==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 062号 1999年 9月14日発行        〜総配信数 1,580部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.モノからサービスへ、進化する自販機  ・デジキューブ、情報キオスク端末「デジタルコンテンツターミナル」開発  ・日本IBM、ファミリーマート、東京三菱など、コンビニでATMサービス開始  ・渋谷駅のデジタルコンテンツ販売実験、成果は見込み以上? 02.マイクロソフトとジャスト、企業向けナレッジマネジメント分野で提携 03.米バイアコム、三大ネットの一角CBSを史上最高額の350億ドルで買収へ 04.電話機/FAXでEメールを送受信、日本テレコムとDDIが新サービス ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.8月度衛星放送加入件数発表。スカパーはセリエA効果でホクホク ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- 01.第二の東芝?、ネット告発サイト相次ぐ ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●モノからサービスへ、進化する自販機 ◆デジキューブ、情報キオスク端末「デジタルコンテンツターミナル」開発  http://www.digicube.co.jp/ir/japanese/news/dctkaihatu.html  デジキューブは、衛星配信方式の多機能キオスク端末「デジタルコンテンツター ミナル(D.C.T.)」を開発した。11月中旬からコンビニ、レンタルショップ、カラオ ケ店など40店舗で実験を開始、2001年には数万店規模の展開を目指す。  D.C.T.は、コンピュータ端末に衛星受信機、タッチパネル式ディスプレイ、MDレ コーダー、カラープリンタ、スマートメディア・メモリースティックドライブ、音 声認識機能などを内蔵したもの。音楽・画像データなどを衛星で送受信、ブロマイ ドの店頭印刷、音楽ソフトのダウンロード、デジカメ写真のプリントサービスなど エンタテインメントコンテンツを24時間提供する。操作はタッチパネルまたは音声 認識による。  同社は、セブンイレブン、ファミリーマートなど提携コンビニ約18,000店舗で、 ゲーム・パソコンソフト、音楽CDなどのパッケージ販売を行ってきた。今回の新端 末は、デジタルコンテンツの特性を生かし、商品在庫数量の適正化など、ノンパッ ケージ販売の本格化を目指し開発した。 ◆日本IBM、ファミリーマート、東京三菱など、コンビニでATMサービス開始  http://www.ibm.co.jp/NewsDB.nsf/1999/09071  東京三菱、第一勧銀、ファミリーマート、日本IBM他19社は、コンビニ店舗でATM の設置・運用を行う新会社「イーネット」を設立する。リテール(小口取引)の強化 を狙う銀行と、サービス向上を目指すコンビニの利害が一致した。  10月から東京、神奈川、静岡のコンビニ234店舗でサービスを開始、平成13年春に は全国約5,000店舗への展開を目指す。第一段階は、入出金と残高照会、次いで振り 込みや定期作成などにもサービスを拡大、365日・24時間対応できる体制を目指す。 ◆渋谷駅のデジタルコンテンツ販売実験、成果は見込み以上?  http://www.japan-telecom.co.jp/mediacocktail/index.htm  日本テレコムとJR東日本が渋谷駅構内で行った、「メディアカクテル」と称した マルチメディア端末を使った、音楽・パソコンソフトの自動販売実験が終了した。  「当初の売上見込みを十倍も上回った」「購入層は20/30代が主だが、50代も多く 幅広い層に受け入れられた」「新人歌手やゲームソフトの反応を見たいなど、自動 市場リサーチ機としての可能性も」など実験に手応えを感じた様子で、来春、主要 駅10-20ヶ所に設置する。(日経産業新聞9月3日記事より) >  上記記事を日経産業新聞は、「モノからサービスへ、進化する自販機」という > 見出しで取り上げ、「自動販売機が飲料やタバコなど“モノ”を売る機械から、 > MDへの音楽書き込みなどソフト販売機へと変ってきた。受注が頭打ちの自販機業 > 界にとって、“自動サービス機”は市場開拓の活路と言えそうだ」と解説した。 >  浅学にも、自動サービス機という言葉を知らなかった。日本自動販売機工業会 > のページ(http://www.jvma.or.jp/)には、自販機の普及台数と自販機で販売され > た商品の年間売上(年間自販金額)が掲載されている。 >  自動サービス機とはなんぞやと問い合わせたところ、パチンコの両替機やコイ > ンロッカーなど、モノを販売しない自動機が相当するとのことで、情報キオスク > 端末やATMなどは含まれていないようだ。 > > <自販機普及台数(98年12月末現在)、自販金額(98年1〜12月)> >          普及台数 前年比 自販金額   前年比 >  飲 料     261万台 100.4% 3兆 308億円 101.3% >  食 品      17    98.5   1211    98.5 >  たばこ      53   104.2  1兆6278   104.6 >  券 類      4   101.0  1兆6704   102.6 >  その他      92    99.6    3511   100.1 >  自動サービス機 123    99.9    958   100.5 >  合 計     550   100.4  6兆8969   102.3 > >  かわら版054号「コンビニ、駅、郵便局・・・、公衆マルチメディア端末関連の > 話題から」で取り上げたように、“コンテンツ自販機”は大いなる可能性を秘め > ている。マルチメディアの普及に間違いなく大きく貢献する。 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara054.txt >  しかし、いずれもコンテンツは金融かエンターテインメントである。“地域” > コンテンツが無いのである。生活インフラともなったコンビニはもちろん、行政 > 機関や公共施設、郵便局等々への配備は、身近な地域情報サーバーとして、地域 > コミュニティの核とも成り、新産業をも創出し得るのであるが・・・。 >  で、MICle事業企画「ステージ2」の出番となる。 ───────────────────────────────────── ●マイクロソフトとジャスト、企業向けナレッジマネジメント分野で提携  http://www.justsystem.co.jp/news/99l/news/j9909071.html  http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/0907just.htm  マイクロソフトとジャストシステムは、企業向けナレッジマネジメント(*)分野で 業務提携した。ジャストの概念検索システム「ConceptBase」を組み入れた、情報シ ステムの企画、構築、運営管理を一括して請け負う「ソリューション(問題解決の仕 組み・手法)」を両社で共同開発、マーケティングする。  ConceptBaseは、従来のキーワード検索と異なり、入力した文字の概念に近い意味 を持つ言葉も含め、蓄積された情報を自然文で的確に抽出できるという。  ワープロソフト「Word」と「一太郎」で激しく競合してきた両社が提携するのは 今回が初めて。 (*)ナレッジ・マネジメント(知識情報管理)  情報過多の中で、組織や個人に分散した知識・ノウハウを統合・共有し、必要な 情報だけをいち早く入手して経営に役立てる仕組み。詳細は、日本ナレッジ・マネ ジメント学会「Knowledge Managementに関する定義集」参照   http://www02.so-net.ne.jp/~kmsj/teigi.htm >  かわら版036号「検索サイトの意外な実態!情報量膨張で破綻が迫る?」で取り > 上げたように、最近の検索サイトは非常に使いにくい。 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara036.txt >  ナレッジ・マネジメントの考え方は、新たな検索サイトのコンセプトそのもの > のように思えるのだが・・・。 ───────────────────────────────────── ●米バイアコム、三大ネットの一角CBSを史上最高額の350億ドルで買収へ  http://www.viacom.com/press.tin?ixPressRelease=45001567  http://www.cbs.com/flat/story_182881.html  http://www.hotwired.co.jp/news/news/3030.html  米娯楽・メディア大手バイアコムによる、三大テレビネットワークの1つ、CBSの 買収が事実上決まった。買収金額はメディア業界最大の350億ドル(約4兆億円)に達 し、時価総額約800億ドル(約9兆円)の巨大メディア企業が誕生する。  新会社はバイアコムの名前を継承し、現バイアコムのレッドストーン会長兼最高 経営責任者(CEO)が新会社の会長兼CEOに就任、CBSのカルマジン社長兼CEOは、社長 兼最高執行責任者(COO)として業務を統括する。  合併が承認されれば、新生バイアコムはテレビ・ラジオのほか、CATV、映画、イ ンターネット、出版など幅広いサービスを提供、年間売上高は200億ドルを超え、タ イム・ワーナー、ウォルト・ディズニーの二強を追撃する体制が整う。 >  我国に例えればと思案するも、所詮無理である。彼我のダイナミズムの差を思 > い知らされるばかりである。 ───────────────────────────────────── ●電話機/FAXでEメールを送受信、日本テレコムとDDIが新サービス  http://www.japan-telecom.co.jp/ (情報未掲載)  http://www.ddi.co.jp/release/990908b/index.html  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc930.html  日本テレコム(JT)とDDIは、パソコンを使わずに電話機やFAXでインターネットメ ールを送受信するサービスを開始する。JTは10月中旬、DDIは12月から開始し、サー ビスの利用には、今後登場する対応端末が必要。  JTが提供するのは「でんわdeメール」。1メールアドレスにつき登録料500円、通 信料金は送受信とも1分10円(全国一律)。松下電送が10月に対応端末を発売する他、 スーパーLCR搭載電話機やFAXに順次拡大していく。  DDIは「α-Eメール」。初期登録料は無料だが、月額基本料金が1アドレスにつき 100円かかる。通信費用は30秒10円(全国一律)。対応端末は12月にNECが発売。 >  電話機ベースの電子メール/インターネット対応端末は、昨秋シャープが「液晶 > マルチメディアホン」を、NTTがマルチメディアホン「テレッセ」を発売した。 >   http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/nc10/text/index.html >   http://www.ntt-east.co.jp/ced/telesse/index.html >  ご存知のように、携帯/PHSによるメール利用が急激に伸びている。両社は、二 > 匹目のどじょうを狙い、サービスと対応端末をメール機能に絞ったようだが、市 > 場とニーズにまともに応えた商品とは到底思えない。 >  携帯/PHSの普及は、家庭の(共有)電話でなく、個人の電話というニーズも限り > なく大きい。Eメールも“私信”である。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●8月度衛星放送加入件数発表。スカパーはセリエA効果でホクホク  8月末の衛星(CS/BS)放送加入件数は、以下のとおり。スカパーは独占放映権を獲 得したイタリアプロサッカーリーグ「セリエA」効果もあり、単月加入件数としては 過去最高となった。3ヶ月連続で累計加入件数が減り続けていたWOWOWも、7月から実 施している加入料値下げキャンペーンが奏功、2ヶ月連続の純増となった。  ・スカイパーフェクTV:累計 136.6万件(前月比+7.3万件)  ・ディレクTV    :    30.6  (   +0.7  )  ・WOWOW       :   254.0  (   +0.8  )  ・NHK BS受信普及世帯:  1,327.0  (99年3月末推計値、年間増加数96万)      うち契約世帯:   946.0  (99年3月末推計値) >  スカパーのセリエAの3年分の独占放映権は20億とも60億とも言われている。6月 > まではWOWOWが放映権を持っており、ディレクはWOWOWから又買いしてセリエAの試 > 合を流していたが、両社とも苦しい資金事情から契約をキャンセル、その直後ス > カパーが放映権を買い取った。 >  巨額の放映権の見返りにスカパーは、毎節5,6試合を生中継するなど、セリエA > 主体の番組構成で、加入者獲得に躍起となっている。反面Jリーグの扱いはあまり > にお粗末である。Jリーグは、NHKが地上波とBSで生(録画)中継するものの、民放 > 各局の中継はめっきり減り、スカパーも全試合中継するものの、生中継は各節1試 > 合のみである。 >   Jリーグ http://www.skyperfectv.co.jp/news/990831_soccer.html >   セリエA http://www.skyperfectv.co.jp/serie/main.html > >  サッカーくじも一向に盛り上がらず、このままJリーグの不人気が続けば、2002 > 年ワールドカップ日韓共同開催すら危ぶまれる。低迷する我国サッカー界の活性 > 化のためにも、全試合生中継を是非とも実現させて欲しい。そしてそれは加入者 > 獲得の近道でもある。セリエAよりはるかに多くの熱狂的なJリーグファンは、間 > 違いなくCSに加入するだろう。 >  様々な課題があるだろうが、20億もかかるとは到底思えない。要はCS放送を我 > 国に本気で定着させる熱意と戦略があるかどうかだ。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- ───────────────────────────────────── ●第二の東芝?、ネット告発サイト相次ぐ  http://www.linkclub.or.jp/~dry/matukitik.html (松屋フーズ)  http://www.d3.dion.ne.jp/~jyuumin/ (ドン・キホーテ)  http://home9.highway.ne.jp/kuromako/index.htm (ネッツトヨタ東京)  http://www5a.biglobe.ne.jp/~yamada-c/ (いじめ問題)  東芝のビデオ問題に続き、個人が企業や製品に対する苦情や、社員とのやりとり をネット上で公開する「ネット告発」が相次いでいる。お勧め?ではないが、上記 が主なサイトである。  弱者が強者に対抗するためなのか、誹謗中傷なのかの判断は難しい。一方的に攻 撃するだけで反論を掲載しなかったり、匿名での告発には疑問を感じる。  双方がネット上で、それぞれの言い分を公開して議論することから、新たな企業 と消費者の関係が生まれる。これもまた情報リテラシーである。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================