********************************************************************** ■□■ 電網かわら版『必読!ITメディア』 ■□■ 第 104号 2000年12月11日発行 〜総配信数 1,860部 Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中   から厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。  ◇当メルマガは電網企画会社「マイクルプラン」の機関紙として発行して   います。マイクルプランについては下記URLをご覧ください。   http://www.micle.co.jp/plan/                   by マイクル渡辺 info@micle.co.jp ********************************************************************** 【最近のニュース&トピックスから】 01.マルチメディア端末の話題から  ・セブン-イレブン、「セブンナビ」の導入開始  ・OS競争が激化。ローソンはLinux、セブンはWin2000 02.ゲーム関連の話題から  ・セガ、衛星放送受信端末にドリームキャスト組み込みへ  ・プレステ2がゲーム機の首位から転落  ・NINTENDO64利用のネット接続サービス「ランドネット」が終了へ 03.吉か凶か?、楽天がインフォシーク買収 04.サイバー・スペース無料時代の終焉?、問い直される情報の価値 ********************************************************************** 【最近のニュース&トピックスから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●マルチメディア端末の話題から ─────────────────────────────────── ○セブン-イレブン、「セブンナビ」の導入開始 http://sej.gsc.ne.jp/06/0601/0601link/048.html  セブン-イレブン・ジャパンとセブンドリーム・ドットコムは、マルチメディ ア端末「セブンナビ」の導入を開始した。都内2店舗を皮切りに来年1月末まで に都内約1,200店へ導入、順次全国8400店以上へ展開する。  サービスは当初は、「ショッピング」「フォトプリント」「旅行&レジャー」 「CD&DVD」「ミュージックダウンロード」の5つのコンテンツより開始、マル チメディア・コピー機との連携や、シャープのPDA「ザウルス」との連携などビ ジネス市場への展開も予定している。  端末は、NECと共同で開発、セブンドリームのデータ・センターとは衛星と専 用線を使って接続する。  セブンドリームは既にパソコンやゲーム機向けの「7dream.com」、携帯電話 向けの「ぷちdream.com」といったWWWサイトを立ち上げており、今後はCSデジ タル放送との連携も視野に、店舗とネットを融合した「日本型EC」を本格的に スタートさせる。 ─────────────────────────────────── ○OS競争が激化。ローソンはLinux、セブンはWin2000 http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/NC/ITARTICLE/20001124/2/  コンビニなどに設置するマルチメディア端末やサーバーへの採用を巡って、 LinuxとWindows2000が熾烈な競争を繰り広げている。全国に散らばる多数の店 舗に配置する端末やサーバー機に搭載するOSには、(1)価格が安い、(2)アプリ ケーションの開発が容易、(3)保守性に優れるといった三つの条件が求められ、 現時点でこれらの条件をクリアできるのは、Win2000とLinux。  ローソンは全店舗にLinux搭載サーバーの設置を決めた。一方、セブン−イレ ブンやファミリーマート連合は、Windows2000搭載端末を大量導入する。 機器名 設置企業 搭載OS 設置場所 目標台数 ・Loppi ローソン Linux コンビニ 15,200台 ・e-TOWER イープラット(*1) Win2000 コンビニ 13,000台 ・セブンナビ セブン-イレブン Win2000 コンビニ 8,400台 ・未定 ミックスキューブ Win2000 コンビニ/金融機関 3,000台 ・Keyciao パイオニア Linux CDショップ 3,000台 ・DCT(*2) デジキューブ Win2000 CDショップなど 1,000台 *1:ファミリーマート、サークルケイ、サンクスアンドアソシエイツ、スリ ーエフ、ミニストップ、トヨタ自動車、NTTコミュニケーションズの7社 が共同設立したマルチメディア端末向けサービスの運営会社 *2:デジタルコンテンツターミナル ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  OS競争と併せ、システムやハードメーカー間の競争も激化している。先行し たIBMに対しNEC、富士通が巻き返し、結局、LoppiはIBM、e-TOWERは富士通、 そしてセブンナビはNEC、がそれぞれ主導権を握ることになったようだが…。  成否は偏にサービス&コンテンツ!。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ゲーム関連の話題から ─────────────────────────────────── ○セガ、衛星放送受信端末にドリームキャスト組み込みへ http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNB/NEWS/20001116/2/  セガは、ゲーム機「ドリームキャスト」の機能を2001年末から始まる次世代 CSデジタル衛星放送受信端末に組み込み、衛星データ放送によるゲーム配信サ ービスを展開する。データ放送をコンテンツ販売の新たなチャネルとして利用 するとともに、Web閲覧や対戦ゲームも可能にしたい意向。  既に複数の大手電機メーカーと、内蔵型および外付け型端末の共同開発を進 め、次世代CSデジタル放送局のシーエス日本やシーエス・ワンテンへ資本参加 する意向も表明している ─────────────────────────────────── ○プレステ2がゲーム機の首位から転落 http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/prom/118224  家電量販店の売れ筋データをインターネットで提供する「日経BP・GfK Sales Week3200」によると、ゲーム機の製品別ランキングでソニー・コンピュータ・ エンタテインメントの「プレイステーション2」がトップから転落した。  プレステ2は、5月第2週から28週間連続して首位を独走していたが、今週(11 月20日〜26日)はシェアが前週に比べ24.6ポイントも下がり、一挙に3位にまで 順位を下げた。プレステ2から1位の座を奪ったのは任天堂の「ゲームボーイカ ラー」。2位の座は前週と変わらずソニーの「PSone(SCPH-100)」が占めた。 ─────────────────────────────────── ○NINTENDO64利用のネット接続サービス「ランドネット」が終了 http://www.randnetdd.co.jp/  任天堂とリクルートの合弁会社が開始した、ゲーム機「NINTENDO64」を利用 したネットワーク接続サービス「ランドネット」が来年2月末で終了する。  99年12月にサービスを開始、64に通信機能を付加する周辺機器を付けてネッ ト端末とし、定額制のネット接続やネットワークゲームを提供するサービスと して注目を集めていたが、会員数が伸び悩んでいた。  サービス停止の理由について、当初予定していたコンテンツ開発の遅れや次 世代機の登場で、満足のいくサービス提供が困難になったためとしている。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  日経産業新聞12月6日付のコラム「ソフトな話題」は、「面白み乏しいPS2ソ フト」と題し、PS2を巡るソニーとソフトメーカーとの協力体制のひずみを取り 上げ、こう記している。  ソフトが出ないのはメーカーの準備不足ではなく、PS2をデジタル家電の中核 機器扱いし始めたソニーグループへの不信感の表れとも言える。  「ゲーム市場は端境期」。任天堂とマイクロソフトの新型機発売をにらんで、 中間決算で聞かれた各社のもう一つの言い分だ。しかし、問題はハードの選択 ではない。一家庭に複数のゲーム機があってもおかしくない時代。消費者の日 常的な話題に登場し、新しい時代を切り開くようなソフトを生み出せないなら、 インターネットや携帯電話を使ったゲームに市場そのものが奪われるという端 境期だ。  ゲーム機業界三国志。勝負の行方は未だ見えず!。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●吉か凶か?、楽天がインフォシーク買収 http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/118374  ショッピングモール&オークションサイト「楽天市場」を運営する楽天は、 ネット検索のインフォシークを約90億円で買収、完全子会社化する。  楽天市場へのアクセス増加が狙いで、ページビューが伸び悩みポータル・サ イトの中では地味な存在になっているインフォシークと、ヤフーショッピング の猛攻を退けたい楽天の思惑が一致した。  楽天は、ネット関連企業としては相当の成功を収めているものの、最近出展 店舗の撤退が目立ち、同社の成長に陰を落としている。最盛期には900万円近い 値がついた同社株も100万円強で低迷を続けている。  インフォシークの業績も振るわず、2000年9月期は売上高こそ11億4500万円と 大幅増だが、経常損失も6億4900万円と赤字幅が拡大している。  インフォシーク買収は、今後楽天の連結ベースでの決算に悪影響を与えるこ とは必至。吉と出るか凶と出るか、その成り行きが注目される。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  このニュースを報じた12月1日付日経産業新聞は、さらに以下のように解説し ている。まさにそのとおりだろう。  出展料収入のECサイトから、広告収入も入る総合メディアへの転身−−。楽 天は老舗のポータルサイトインフォシークを手に入れたことで収益構造の多様 化を目指す。だが、インフォシークが国内で置かれた実態からすれば、実現へ の道は決して容易ではない。(略)  楽天の三木谷浩史社長は「両社のサイトを連携して、集客力を高めることで、 従来のバナー広告だけでなく、ECの販促目的など広告の種類を広げられる」と メリットを強調する。  しかし、強力なブランド力を持っている楽天は集客力の向上よりも、コンテ ンツの強化などサイトの質的な魅力を上げることが課題だ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●サイバー・スペース無料時代の終焉?、問い直される情報の価値 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USIT/20001210/1/  「インターネットの情報やサービスは、無料で手に入る」という常識が崩壊 し始め、情報有料化の試みが再び始まった。  米国の無料サービス・プロバイダーが次々と廃業に追い込まれている。同じ 現象は、ニュースなどのコンテンツ提供業界でも起きている。  理由は、運転資金の大半を占めるベンチャー・キャピタルや株式公開での資 金調達が、ITバブル崩壊によって絶ち切られたから。  主たる収入源としていた広告収入は微々たるもの。ネット広告特にバナー広 告の効果は期待外れで、広告料金も下落した。自力で収支を改善するには、コ ンテンツを有料化するしかない。  かつてコンテンツ業者は、サービスの有料化を試みて失敗した苦い経験があ る。インターネットでの情報有料化が難しいのはなぜか?。  新聞の購読料には、情報の価値だけではなく、販売・流通網といった「情報 の流通手段」のコストも含まれている。ネットでは、こうしたコストは格段に 低い。情報(記事)そのものも、企業/組織や政府関連のいわゆる「発表もの」が 少なくない。要するに、「簡単に手に入る情報」を「誰でも情報を流すことの できる」メディアがインターネットであり、課金は経済原理的に容易でない。  事業者は、かつての失敗を踏まえて、プレミアム・サービスなど今度は若干 違った戦略でサービスの有料化を模索している。例えば普通の経済・金融記事 は無料だが、それ以外の投資家向けの専門情報を有料化したり、モバイル向け に音声化した記事を有料で提供するなど。  こうした、専門性の高い情報への課金はメディアとして本来のあるべき姿に 戻ったとも言える。  米国で始まった波、日本にも押し寄せるだろうか。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  当かわら版でもしばしば取り上げ、マイクルも常々啓発されているニューヨ ーク在住のジャーナリスト小林雅一氏のレポートである。  この実践はいずれ「くるまーと」で試みよう。 http://www.kurumart.com/ ********************************************************************** ◇電網かわら版は、『まぐまぐ(ID:0000005947)』『Macky!(ID:0079)』  『melma!(ID:m00017577)』で発行しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記でお願いいたします。バックナンバーも  ご覧いただけます。 http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!ITメディア』の全文または一部の文章を、許可無く転  載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■ 企画・制作・発行 (有)マイクル http://www.micle.co.jp/ ■□ 〒242-0006 大和市南林間2-8-12-203 046-271-3336(Tel),3337(Fax) **********************************************************************