メデ > ィア事業部長)ということだけでも、想像に難くない。下記のように日経コミュニ > ケーションでも、問題点を指摘している。 >  「ソフトバンク・東電・MSの新ネット会社、格安・定額の実現性は不明確」 >   http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc874.html >  「ソフトバンク、東電などの低額インターネットアクセス回線は無線LAN」 >   http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc881.html > >  セガについても、親会社CSKオーナー大川功氏を含めた複雑怪奇な企業体質は、 > 皆さんご存知のとおりで、経営危機が囁かれる中、大リストラの真最中である。 >  「セガ、英BTとドリームキャストのネット接続事業で提携」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara046.txt >  「セガ、ドリームキャストの再生は、1万円値下げとネット端末機能強化で」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara049.txt >  「セガ、新型家庭用ゲーム機ドリームキャスト発売」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara024.txt > >  私の回りにも、上記ニュースを聞いて小躍りした知人がいるが、賢明な読者に > は、両社の“虎の威を借る”戦略の狙いは明らかであろう。 ───────────────────────────────────── ●移動電話の普及が、情報リテラシー向上を阻害する? ◆携帯/PHS加入数、5,000万台突破。一般電話を上回る勢い  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/denki/990806j601.html  http://www.tca.or.jp/japan/prompt/r9907.html  携帯電話/PHSの加入台数が、7月末現在で5,052万台と、初めて5,000万台を突破し た。人口普及率も39.9%とほぼ4割に達し、NTTの一般加入電話の契約数(5,800万件) を今年度中にも上回りそうな勢いだ。  携帯電話は4,481万台、PHSは571万台で、iモードやcdmaOneなど携帯各社の新サー ビスが需要を拡大させている一方、携帯への乗り換えが進んでいるPHSは、3カ月連 続で減少した。 ◆ドコモの「iモード」契約者、100万人突破  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/99/whatnew0809.html  http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/NEWS/19990809001.html  NTTドコモの携帯電話向け文字データ通信サービス「iモード」の契約数が100万件 を突破した。2月のサービス開始以降、4月末に14万件、5月末に26万件、6月末に52 万件と、倍倍ゲームで増加している。  提供サービスも好調で、iモードからのアクセス可能サイトは、1,400以上に増加 した。三和銀行が1万人強のユーザーを獲得するなどモバイルバンキングも順調で、 紀伊国屋書店の会員制電子商店も、新規会員のうち1割以上をiモードで獲得した。  有料サービスでも、バンダイが月額100円で提供するキャラクター画像配信サービ スのように、13万人ものユーザーを集めるものが現れた。 >  iモードの基本料金は300円/月、通信料金は各種情報の閲覧20〜30円/件、メー > ルの送受信は約1円/通である。留守番サービスの月額使用料も300円/月であり、 > 最新端末への代替ユーザーや新規購入ユーザーが“気軽”に加入できる水準だ。 >  加入者急増の最大要因はこの料金設定であろう。バンダイのサービスも然り。 > >  さて、かわら版055号「悪夢再燃の予兆!?、携帯メールにトラブル続出。DDI、 > ツーカー、J-ホンも」 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara055.txt で、 > 300万人にも達せんとしている携帯/PHSメールユーザーの急伸と、急成長の影に潜 > むインフラの脆弱さを指摘した。 >  そして、「女子高時代はポケベル、今はケータイ。iモードは伝言ダイヤル・テ > レクラ代わり・・・。悪夢のシナリオが続く。ケータイが東京テレメッセージの > 二の舞に http://www.micle.co.jp/kawara/kawara048.txt」と記した。 > >  iモードの利用者は2タイプいるようだ。パソコンでネットに接続するとともに > 、携帯/PHSも積極的に活用するユーザー。一方、伝言ダイアルやテレクラ代わり > にiモードを利用する多くの若者達は、パソコンは使わない(使えない)。 >  彼・彼女たちにとっては、“気軽”に使える携帯/PHSがあれば十分であり、パ > ソコン・インターネットを活用し、情報リテラシーそしてコミュニケーション能 > 力を向上させることなど無関心以外の何者でもない。 >  悲しいかな!これが我国の現状。一億総白痴化が、嫌がおうでも進む。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ディレクTV、300億円強の転換社債発行へ  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comm/79545  ディレクTVは、300億円強の転換社債の発行を決め、主要株主8社に対し出資比率 に応じて引き受けるよう要請した。  同社は、300億円弱の増資を計画していたが、転換社債で当面必要な事業運転資金 を調達することにした。支払期限は9月末。  今後、株主各社は支払いに応じるかどうか、判断する。 >  先般のかわら版で、ディレクの新衛星移行を取り上げた。 > 「三者三様の夏商戦。WOWOW、スカパー攻勢、ディレクは新衛星にらみ動かず」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara055.txt > 「ディレクTV、BSと同軌道に移行」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara056.txt > >  日経産業新聞8月18日付記事は、以下のように解説している。 >  加入者数が30万件と苦戦が続く中、約660億円用意した事業資金が、広告、番組 > 調達、営業、人件費などで今春払底した。当座の資金手当てと、ヒューズ、松下、 > 宇宙通信など既存株主の経営支援の明確化が狙い。 >  同社の期待は来年末の新衛星移行。CS/BS共用受信機による一発逆転を狙うが、 > 新受信機開発の他、郵政の認可や制度整備、電波中継器の容量(136チャンネル全 > 部の移行は無理)、既存加入者の受信機買替補償などの課題が山積する。 >  最も高いハードルは、来年さらに必要とされる800億円規模の事業資金調達。筆 > 頭株主米ヒューズは、全面支援を確約するものの、社内は必ずしも一枚岩でなく、 > 三菱電機など追加投資に消極的。 >  起死回生策が吉と出るか凶と出るか、残された時間は1年余り。 ───────────────────────────────────── ●米イリジウム、更生法適用を申請。DDIの経営にも影響か?  http://www.ddi.co.jp/release/990816a/index.html  http://www.iridium.co.jp/press/990816-2.html  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc875.html  約15億ドルの債務不履行に陥っていた、衛星携帯電話サービス米イリジウムは、 連邦破産裁判所に対し、日本の会社更生法に相当する手続きを申請した。今後裁判 所の管理下で再建を図る。サービスは継続する。  最大の出資者、米モトローラは再建に向け全面的な協力を表明し、30日以内に再 建案をまとめる意向を示し、モトローラに次ぐ出資者で、DDI、京セラなどが設立し た日本イリジウムも支持を表明した。 > 「イリジウムの衛星携帯電話サービス、11月に延期」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara013.txt > 「衛星携帯電話イリジウム失速!加入数はわずか数千台」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara045.txt など、かわら版でも随時取り > 上げてきた。年初に紹介した「大胆予測1999年(情報通信研究所)」が「衛星携帯 > 電話に未来はない」と予測したがそのとおりとなってしまった。 >   http://www.icr.co.jp/newsletter/1999/9909.html >  原因は加入数の見込み違い。3月末時点で全世界5万2,000加入を銀行に約束して > いたが、7月時点では2万数千にとどまり、我国も3千弱。今後サービスを開始する > 英ICOや米グローバルスターにも黄信号が灯り、料金設定やサービス開始時期など > 計画の大幅変更は必至で、新たなユーザー層を開拓できなければ、衛星携帯電話 > サービスそのものの存続が危ぶまれる。 >  同社に出資し、支援を表明しているDDIにとっても、連結で1兆円を超す有利子 > 負債を抱えている上、日産から買収した携帯電話会社ツーカー3社の債務も引き継 > ぐなど、今後の経営への影響は避けられそうもない。 ───────────────────────────────────── ●英衛星携帯電話ICO、サービス開始を延期  http://www.spj.co.jp/(情報未掲載)  KDDなどが出資する衛星携帯電話会社ICOは、2000年9月までに予定していたサービ ス開始を数カ月延期する。7月に第1号衛星を搭載する予定だったロシア製ロケット が爆発事故を起こし、打ち上げスケジュールの大幅変更を余儀なくされたのが理由。  同社は、同年中にはサービスを開始する方針だが、株主から端末機や料金体系の 見直しを求める声も上がっており、調整次第で開始時期に響く可能性もある。 >  ロケット事故と上記の記事は、偶然の一致にせよ、あまりにもタイミングがよ > すぎる。安易?にイリジウムに追随した故とは言いたくはないが。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================