==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 075号 1999年12月21日発行        〜総配信数 1,620部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <お知らせ>  電網かわら版をご講読いただきありがとうございます。  当号をもって本年の最終配信とし、新年は11日(火)より再開いたします。  皆さん、良いお年をお迎え下さい。 <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.移動電話の話題から〜端末・サービス  ・マイクロソフト、次世代端末でエリクソンと提携。携帯向けブラウザーも発表  ・セルラー・IDO、cdmaOneの64kパケット通信サービスを来年1月7日開始  ・ドコモ、ネット対応端末強化。エクシーレ、ポケットモペラ等発売  ・シャープ、cdmaOne対応の「コミュニケーションパル」発売  ・J-フォン、ネット対応新サービス「J-スカイサービス」開始  ・バーゲン情報、全国タウン情報…。新情報サービス続々登場 02.地上波テレビのデジタル化は遥か彼方  ・デジタルTVの市場拡大は期待薄。2006年でも1,760万台に留まる  ・「価値観の多様化」はウソ。地上波テレビはこれからも安泰だ! ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.スカパー、ダウンロードによる受信機のアップグレードサービス開始 02.ディレクTV、“大物”招聘で巻き返しへ ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- 01.21世紀はどんな社会?。電通、博報堂の予測リポート ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●移動電話の話題から〜端末・サービス ◆マイクロソフト、次世代端末でエリクソンと提携。携帯向けブラウザーも発表  http://www.microsoft.com/presspass/press/1999/Dec99/EricssonPR.asp  http://www.microsoft.com/presspass/press/1999/Dec99/MobileExplorerPR.asp  http://www.ericsson.com/pressroom/19991208-0000.html  マイクロソフトとスウェーデンの通信機器大手エリクソンは、次世代携帯端末で 提携した。両社で合弁会社を設立、パソコンと携帯電話を融合した新たなモバイル ネットワークソリューションを開発する。  マイクロソフトは同時に、HTMLとWAPの両方に対応する携帯電話向けブラウザーソ フト「MobileExplorer(MME)」を発表した。提携に基づきエリクソンが採用する他、 英BTも試用中で、ドコモも強い関心を寄せているという。  一方エリクソンも、同社とフィンランドのノキア、米モトローラ、松下通工、英 サイオンとの合弁会社シンビアンが開発中の携帯端末用基本ソフト「EPOC」につい て、引き続き支持すると発表した。 >  基本ソフト「ウィンドウズCE」のマイクロソフト、同「EPOC」のシンビアン、 > そしてネットワーク言語「JAVA」を推進するサン・マイクロシステムズの3社が > 次世代携帯端末のデファクトスタンダードを目指し、激しく争っている。 >  かわら版039号「NTTドコモ、モバイル通信分野で矢継ぎ早に提携発表」で、3 > 社と全方位・等距離外交を展開するドコモの戦略を取り上げた。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara039.txt >  エリクソンの狙いもドコモと同様リスクヘッジ。どこが業界標準となるかは全 > く不明。乗り遅れれば致命的な打撃をこうむる。 >  混沌とする勢力図の中で「競争&協調」戦略が加速する。 ◆セルラー・IDO、cdmaOneの64kパケット通信サービスを来年1月7日開始  http://www.ddi.co.jp/release/991125c/  http://www.ido.co.jp/release/news/19991125_3.html  DDIセルラーグループとIDOは、最大伝送速度64kビット/秒のパケット通信サービ ス「PacketOne」を来年1月7日より開始する。あわせて対応端末5機種と、データ通 信カードを発売する。  割引メニューなどサービス内容については、セルラーとIDOで若干異なるが、月額 使用料600円の「PacketOne64」を利用すれば、1パケット0.1円で、上り14.4kbps、 下り64kbpsの高速アクセスサービスが利用できる。 ◆ドコモ、ネット対応端末強化。エクシーレ、ポケットモペラ等発売 ・メッセージウェア「エクシーレ」:最大データ転送速度28.8kbpsのパケット通信  機能を内蔵、携帯電話機無しで電子メールの送受信やWWWの閲覧が可能。   http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/99/whatnew1126.html ・iモード対応新型携帯電話「デジタル・ムーバ F502i HYPER」:カラー液晶画面を  搭載、カラーアニメや1000曲以上の着信メロディがダウンロードできる。   http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/99/whatnew1130.html ・モバイルツール「ポケットモペラ」:ネット接続サービス「mopera」対応PDA。携  帯電話と接続して使用する。28.8kbpsパケット通信にも対応   http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/99/whatnew1209.html ◆シャープ、cdmaOne対応の「コミュニケーションパル」発売  http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/991214.html  シャープは、電子メール端末「コミュニケーションパル」にcdmaOne方式携帯電話 と接続できるMT-300Cを追加、12月25日より販売する。  cdmaOneの14.4kbps通信に対応、メール、ブラウザ、アドレス帳、スケジュールな どの機能は従来機種と同じ。別売のPHS接続ケーブルで、PHS端末でも利用できる。 >  先週「NTTグループへの対抗勢力の結集」を目的に、DDI・IDO・KDDの合併が正 > 式に発表された。来年10月、DDI(ロゴマークはKDDI)を存続会社とする国内第2位 > の総合通信会社が誕生する。 >  http://ne.nikkeibp.co.jp/mobile/topics/991216kddi.html >  新会社の中核事業は「Mobile(携帯電話)&IP(インターネット)」。その成否は、 > 2001年春にも予定されているドコモの次世代携帯電話「W-CDMA」の開始までに、 > 現行cdmaOneの優位性(データ通信速度64kビット/秒、ドコモは28.8k)で、可能な > 限りシェアを縮めることができるかどうかにかかっている。 >  もともとセルラー・IDOがcdmaOneを採用したのは、ドコモが開発したシステム > を使っていては、新端末の開発等絶対にドコモに勝てないからに他ならない。 >  合併準備と併行し、300万加入目前で大きく先行する「iモード」追撃という難 > 題をやり遂げねばならない。幸いcdmaOne立ち上げ時に不十分だった対応端末は、 > 今回は一応揃っているようだ。尤も、cdmaOne対応コミュニケーションパルが半年 > 以上遅れたように、メーカーのドコモ優先姿勢は相変わらずのようだが…。 ◆J-フォン、ネット対応新サービス「J-スカイサービス」開始  http://www.j-phone-tokyo.com/p_and_s/sds/jskywalker/  http://www.j-phone-tokyo.com/p_and_s/sds/jskyweb/  J-フォンは、東京・東海・関西の3エリアで、従来サービスにネット接続機能を 加えた「J-スカイサービス」を開始した。  最大で全角3000文字の長文メールが送受信できる「J-スカイウォーカー」と、ニ ュースや天気予報、辞書、電車の乗換え案内、占いなどのコンテンツが閲覧できる 「J-スカイウェブ」の2つを提供する。 ◆バーゲン情報、全国タウン情報…。新情報サービス続々登場  http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/NEWS/19991217002.html  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comm/88974  ネットベンチャー「ココデス」は、携帯電話やPHS向けに、百貨店やスーパー、ホ ームセンター、ドラッグストアなど約千店のバーゲン情報を配信するビジネスを来 年2月開始する。 http://www.cocodes.co.jp/cocodes/ (ココデス)  広告代理店新東通信は、東海地区のタウン情報「しゃっちータウン」を拡充し、 全国の主要地域を網羅したiモード用タウン情報サービス「モバイルiランド」を来 年1月開始する。 http://ngy.seasoning.co.jp/index.html (しゃっちータウン) >  携帯電話がネット端末の本命に躍り出そうな勢いだ。 >  狭い表示画面、遅い接続速度(現行では9600bpsが一般的)、高い料金、そして多 > くのネットビジネス同様収益モデルが未確立など、普及には懐疑的な見方をして > いたが、当面その勢いは止まりそうも無い。 >  かわら版071号「ドコモ、馬券が購入できる携帯電話/PHS端末を来年2月発売」 > で取り上げたように、鍵を握るのはやはりキラーサービス・コンテンツ!。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara071.txt ───────────────────────────────────── ●地上波テレビのデジタル化は遥か彼方 ◆デジタルTVの市場拡大は期待薄。2006年でも1,760万台に留まる  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/elec/89142  http://www.idcjapan.co.jp/ (IDCジャパン)  ハイテク関連調査会社IDCジャパンは、次世代デジタル家電の中核として期待され ているデジタルTVの世界市場規模が、2006年でも約1,760万台に留まり、当面市場拡 大は期待薄という調査結果を発表した。  普及が進まない要因として、1)キラーコンテンツの不足、2)従来TVとの価格差、 特に大画面・高画質を生かすディスプレイの低価格化がすすんでいない、3)広告収 入の伸び悩みによる地上波放送局のデジタル化投資意欲の低下、の3点を挙げた。  ハード面の技術革新もさることながら、ソフト・ハードメーカー同士のアライア ンス(同盟関係)形成により、市場を牽引し得るキラーコンテンツの発掘や、広告収 入が得られるビジネスモデルの確立が急務としている。 ◆「価値観の多様化」はウソ。地上波テレビはこれからも安泰だ!  http://www.hotwired.co.jp/culture/interview/991116/textonly.html  放送作家、コラムニストとして活躍中の町山広美氏へのインタビューより  「たくさんの人が見ているからこそテレビであり、それは地上波。限られた趣味 志向の人が見る専門化した多くのチャンネルは、テレビとは別モノ」  「若い世代も、たくさんの人が支持するものにひかれ一極集中する。同じものを 買うのは、見られている、カウントされているという喜び、安心感から」  「“価値観の多様化”はウソ、“多ジャンル化”が進んだだけ。そのジャンルの 中では人気は一個に集中する。ジャンルが多いから個性的に見えるだけ」  「山ほど情報はあるから、センスの良い選択がすぐ分かってしまう。誰もが、ど こでも、同じものをセレクトする息苦しい状況は、まさに“センスの奴隷”」 >  かわら版でも幾度も取り上げてきたように、情報通信分野のデジタル化が急速 > に進む中、放送分野については、通信インフラとの融合を指向する衛星やCATVの > デジタル化は進みつつあるものの、メインの地上波テレビについては、我国はも > ちろん世界的に見てもその実現は遥か彼方のようだ。 >  049号「デジタルテレビを扱いかねている日本」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara049.txt >  058号「アメリカのデジタルテレビは瀕死状態」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara058.txt >  063号「地上波デジタル計画、目標時期の見直しも」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara063.txt > >  ガングロ、厚底、ケータイ、ルーズソックス、援交…。町山氏は、常日頃苦々 > しくかつ疑問に思っていたコギャルやジョシコーセーの生態を、女性ならではの > 鋭い視点で解説。なるほどなぁと納得させられた。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●スカパー、ダウンロードによる受信機のアップグレードサービス開始  http://www.skyperfectv.co.jp/info/news/happyup.html  スカイパーフェクTVは、衛星を使ってソフトをダウンロード・書き換えし、使用 中のチューナーを常に最新の機能・操作性にアップグレードする「ハッピーアップ サービス」を開始した。  第一段として、東芝製の「CSR-A2」「CSR-A3」の2機種のサービスを提供する。 >  インターネットを通じた各種ソフトや、プリンターなど周辺機器のドライバー > ソフトのアップグレードは、技術がドッグイヤーで変化し、四半期毎に新商品が > 投入されるパソコンの世界では当たり前。 >  ほぼ半年毎に新モデルに切り替わる衛星受信チューナーが、これまで未対応だ > ったのは、事業者やメーカーの怠慢と言わざるを得まい。 ───────────────────────────────────── ●ディレクTV、“大物”招聘で巻き返しへ  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/88843  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comm/88870  ディレクTVは、経営体制強化のため、外部から幹部を相次いでスカウトした。テ レビ朝日系のBSデジタル放送会社ビーエス朝日の調査役で、CS放送サービスの“生 みの親”として知られる小林樹氏(63)と、ワーナー・ブラザースの国際部門日本代 表で、WOWOW事業開発部長も歴任した持丸輝次氏(58)。小林氏は会長顧問に、持丸氏 は番組本部長に就任する予定。 >  郵政省は、来年8月打ち上げ予定の次期通信衛星(N-SAT-110、通称110度CS)につ > いて、放送用への開放を正式に表明した。BS(放送衛星)と同位置の東経110度のた > め、BS/CS共通受信機が開発でき、視聴者は1台でBS/CSの双方を見られる。 >  かわら版055、056号で取り上げたように、ディレクは現在の144度CSから110度 > CSへの完全移行で起死回生を狙う。 >  055号「三者三様の夏商戦。ディレクは新衛星にらみ動かず」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara055.txt >  056号「ディレクTV、BSと同軌道に移行」 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara056.txt >  今回のスカウト人事は、まさにこれに備えてのこと。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- ───────────────────────────────────── ●21世紀はどんな社会?。電通、博報堂の予測レポート  ・電通「日本の潮流 2000」   http://www.dentsu.co.jp/DOG/news/index_9938-1206.html  ・博報堂2000年版生活予報「生活の百年ロマン」   http://www.hakuhodo.co.jp/hill/press/roman.html  電通、博報堂による恒例の社会観測レポート。ホームページには要約のみが掲載 されているが、ユニークな造語や新語など、さすが?と感心させられる。  電通は「Be Positive−ジャパン・ドリームへの挑戦〜知の競争力で躍動する社会 〜」を掲げ、発想力や情報技術などの知恵が地球規模の競争を勝ち抜く鍵だとし、 「創知社会」実現のためのトリガー(引き金)を提言している。  博報堂の「生活の百年ロマン」は、「世界共振の風」「創関戦略」「生活エンジ ン再燃」「夜世紀」「母引力」「3万日の大冒険」と題した6つのシミュレーショ ンをレポートしている。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================