**********************************************************************      ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■           第 079号 2000年 1月31日発行         〜総配信数 1,630部(含抄録版) Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中から  厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。             by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 01.Eコマースの話題から  ・99年の消費者向けEC市場は3360億円。5年後には6.7兆円に  ・1年半変わらないネット・ショッピング経験率の秘密  ・世界最大のオークションサイト「eBay」の仕組みとビジネスモデル 02.パソコンの話題から  ・パソコン春モデル続々登場。低価格化が一層進む  ・パソコンの経済的ライフサイクルが縮小傾向。3年から2年へ  ・パソコン出荷、カラーTVを逆転へ 03.ネットは打ち出の小槌か悪魔の小道具か?  ・「電網小国」ニッポン、不正アクセス事件に踊る  ・ウィルス被害届出件数、前年の1.8倍に。感染経路の67%は電子メール ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●Eコマースの話題から ─────────────────────────────────── ○99年の消費者向けEC市場は3360億円。5年後には6.7兆円に  http://www.ecom.or.jp/ (電子商取引実証推進協議会)  http://www.ecom.or.jp/seika/press/000119/index.htm (調査結果)  通産省の所管団体である電子商取引実証推進協議会(ECOM)とアンダーセンコ ンサルティングの調査によると、99年の日本国内の消費者向け電子商取引の市 場規模は推計で3360億円、電子商取引化率は0.1%。  前年の約4倍と予想以上の速度で成長しており、5年後には6.7兆円に達し、電 子商取引化率も2%を超えると予測している。  主要分野別の推計実績と予測は以下のとおり。        1999年    2004年 ( )は電子商取引化率  不動産 880億円( 0.2%) 11200億円( 3.0%)  自動車 860 ( 0.9 ) 14510 (14.5 )  PC関連商品 510 ( 3.6 ) 4870 (26.7 )  旅 行 230 ( 0.15) 12120 ( 7.7 )  金 融 170 ( 0.2 ) 4040 ( 5.0 )  食料品 170 ( 0.06) 3170 ( 1.0 )  衣 類 140 ( 0.1 ) 2860 ( 1.7 )  サービス 85 ( 0.01) 5280 ( 0.4 )  書籍・CD 70 ( 0.3 ) 1470 ( 5.3 ) ─────────────────────────────────── ○1年半変わらないネット・ショッピング経験率の秘密  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/editor/backnum/2000/1h/20000127.html  (日経BizIT 記者の眼)  http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/active.html  (日経ネットビジネス 「インターネット・アクティブ・ユーザー調査結果)  日経ネットビジネスが99年12月に調査したネットショッピング利用経験者の 比率は47.9%で、98年6月調査以来実に1年半の間ほとんど変わっていない。  この間女性比率は、12.3%(98年6月)、17.2%(98年12月)、21.0%(99年6月)、 25.0%(99年12月)と順調に伸び、ネット利用者数も98年に1000万を超え、99年末 には2000万に達したと見られる。  変化の激しいインターネットの世界で、1年半も変わらない数字を探すのは難 しい。利用経験率が伸びない理由は初心者の増加。ネットを始める主な動機は 電子メールやWeb閲覧で、初心者にとってネットショッピングの敷居は意外に高 い。横ばいは、ネット利用者が急激に増え続けていることの「証」でもある。 ─────────────────────────────────── ○世界最大のオークションサイト「eBay」の仕組みとビジネスモデル  http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/fri/cyber/busex/ebay.html  (富士通総研「サイバービジネスの法則集」より)  http://channel.goo.ne.jp/ch11/ (goo eBay日本語サイト)  Amazon.comに次ぐECサイトとして注目を集めているのが、個人売買を対象と した世界最大のオークションサイト「eBay」。99年12月末現在、登録ユーザー 数は約770万人、1日当たり250万件以上ものオークションが開催されている。  eBayは創業当初から黒字を実現するネットビジネス展開企業にしては異例の 企業。98年度の売上は4735万ドル、利益239万ドルと驚異的に成長。  そのビジネスモデルは、出品物の事前確認や落札後の取引や決済に一切タッ チせず、あくまで自由な個人間取引のための場としての必要最低限のシンプル な仕組みの提供。このため商品の鑑定リスクや代金回収リスクも負わない代わ り、出品手数料(25¢〜2$)やコミッション(落札価格の5%以下)が低く設定され ているのが特徴。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  これまで、お役所の予測数値や発表数値は常に疑問を持って見てきた。ほと んどが自省庁に都合がいいよう楽観的な見方をする。算出根拠を見れば一目瞭 然なのだが、多くの企業が経営戦略や新事業企画の説明用にこの数値を利用す る。で、当然のごとく失敗する。  前記ECOMの調査・予測数値についても全く同様である。数値はネット販売事 業者524社へのアンケートとインタビューをまとめたものがベースで、しかも回 答率は約5割に過ぎない。  現在私は、クルマ購入支援サイト「Car24」に全面的に関与している。5年後 に1兆5千億近くに成長するという自動車関連の予測数値についても誠に嬉しい 限りではあるが、素直に信じる気にはなれない。我国の市場実態を鑑みる事無 く、米国のビジネスモデルをそのまま持ち込んだオートバイテルやカーポイン トなど外資系サイトの回答が反映されているのであろう。  過度の期待を持つことなく、現実を直視し、顧客サービスをより充実させ、 一歩一歩着実に実績を積み重ねる以外に成功の道はない。  先日、サイト訪問者を対象に「Car24ホームページアンケート」を実施した。 質問項目の多い面倒なアンケートにもかかわらず、600名近くが回答を寄せ、 貴重な意見や要望も多数いただいた。  集計結果を下記にアップした。ネットショッピング経験や回答者属性など非 常に興味深いデータも多い。是非アクセスしてみて欲しい。  http://www.car24.co.jp/other/question.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●パソコンの話題から ─────────────────────────────────── ○パソコン春モデル続々登場。低価格化が一層進む  http://pcgaz.nikkeibp.co.jp/ (日経Pc-Gaz パソコン春モデル総覧)  ソニー、東芝、日本IBM、NEC、富士通の春モデル情報を特集。最新CPU搭載機 や、動画やAV機能など高性能化が進む一方、デスクトップ型で10万円、ノート 型で20万円を切るモデルが登場するなど、低価格化が一層進んでいる。 ─────────────────────────────────── ○パソコンの経済的ライフサイクルが縮小傾向。3年から2年へ  http://bizit2.nikkeibp.co.jp/wcs/usn2/article/20000118/07.shtml  (日経BizIT USニュースフラッシュより)  「パソコンがその価値を維持できるのは長くて3年」。米IDCがパソコンの経 済的ライフ・サイクルに関する調査結果をまとめた。それによると「3年」がそ の価値を維持できるぎりぎりの期間。また同社のさまざまな調査結果を考慮す ると、この期間はさらに短くなっており、「2年以内」に近づいているという。  「メーカは今後もパソコンの価格を下げていく、同時にプロセサの速度も上 がる。ユーザがより性能の高いシステムをより低い価格で購入できるという状 況が続く限り、パソコンの経済的ライフ・サイクルは縮小していく」。 ─────────────────────────────────── ○パソコン出荷、カラーTVを逆転へ  1999年度の日本で、IT(情報技術)革命を象徴する二つの逆転現象が起きた。 一つは移動電話(携帯/PHS)と固定電話。移動電話加入台数は2000年3月末で5770 万に達する見通し。これに対し、NTTの固定電話は5600万台まで落ち込むと予想 され、爆発的成長を遂げた移動電話に主役の座を明け渡す。  もう一つはパソコンとテレビ。パソコンの99年度出荷台数は千万台突破が確 実で、ここ5年ほど年間千百万台前後で推移するカラーテレビにほぼ肩を並べ、 来年度には抜き去る。  二つの逆転現象が生み出すものは「データウェーブ」。ネット先進国米国で は、パソコン出荷台数がテレビを上回ったのは96年。それから2年後の98年にデ ータ通信が音声を追い抜いた。我国でも来年度中にデータ通信が音声を逆転、 インターネット利用が爆発的に広がり、3年後にはデータ通信量が9割に達する との見方も出ている。(日経産業新聞1月21日記事より) ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  私の愛機は1昨年の3月に購入したソニーのVAIOノート「505X」。メモリーを 64MBに増設した他は、ハード面でのアップグレードはしていない。パソコンは ご存知のように春の新入学・入社時、夏冬のボーナス時と、需要期に合わせ年 3回各社から新型モデルが登場する。そしてその度毎に性能・機能は大幅にアッ プする。急激な改良の繰り返しに憤りを感じるユーザーも少なく無いだろう。  <VAIO505の変遷> http://www.vaio.sony.co.jp/Products/  型式 発売日 CPU メモリ HDD モデム その他 505 97/11/20 133MHz 32MB 1.0GB 33.6kbps 505X 98/3/7 166 32 2.1 33.6  HDD容量アップ 505EX/64 98/5/16 233 64 2.1 33.6  メモリアップ 505RX 98/10/17 266 64 4.3 56 ポリシリコン液晶等  505SX 99/01/21 300 64 6.4 56 動画像対応等  N505SR 99/07/17 400 128 8.1 56 2周年記念モデル  Z505NR 00/01/29 500 128 12 56 12.1型TFT液晶等  私は今のスペックに不満は無い。HDD容量も、かつてよくやった××画像の収 集を止めてからは十分足りている。こんなハイスペックを必要とするのは極一 部のユーザーだけだろうし、省エネ・省資源にも逆行する。  昨年企画したビギナーPCのコンセプトは今でも正しいと思っているが、ドッ グイヤー(*)以上のスピードで進む業界環境の激変にはとてもついて行けそうも 無い。大は小を兼ねるとの諺でも思い出して、不承不承納得するしかないので あろうか。  因みに携帯電話は97年の6月に購入したIDOのデジタルミニモ「502G」。音声 通話のみの使用では全く不自由を感じていない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ネットは打ち出の小槌か悪魔の小道具か? ─────────────────────────────────── ○「電網小国」ニッポン、不正アクセス事件に踊る  http://www.mainichi.co.jp/digital/ (毎日新聞 DIGITALトゥデイ)  http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/ (インターネット事件を追う)  「どうしたらいいんでしょう」。ある官庁のホームページ担当職員のこの言 葉が、中央省庁サイトの連続ハッキング事件に対する霞ヶ関の本音を代弁して いるのかもしれない。  「日本人は負け犬だ」「南京大虐殺を認めない日本政府に抗議する」…。24 日の夕刻に見つかった科学技術庁のケースを手始めに、4日間立て続けに7件。 警視庁はすでに捜査を開始し、政府も原因究明と対応策の検討に追われている が、長期戦の気配濃厚だ。新たな被害はいつ発生するかも分からない。 ─────────────────────────────────── ○ウィルス被害届出件数、前年の1.8倍に。感染経路の67%は電子メール  http://www.ipa.go.jp/SECURITY/txt/attach/2000_01-1.html  (情報処理振興事業協会 「1999年ウイルス被害届出状況」より)  情報処理振興事業協会(IPA)の発表によれば、同協会に届出のあった昨年1年 間のウィルス被害件数は3675件と、98年の1.8倍に増加した。届出されたウイル スは70種類で、そのうち昨年初めて届け出られたウイルスは24種類(1658件)。  感染経路としては、メールの機能を悪用したトロイの木馬型ワームの出現に より、メール感染が増加しており、海外からのメールを含むと67%を占める。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  日刊ゲンダイ「Dailymail Business」の【打ち出の小槌か悪魔の小道具か。 ネットは世の中をこう変える】という連載コラムが面白い。  http://www.ngendai.com  1月29日号は、年明け早々の中学生や主婦の電脳詐欺事件や、ハッカー攻撃、 機密情報漏洩等ネット犯罪の広がりを取り上げ、最後にこう結んでいる。「ネ ットは幸せをもたらす打ち出の小槌になるのか、それとも悪魔の小道具になっ てしまうのか。ユーザーのモラルと自己責任が問われることになる。」  まさにそのとおりである。私の運営する「おじさんの群」の掲示板「おじさ ん赤提灯」にも、マルチ商法や詐欺まがい商法の投稿が後を絶たない。  http://www.micle.co.jp/mura.htm  また、最近私のメールボックスにも、訳の分からない英文メールが毎日のよ うに届く。先週はウィルスの洗礼も受けた。W97M/Markerというマクロウィルス である。友人が添付したWordファイルが感染していた。幸い大事には到らなか ったが、友人のノートPCはOSの再インストールを余儀なくされたようである。 ワクチンソフトで全ファイルをチェックしたところ、前記記事のHappy99も2件 発見された。くわばら、くわばら。 ********************************************************************** ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メール  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