==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 064号 1999年 9月28日発行        〜総配信数 1,580部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.ネット対応携帯音楽プレーヤー市場に、大手メーカーも続々参入!  ・ソニー、「メモリースティック ウォークマン」発表  ・三洋、ネット対応携帯プレーヤを2000年春発売  ・東芝、年末発売製品の記録メディアを現行、次期型の両対応で  ・松下、携帯音楽プレーヤーの再生方式を独自仕様に絞り込み 02.DDIとIDOが合併へ? 03.e-oneの製造・販売禁止の仮処分決定。ソーテックは色違いの後継機種発売 04.マイクロソフトとフォード、受注生産方式のネット自動車販売で提携 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.スカパーとDXアンテナ、受信機2台を接続できるCSアンテナを発売 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ネット対応携帯音楽プレーヤー市場に、大手メーカーも続々参入! ◆ソニー、「メモリースティック ウォークマン」発表  http://www.sony.co.jp/sd/CorporateCruise/Press/199909/99-0922B/  http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199909/99-072/  http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/NEWS/19990922003.html  ソニーは、ネット対応携帯音楽プレーヤー「メモリースティック ウォークマン」 を12月21日から発売する。価格は4万5000円。  インターネットからパソコン経由でダウンロードした音楽コンテンツや手持ちの 音楽CDを、ソニー独自の著作権保護技術「MagicGate」に対応した「マジックゲート メモリースティック(MGメモリースティック)」に移して再生する。MP3形式のデー タの読み込みも可能で、標準モードで約80分の音楽データを記録できる。  米国の5大レコード会社などが参加する音楽配信の国際的標準化団体「SDMI」の仕 様に国内で初めて対応した。来春にはメジャー・アーティスト作品も含め、多くの 対応コンテンツの有料配信が始まる見込み。  MGメモリースティックは、1枚22,000円と高価なため、1枚200円程度のMDとは当分 価格面ですみ分けることになりそうだ。 ◆三洋、ネット対応携帯プレーヤを2000年春発売  http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/9908news-j/0824-1.html  三洋電機は、デジタル音楽配信対応携帯プレーヤーを2000年春を目処に全世界で 発売する。米TI(テキサス・インスツルメンツ)社のDSP(*)や、LA(リキッドオーディ オ)社のセキュリティー技術を採用し、再生可能なデータ形式は、MP3など複数の形 式に対応する。楽曲データを書き込む記録メディアは未定。   店頭で携帯プレーヤーにコンテンツをダウンロードできるキオスク端末や、ミニ コンポ、車載用プレーヤーなど、オーディオ機器全般への商品展開も進める。  *DSP(Digital Signal Processor)   デジタル信号処理専用のMPU。画像や音声の処理性能が飛躍的に向上する ◆東芝、年末発売製品の記録メディアを現行、次期型の両対応で  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/biztech/elec/80890  http://www.toshiba.co.jp/about/press/1999_08/pr_j2501.htm  東芝は99年末に発売を予定している携帯型音楽プレーヤの記録メディアに、現行 の「スマートメディア(著作権保護機能無)」と、開発中の「SDメモリーカード(著作 権保護機能有)」の両方を採用する。また、様々なニーズに対応すべく複数の楽曲デ ータ形式にも対応、米LA社やその他技術の採用を検討する。  SDメモリーカードは、東芝、松下、米SanDiskの3社が共同で開発、来春発売が予 定されているが、普及には時間がかかる可能性もあり、両方が扱える仕様にする。 ◆松下、携帯音楽プレーヤーの再生方式を独自仕様に絞り込み  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/elec/82654  松下電器産業は、2000年春に発売を予定している携帯型音楽プレーヤについて、 再生する音楽データの形式を独自仕様に一本化する方針を固めた。三洋や東芝は、 急速に広がりつつあるMP3を含む複数の音楽データ形式に対応する予定。  松下の強きの背景は、大手レコード会社ユニバーサルやBMGとの提携。所属アーテ ィストの楽曲を松下仕様で提供することになっているという。 >  ネット対応携帯音楽プレーヤーとは、インターネットからダウンロードした音 > 楽データを記録メディアに書き込み、その記録メディアをカセットテープやCD、 > MDと同様、専用の携帯プレーヤーに装着して利用する機器のこと。 >  MP3データの違法・不正配信など、著作権問題が未解決のため、これまではベン > チャー企業やパソコン周辺機器メーカーが対応機器を発売、大手メーカーは慎重 > な態度を取ってきた。 >  上記記事のように、年末から来春にかけ、著作権保護に対応した機器が大手メ > ーカーから続々発売される。しかし各社の製品や記録メディアは、MP3対応の有無 > や、採用する著作権保護技術など、各々バラバラだ。 > >  音楽のネット配信については、SMEマーケット通信「@マーケ」の「音楽配信ビ > ジネスの動向と行方−デジタルネットワークは音楽流通を変えるか」が詳しい。 >  http://www.sme.co.jp/MoreInfo/atMarke/index01.html > >  ウォークマンが再び天下を取るのか、ライバル達が巻き返すのか。それとも我 > 国ではネット配信そのものが根づかないのか・・・。 ───────────────────────────────────── ●DDIとIDOが合併へ?  http://www.nikkei.co.jp/topic6/tokushu7/ (特集 進む通信大再編)  新電電最大手DDIとトヨタ自動車系携帯電話会社、日本移動通信(IDO)が来年4月に も合併する方向で最終調整に入った。  DDIの筆頭株主京セラとトヨタが主要株主となり、連結売上高1兆6000億円規模、 全国一貫の移動体事業と長距離通信に強みを持つ巨大通信会社が誕生する。通信自 由化の担い手だった京セラ・DDIグループとトヨタは、今回の合併でNTTに次ぐ巨大 通信グループを形成、日本の国内通信市場は同グループとNTT、日本テレコムの3グ ループにほぼ集約される。  今後はトヨタが大株主となっているKDDとの連携や、残された電力系新電電の動き が焦点になる。(日本経済新聞9月21日付記事より) >  かわら版007号「KDDとテレウェイ合併調印」、026号「テレウェイと合併した新 > 生KDD、多難の?スタート」で紹介した以上の紆余曲折は必至だ。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara007.txt >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara026.txt > >  各社の後追い記事から2つ紹介しよう。 >  「交渉はあんまりしていないと思う」。DDIの事実上のオーナー稲盛和夫名誉会 > 長(京セラ名誉会長)は、報道を淡々と否定した。もっとも、DDIグループとIDOが > 何らかの経営統合を検討しているのは事実。新体制のスタート時期は「2000年4月 > に照準が当てられている」との見方が強く、これから年末にかけて、トヨタも交 > えた最終的な交渉となるのは確実だ。 >  DDIセルラーとIDOとの組み合わせなどいくつかの選択肢の中で、「郵政省が望 > んでいるのはDDIとIDOの合併」との見方もあり、上記報道は「郵政省寄りの結論 > に誘導しようとする意図の表れ」との指摘もある。 > >  トヨタの後ろ盾を得ることは、DDIにとって両刃の剣となる恐れがある。DDIは > 稲盛氏というたぐいまれな起業家によって創業され、その自由闊達な社風はJRや > 電力などを主要株主とする他の新電電と一線を画する。 >  トヨタという巨大企業の資本が入れば、資本力とブランド力は高まるが、DDIの > 強み、ベンチャー的気風が薄れる危険性がある。創業以来の転機となるIDOとの合 > 併はNTTへの対抗軸形成には大きな前進となるが、同時に大きなかけでもある。 ───────────────────────────────────── ●e-oneの製造・販売禁止の仮処分決定。ソーテックは色違いの後継機種発売  http://www.apple.co.jp/news/1999/sep/20apple_sotec.html  http://www.sotec.co.jp/News/1999/0921.htm  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/gen/82605  ソーテック製パソコン「e-One」が、ヒット商品「iMac」に類似しているとして、 アップルが不正競争防止法に基づく製造、販売差し止めを求めた仮処分申請で、東 京地裁は20日、アップルが1億円の担保を立てることを条件に、e-Oneの製造・販売 を禁止する決定を出した。  ソーテックは、処分内容は不当であり今後の裁判で争うとしているが、市場の混 乱を避けるため、21日付でe-oneの展示・発売を中止した。  また、同社はe-oneの後継機種を10月初旬に発売する。色を“青と白の半透明”か ら“銀色”に変更するものの、デザインや価格、名称は変えない見込み。約3万台の 予約については、後継機種の購入を勧めていく。 >  日経BizTechに「iMac類似パソコン、出荷停止の意味」と題した解説記事が掲載 > されている。 > http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/prom/82787 > >  マイクルは、e-oneを「あまりに安易な企画と、志の低さに開いた口が塞がらな > い」と評し、さらに「あの性能と価格なら、デザインを真似るなどの小細工を弄 > しなくても相応に売れるであろうに」と評した。 >  ソーテックの大辺社長は「販売店はe-Oneが支持された理由を、色や素材よりウ > ィンドウズ機で価格性能比が高いからだと言っている」と語ったようだが、いま > さら何おか言わん! ───────────────────────────────────── ●マイクロソフトとフォード、受注生産方式のネット自動車販売で提携  http://www.microsoft.com/presspass/press/1999/Sept99/AutoMarketPR.htm  http://www.microsoft.com/presspass/press/1999/Sept99/MSHondaPr.htm  http://bizit2.nikkeibp.co.jp/wcs/usn2/article/19990921/01.shtml  マイクロソフトとフォードは、インターネットを利用した自動車販売で合弁会社 を設立する。マイクロソフトのネット自動車販売サイト「カーポイント」部門を別 会社化し、フォードが出資する。他メーカーの参加も幅広く募る予定で、日系メー カーでは米国ホンダが参加する見込み。  これまでのカーポイントシステムに、消費者の仕様に合わせて自動車を組み立て るBTO(Build-to-Order)サービスを統合、在庫情報・予定納車期間・納車計画などの 情報をリアルタイムに提供するとともに、カスタム・カーの受注も行う。  パソコン業界で一般化している受注生産方式を取り入れた業界初のオンラインBTO システムは、自動車の製造や流通の現状を大きく変える可能性がある。 >  新車の製造・販売は、見込み発注・生産=在庫販売が基本であり、見込み違い > によるタマ(製品)不足や過剰生産問題が慢性的に発生している。見込み違いはメ > ーカーによるディーラーへの押し付け販売=過剰在庫となり、過度の値引きの温 > 床ともなる。ディーラーもまた、ユーザーの望む仕様のクルマというより、アリ > ダマ(在庫車)販売というユーザーへの押し付け販売を繰り返して来た。 > >  先週号で紹介したように、これまでのネット自動車販売は「情報媒介型ディー > ラー」にせよ「ネット直販型ディーラー」にせよ、いずれも既存流通システムに > 則ったもの。 >  両社の新システムが、自動車の製造・流通を大きく変える可能性があるのは、 >  ・ユーザーは、販売店に出かける手間が省ける。 >  ・メーカーは、注文に応じた生産とリードタイムの短縮で利益率を改善でき、 >   また、顧客情報が直接メーカーに入るので、市場動向も把握しやすくなる。 >  ・販売店は、セールスマンによる低い販売効率を改善できる。 > からに他ならない。 >  激しいコスト削減競争を勝ち抜くには、余計な費用がかかる販売店を通さずに > 直販したい、というのがメーカーの本音でもある。ゼネラル・モーターズもマイ > クロソフトの宿敵、サン・マイクロシステムズと組んでインターネット戦略を強 > 化しようとしている。 >  カスタムメード販売が普及すれば営業部隊としてのディーラーの役割は縮小、 > 収益確保のためディーラーは保守サービスなどの業務の強化を迫られる。 > >  我国で最も遅れている流通業界が新車販売。保守的メーカーとディーラー、そ > してユーザーも・・・。分厚い壁に風穴を開け得るのは誰であろう? ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●スカパーとDXアンテナ、受信機2台を接続できるCSアンテナを発売  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comm/81830  DXアンテナは、1台で2台のCS受信機が接続できる2出力型アンテナを発売した。価 格はオープンだが、現行アンテナと比べて1500円程度のアップとなる見込みで、3万 円以上かかっていた専用分配機や切替機による従来方式に比べ大幅にダウンする。  これに併せスカイパーフェクTVは、同アンテナを設置した視聴者を対象に、2台目 の受信機に対する加入金(2800円)を無料にするサービスを開始する。将来的には、1 視聴契約で2台以上の受信機(ICカード)を利用可能にする「ペアリング・サービス」 の導入も検討する。 >  電話やテレビが、一家に一台から、一部屋に一台の時代となって久しい。携帯 > 電話やパソコンは始めから一人一台である。 >  CSの多チャンネルの特長を生かすには、部屋毎のテレビに対応する受信機の開 > 発・普及が必要なことは言うまでもない。 >  米国では、「マルチルーム対応アンテナ」や「ペアリング・サービス」が好評 > で、CATVとの競合上からも不可欠という。 >  これまで投入が遅れたのは、競争の無い?我国故か。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================