********************************************************************** ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■ 第 076号 2000年 1月10日発行 〜総配信数 1,620部(含抄録版) Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中から 厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan ********************************************************************** 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。m(__)m 気分を新たにデザイン・構成を変更しました。如何でしょうか。 今後も内容や、講読・配信方法等を随時変えてみたいと思っています。 ご意見・ご要望等お聞かせ下さい。 wata@micle.co.jp ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 01.今年のマルチメディア業界は? ・ネットビジネス今年の焦点 ・2000年の情報通信 ・消費は「単・純・迷・快」、企業は「複・雑・怪・寄」 02.セブンイレブン、NEC・野村総研等と共同で、EC関連新事業会社を設立 03.スカパーも、CS/BS融合戦略強化へ ・NTT東日本と共同で、110度CS事業の企画会社設立 ・CS/BS融合パッケージ投入へ ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●今年のマルチメディア業界は? ─────────────────────────────────── ◇ネットビジネス今年の焦点 (日経産業新聞1月1日付記事より) 「デジタルネット・ミレニアム(千年紀)」が幕を開けた。昨年我国でも火が 付いたネット関連ビジネスは今年さらに勢いを増し、産業界、消費市場を劇的 に変える。今年の焦点は? <ネットワーク業界> データセンター事業(複数の事業者から委託を受け、1拠点で3千〜5千台のサ ーバーを運用)が本格的に立ち上がり、外資系を交え顧客争奪戦が激化 <消費者向けネットサービス> オンラインショッピング、ポータルを巡る競争激化。携帯電話・PDAなどパソ コン以外へも舞台が拡大 <セキュリティ関連> 電子認証制度が今年度中にも法制化、巨大なビジネスチャンスに <放送> 最大の焦点は12月のBSデジタルの本放送開始。CS、CATV業界も外資・異業種 を巻き込み合従連衡が本格化 <ゲーム> 注目のソニー「プレステ2」が3月発売。任天堂、マイクロソフトも新型機を 投入見込み。セガ「ドリキャス」を加えこれまでにない多国籍競争に突入。 世帯普及率の高いゲーム機が、家庭用端末としても有力に <音楽> ネット音楽配信がもうかる商売になるかどうかが試される。受信端末として 携帯電話も脚光をあびる ─────────────────────────────────── ◇2000年の情報通信 (情報通信総合研究所レポートより) http://www.icr.co.jp/newsletter/eye/2000/e2000001.html 今のIT産業には日本経済全体を引っ張るほどの力はない。個人消費、設備投 資がこれだけ冷え込んでいる中で爆発的に売れるようなヒット商品、生産財は しばらく生まれないが、将来の成長につながりそうな芽はあちこちで出てきて いる。その筆頭がインターネットの普及の加速だが…。 <ベンチャー企業は救世主になれるか> 日本のインターネットが伸びなかったのは、決して通信料金が高いためだけ ではない。従量制電話料金の陰に隠れて投資を節約してきたプロバイダー、魅 力あるサービスを開発できなかったネット事業者、デジタル経済への準備を怠 ってきた行政当局や大企業など、関係者の責任は重い。  だから、料金が下がってもネットビジネスがすぐに花開くとは思えない。 <デジタル放送への期待> 期待は失望に変わる可能性が大。アナログからデジタルに変わってもそれだ けでは大したメリットはない。画質が良くなるだけでテレビを見る時間が増え るわけでなはく、チャンネルは増えるが見たい番組がない、これが真実。  通信回線、放送回線の区別は意味がない。多くの情報が通信回線でも提供さ れるようになる。インターネット、携帯電話、媒体はなんでもいい。情報の中 身が大切。放送とは何かがもう一度問われねばならない。 <新旧交代はあるか> ネット端末の主役と思われてきたパソコンの牙城はすでに崩れ始めている。 家庭利用を考えた場合、過剰機能で高価なパソコンはベストの機器ではない。 メール送受やテキスト情報なら携帯電話、PDAでも十分。プレステ2も注目株、 ゲーム機を超えた複合機能は多くの可能性を秘める。  FWAや無線LANの登場で出番がなくなってしまう?固定通信回線は、映像、ス トリーミングなど高速アプリケーション次第。まさに放送と競合。 <ネット経済の脆弱性> インターネットは、もともとベストエフォートの壊れたらごめんなさいの世 界。一部の先進的ユーザーだけが使っているうちはいいが、誰でも簡単に瞬時 にアクセスできるようになった場合どうなるかは予測不能。社会のインフラを 担うためには、トラヒックの急激な集中にも耐えられる堅牢さが必要。 ─────────────────────────────────── ◇消費は「単・純・迷・快」、企業は「複・雑・怪・寄」 (日経ビジネス1月10日号「2000年のビジネス白書」より) 混沌とした世の中に辟易した消費者は、使いやすさや分かりやすさ、心地よ さを商品やサービスに求め始め、企業を取り巻く環境は、日進月歩の技術革新 や国際競争の激化で更に複雑化…。そのキーワードは? <消費・生活編> 「単」:デジタル消費、主役は情報武装した欲張りな“独裁者” 「純」:“不純物”嫌う消費者。カギは安心できる商品の開発と情報開示 「迷」:自己責任の401K導入。“混迷”する個人資産は分かりやすい商品で 「快」:公的介護保険目前。高齢化・ストレス時代の願望は“快適さ” <企業・産業編> 「複」:技術革新停滞期。宝の山は、IT(情報技術)と既存技術の“複合化” 「雑」:ネットベンチャーなど、明日を担う“雑草企業”が次々勃興 「怪」:再編は大型M&Aと分割縮小が共存。“怪物”も太りすぎたら即解体 「寄」:連結決算が変える日本的経営。効率欠いた“寄り合い”ではダメ ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆---- 新年に当たり、今年のマルチメディア業界やビジネスの動向に関する特集記 事を3つ紹介した。いずれも要領よく的確にまとめられており、皆さんの事業 展開にも大いに役立つであろう。 退職、転居、起業…、あっと言う間の2年間であった。石の上にも3年。マ イクルにとっても今年こそいよいよ正念場!。これまでの反省を踏まえ、上記 記事も参考に、雄々しく飛躍したいと思う。 当面、ネットカーエージェント「Car24(*)」の充実を中心に、年度変わりを 目処に「おじさんの群」「マイクルプラン」を全面的に見直すつもりである。 (*) Your Best-Buy Guide「Car24」 http://www.car24.co.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●セブンイレブン、NEC・野村総研等と共同で、EC関連新事業会社を設立 〜インターネットとコンビニ店舗のマルチメディア端末を融合活用〜 ─────────────────────────────────── http://info.sej.co.jp/news/027.html (プレスリリース) http://www.7dream.com/ (セブンドリーム・ドットコム) セブンイレブン・ジャパン(51%)は、NEC(13%)、野村総合研究所(13%)、ソニ ー(6.5%)、ソニーマーケティング(6.5%)、三井物産(6%)、JTB(2%)、キノトロー プ(2%)の7社と共同で、2月にEC(電子商取引)関連の新会社「セブンドリーム・ ドットコム」を設立する。資本金50億円、( )は出資比率。 新会社は、ネット上のECサイト(6月開設)と、全国8000店舗内に設置するマル チメディア端末(10月以降順次導入)の双方で、旅行、音楽、写真、携帯電話、 チケット、書籍、車関連など広範囲のコンテンツやサービスを提供する。  売り上げは、2001年度で1500億円、2003年度で3000億円を見込み、総投資金 額は約400億円を予定している。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆---- 日経産業新聞(1月7日付)は、「コンビニを核に銀行業も視野に入れた、ネッ トと現実の世界を連携させた日本型巨大EC連合の誕生」「コンビニがネット時 代の最大最強の“千貨店”に変身」「“コンビニと携帯電話の融合”も模索、 日本型ECの確立を目指す」と報じ、さらに「これまで日本のEC事業をけん引し てきたソフトバンクと距離を置いた」点や「コンビニでの携帯電話販売が光通 信にとって大きな脅威になる」と指摘、「2000年は大企業のEC元年。ベンチャ ー主導のECに保守本流の大企業群がなだれこんでくる節目の年」と報じた。 まさに当を得た解説であり、参加企業の顔ぶれや事業戦略など、現時点で想 定し得る最大最強のEC企業の誕生ではある。しかし、かわら版で幾度も指摘し てきたように、この連合には、“地域”への視点・戦略が全く欠けている。 054号「コンビニ、駅、郵便局…、公衆マルチメディア端末関連の話題から」 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara054.txt 062号「モノからサービスへ、進化する自販機」 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara062.txt 068号「コンビニが牽引する消費者向けEC(電子商取引)事業!」 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara068.txt マルチメディア端末の地域情報サーバーとしての活用は、地域コミュニティ の核と成り、新産業をも創出し得る画期的可能性を持っている。 3万6千店舗に達し、郵便局の2万5千を遥かに凌ぎ、社会インフラとなったと 言われるコンビニだが…。 大都市部では相変わらず過当出店競争が続くものの、コンビニ空白地の地方 や田舎も数多い。NTTがよく言う、ユニバーサルサービスを提供してこそ“イン フラ”である。ベンチャーならいざ知らず、これら大企業には自ずからその責 務があろう。 目先の利益に汲々し、ネットバブルに乗り遅れまいとするあまり、長期的視 野とインフラの何たるかを忘れているとしたら、失敗は不可避である。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●スカパーも、CS/BS融合戦略強化へ ─────────────────────────────────── ◇NTT東日本と共同で、110度CS事業の企画会社設立 http://www.skyperfectv.co.jp/info/release/19991221.html (プレスリリース) スカイパーフェクTVとNTT東日本は、東経110度CS事業における加入者受付、 課金、請求等の顧客管理業務の事業性及びシステムの検討を行うための企画会 社「エスエヌ企画」を設立した。資本金は1億円で、両社がそれぞれ50%ずつ出 資。2000年夏ごろの事業化を目指す。 現行サービス(東経124/128度)については、コンテンツの更なる充実、通信サ ービス、データ放送など機能拡充を図りながら、中核事業として継続し、更な る普及促進を図る。 ─────────────────────────────────── ◇CS/BS融合パッケージ投入を検討 (日経産業新聞12月27日付記事より) スカイパーフェクTVは、東経110度CS放送で年末に始まるBSデジタル放送と組 み合わせた「融合パッケージ」を投入する。受信機や顧客管理システムをBSと 共通化し、1千万世帯以上への普及が見込まれるBS放送加入者を取り込む。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆---- ディレクの110度CSへの完全移行、すなわちBSとの共通化による起死回生の対 スカパー戦略と、現行サービスを優先、BSとの共通化には慎重な姿勢を取って きたスカパーの動きについては、これまでかわら版でも順次報じてきた。 056号「ディレクTV、BSと同軌道に移行」   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara056.txt 075号「ディレクTV、“大物”招聘で巻き返しへ」 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara075.txt 12月のスカパーの加入純増数は約10万6千件(累計160万件)、ディレクは3万8 千件(累計39万件)。受信機の価格低下や割安パッケージが貢献、両社とも単月 の純増数としては開局以来の最高を記録、累計加入数は今月にも200万を超える 見込みである。 スカパーは先月、400億円の増資(新資本金800億)と、株式公開準備を発表し た。 http://www.skyperfectv.co.jp/info/release/19991222_zoshi.html 現行サービスでの黒字化に目処が立ち、対ディレク戦略上からもCS/BS融合戦 略強化が必要と判断したのだろうが、かわら版074号「デジタル放送もNTT頼り ?」で報じたように、BSから締め出された?ソニーの巻き返し戦略の一環とい う見方もできるであろう。http://www.micle.co.jp/kawara/kawara074.txt ********************************************************************** ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メール マガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登 録メンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。 wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。 http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無 く転載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□企画・制作・発行□■ (有)マイクル http://www.micle.co.jp/ 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 **********************************************************************