==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 074号 1999年12月14日発行        〜総配信数 1,620部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.移動電話の話題から〜事業者・システム  ・11月末加入台数5,300万台超に。年度末に固定電話を逆転  ・DDI・KDD・IDO、来秋の合併に向け最終調整へ?  ・DDIポケット、PHS事業テコ入れ。高速データ通信で次世代携帯に勝つ  ・IDOのcdmaOneサービスに大規模トラブル発生   (来週は〜端末・サービスを取り上げる予定です) ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.デジタル放送もNTT頼り?  ・BSデータ放送事業者、NTTグループ出資企業など8社認可へ  ・ECをBSデジタル放送で。NTTソフトなど3社、新会社の事業計画を公表 02.スカパー、加入者150万件突破 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●移動電話の話題から〜事業者・システム ◆11月末加入台数5,300万台超に。年度末に固定電話を逆転  http://www.tca.or.jp/japan/prompt/r9911.html  11月末の移動電話(携帯電話/PHS)の総普及台数は、5,316万台(携帯:4,758万、PHS :558万)で、人口普及率は41.9%に達した。今年度末(2000年3月)には、5,700万台に 達する見込みで、固定電話を逆転する。  固定電話の加入数は、移動電話だけで済ませる若者層の増加や、不況による法人 の解約増などで、96年度末の6,146万台をピークに毎年100万台規模で減少、今年度 末は5,600万台と見られ、移動電話が「通信の主役」になろうとしている。  携帯電話は前月より64万台増加、iモードの契約数が250万を超えたドコモが40万 台(月間シェア62%)増やし一人勝ちの様相。PHSは2万台減で、7ヶ月連続の減少とな ったが、アステルグループが純増に転じるなど減少幅は縮まった。 >  無線を利用する携帯電話/PHSと区別するため、有線電話を“固定電話”と呼び、 > 携帯/PHSを“移動電話”と総称するのが、一般的になってきたようだ。 > “移動電話”は今年で満20歳を迎えた。誕生当時無線機やアンテナの大きさから > クルマのトランクに搭載され、長らく“自動車電話”と呼ばれてきた。価格も高 > く(保証金30万円)、高級車に取り付けられたアンテナは、ステータスシンボルで > もあった。当時私はクラウンやセルシオの企画を担当しており、必然的に自動車 > 電話も担当していた。 >  “携帯電話”も当初、その大きさや重さからショルダーホン(肩に担ぐ電話)と > 呼ばれた。私がIDOに出向した平成元年当時も、自動車電話の認知度こそ高かった > ものの、携帯電話の認知度は低く、“移動体通信”という用語は定着していたも > のの“移動電話”という使い方はほとんどされていなかった。 >  今でこそIDOは“イドー”と呼ばれるが、当時は“アイ・ディー・オー”が社内 > でも一般的で、小型・軽量化と共に携帯電話が主流になるにつれ、自動車・携帯 > 電話という呼び方では、商品イメージの訴求にも甚だ不都合であった。“移動電 > 話は(の)イドー”で、広告・宣伝活動を展開し始めたのは、斯く言う私である。 >  PHSが発売当時“簡易型携帯電話”と呼ばれ、その意味する商品イメージの誤解 > から、苦難の道が始まったのはご存知のとおりである。郵政省も長らく自動車電 > 話・携帯電話を使い続け、最近ようやく“移動電話”を使うようになってきた。 >  斯様に商品やサービスを知らぬもの達が、我国の通信業界の将来を担い、業界 > を指導しようなど笑止千万である。 ◆DDI・KDD・IDO、来秋の合併に向け最終調整へ?  http://www.nikkei.co.jp/topic6/tokushu7/cont.html#dahi423010  http://www.nikkei.co.jp/topic6/tokushu7/cont.html#eimi002111  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/nccnews/ncc1178.html  京セラ系DDI、トヨタ系IDO、トヨタを主要株主とするKDDの3社は、来年秋に合併 する方向で最終調整に入った。合併が成立すれば、売上高が2兆円を超える国内第2 位の総合通信会社が誕生、NTTに対抗する一大勢力となる。  DDIとIDOは携帯電話サービスで既に提携、2001年に商用化が始まる次世代携帯電 話事業への共同参入をにらみ来春の合併を計画、これにKDDが加わる形での二段階合 併を目指したが調整は難航していた。AT&T・BTの日本テレコムへの資本参加など市 場競争が一層激化する中、事業免許申請が来年3月に迫り、一気に3社による大同団 結で生き残りをはかる。  新会社の筆頭株主は京セラ、第2位株主はトヨタとなり、存続会社はDDIになる見 通し。合併比率や経営トップの人事などについては今後詰める。 >  DDIとIDO、そしてKDDを加えた合併問題は、繰り返し報道されては各社が否定を > 繰り返してきた。かわら版064号「DDIとIDOが合併へ?」参照 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara.txt >  10日朝も、NHKの全国ニュースで大々的に報じられた。3社はそれぞれ「次世代 > 携帯電話に関して話し合ったことはあるが、合併に向けて大詰めの協議段階にあ > るなどということはない」と否定コメントを発表した。 >  火の無い所に煙りは立たない。マスコミ各社は、次世代携帯電話事業の参入枠 > (地域ごとに最大3事業者)を巡る3社合併の背景と見通しを、相次いで報じた。 >  事業主体として有力視されているのは、NTTドコモグループ、日本テレコム系の > J-フォングループ、そしてDDIセルラー/IDOグループ。国際通信主体のKDDは相次 > ぐ値下げ競争で収益が激減、高成長が見込める移動電話無しでは生き残れないと > の危機感から、大株主トヨタを媒介にDDI、IDOとの合併を検討するに到った。 >  京セラをバックにベンチャー気質の強いDDI、堅実な経営手法のトヨタを親会社 > とするIDO、官僚的気質が色濃く残るKDD。一昨年のKDDとテレウェイの合併も主導 > 権争いなど幾度の紆余曲折を経てようやく実現した。 >  合併報道は、当事者の一方や利害関係者が何らかの意図のもとにリークするケ > ースがままある。今回も、そういう意図が匂うのだが…。 ◆DDIポケット、PHS事業テコ入れ。高速データ通信で次世代携帯に勝つ  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc1148.html  http://www.ddipocket.co.jp/ (DDIポケット)  DDI東京ポケット電話は、2000年のPHS事業戦略を発表した。今後とも事業を積極 的に拡大、PHSを携帯電話の補完サービスとするNTTドコモとは異なり、高速データ 通信で先行し、PHSを携帯電話に対抗できるサービスとして位置付けた。  高速道路沿いなどに基地局を増設してサービスエリアを広げるほか、来年1月から ネット接続と位置情報サービスを開始、年後半には128kビット/秒の高速データ通信 サービスを開始する。来年1月1日には現9社を1社に統合して財務基盤を強化、150億 円の赤字(今年度見通し)から、来年度には100億円の黒字転換を見込む。 >  ドコモに吸収されたNTTパーソナルや、電力系地域通信事業者の救済を仰ぐアス > テル各社とは異なり、DDIポケットはあくまで自力での生き残りを目指すようだ。 >  PHSが開始された時、傘下やグループにPHSを持たないIDOは、「PHSは携帯電話 > の敵」として、反PHSキャンペーンを強力に展開した。 >  前記3社の合併報道は、PHSについてほとんど触れていないが、PHSの扱いが合併 > の大きな課題の一つであることは間違いあるまい。 ◆IDOのcdmaOneサービスに大規模トラブル発生  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/nccnews/ncc1181.html  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc1182.html  IDOのcdmaOne方式の携帯電話が、10日午前5時ごろから通話がほとんどできない状 況に陥ってたが、発生から約21時間後の11日午前2時頃に復旧した。障害エリアは、 東京23区西部、神奈川県の一部と栃木県全域。  トラブルの原因はcdmaOne用交換機の障害。5台の交換機のうち1台に障害が発生、 バックアップ・システムも働かなかったという。原因は調査中。  cdmaOneサービスでは、3日前の7日にも文字情報サービス「EZアクセス」が約9時 間利用できなくなった。相次ぐトラブルに、cdmaOneのイメージダウンは免れない。 >  私の4年間のIDO在籍時にも、これほどのトラブルは経験しなかったと思う。ま > た、先週公正取引委員会がIDOに対し、cdmaOne対応携帯電話の販売に際し、販売 > 価格を指示した上で、従わない場合は出荷停止などのペナルティを課したとして > 独占禁止法違反で排除勧告した。 >   http://www.jftc.admix.go.jp/pressrelease/99.december/991209.PDF >  合併報道のさ中、何とも御難続きである。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●デジタル放送もNTT頼り? ◆BSデータ放送事業者、NTTグループ出資企業など8社認可へ  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/991210j701.html  郵政省は、来年末から始まるBSデジタル・データ放送の参入企業に、NTTグループ の出資会社など下記8社の認可を決め、電波監理審議会に諮問した。  28社が名乗りをあげた中で、財政基盤やソフトの多様性、既存放送局との資本関 係などを比較審査した結果、参入企業の株主にはNTTグループ以外にも、家電量販 店や電機メーカー、出版社など異業種の顔触れが出そろった。有力視されていたソ ニーは認可されなかった。                             スロット数(計12)  ・(株)日本ビーエス放送企画 (ビックカメラ、松下、ドコモ等)   2.0  ・(株)メディアサーブ (東芝、三井物産等)            1.5  ・(株)日本データ放送 (設立中 毎日新聞、角川書店等)       2.0  ・(株)ウェザーニューズ (石橋博良等)              1.5  ・日本メディアーク(株) (設立中 時事通信、ドリームネット等)   1.5  ・(株)デジタル・キャスト・インターナショナル               (設立中 日立、キャノン、富士通等)  1.5  ・日本データ放送(株) (設立中 東京ドーム、清水建設、徳間書店等) 1.5  ・社団法人ハイビジョン推進協会                 0.5 ◆ECをBSデジタル放送で。NTTソフトなど3社、新会社の事業計画を公表  http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/NEWS/19991126001.html  http://www.ntts.co.jp/co/tp/ (テレコマース企画)  NTTソフトウェア、凸版印刷、ケンウッドが共同出資で設立した「テレコマース企 画」の、BSデジタル放送を利用したEC(電子商取引)事業の概要が明らかになった。  本放送で商品紹介番組を、データ放送で商品データなどを配信し、視聴者がテレ ビの画面上で商品の注文や決済ができるようにする。注文や決済データの伝送には 公衆回線などを利用する。同社は小売業者などからの委託を受け、番組の企画・制 作から注文の受付、商品の配送、決済処理などを行う。1回の取引で100円程度の手 数料を業者から徴収する。  ユーザー認証用と代金決済用の2つのICカード・スロットを備えた受信用セットト ップ・ボックス(小売価格4〜5万円を予定)の開発・販売も行う。 >  かわら版069号「BSデジタルデータ放送に参入希望殺到」で、「新規事業者優先 > との新機軸を打ち出した郵政だが“放送利権”亡者が蠢く中、目論見どおりに行 > くかどうか」と指摘したが、一応当初方針は達せられたようだ。 >  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/991029j701.html >  ソニーの未認可は、放送事業におけるソニーの比重が高くなりすぎるのを懸念 > し、CS(スカパー)に専念させ、他社とのバランスを保つとの思惑からであろう。 > >  かわら版071号「TBS、松下、NTTなど、BSデータ放送向けコンテンツ制作/サー > ビス会社設立」で取り上げたように、NTTグループの放送事業参入戦略が加速して > いる。http://www.micle.co.jp/kawara/kawara071.txt >  BSデータ放送会社へも、ドコモが「日本ビーエス放送企画」と「デジタル・キ > ャスト・インターナショナル」、ドリームネットが「日本メディアーク」、東西 > 日本、コミニュケーションズ等が「テレコマース企画」に参画した。 >  米AT&TのCATV事業始め、欧州でも英BTや仏テレコムが放送事業への参入を加速、 > 通信・放送の融合が急速に進んでいる。 >  我国もインフラやシステム構築、そしてサービスやコンテンツに到るまで、放 > 送デジタル化は、やはりNTT頼りのようだ。 ───────────────────────────────────── ●スカパー、加入者150万件突破  http://www.skyperfectv.co.jp/info/release/19991207_150.html  スカイパーフェクTVの視聴契約者数が5日、150万人を突破した。97年1月に日本初 のCSデジタル放送(パーフェクTV)を開始、その後JスカイBとの合併を経て、98年12 月に契約数が100万を突破、以来約11ヶ月で50万加入を獲得した。  世帯普及率上位は、宮崎、福井、富山、島根、高知各県。登録者構成比上位は、 東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉各都府県。年齢別では20代後半〜30代前半が最も 高く、次いで30代後半〜40代前半となっている。 >  11月末のCS放送の累計加入数は、ディレクが前月比2万2千件増の34万9千件、ス > カパーが同5万2千件増の149万1千件。ディレクは期間限定の現金還元キャンペー > ンなどに加え、一部家電量販店が1万円台と低価格の受信機を販売したことも奏功 > し、加入台数を伸ばした。 >  WOWOWは、新規加入者は2万3千件あったものの解約数も2万2千件あり、累計252 > 万7千件と、依然加入者数を維持するのに精一杯という状況が続いている。 >  前記のように、BSデジタル開始まで1年足らず。先回「日本リサーチセンター、 > BSデジタル放送に関する世論調査結果発表」で取り上げたように、低認知度や低 > 期待度という調査結果は、BSのみならずCSの現状の反映でもある。 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara073.txt >  次号で「地上波テレビは、これからも安泰だ!」を取り上げる。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================