********************************************************************** ■□■ 電網かわら版『必読!ITメディア』 ■□■ 第 147号 2004年 1月26日発行 〜総配信数 1,400部 Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中   から厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。                   by マイクル渡辺 info@micle.co.jp **********************************************************************  本日の日経ビジネス Expressメールに、作家、司馬遼太郎が、著書『この国 のかたち』で、「一人のヒトラーも出ずに、大勢でこんなばかな四十年を持っ た国があるだろうか」と嘆いた言葉の先にあったのは、国民の主体性のなさだ ろう。とあります。 http://nb.nikkeibp.co.jp/members/COLUMN/20040123/105196/  冷夏や暖冬の温もりが、未曾有の不況、そして吹き荒ぶリストラの嵐を和ら げ、断末魔の“ゆでガエル”をいささかでも生き長らえさせているうちに、国 家百年の計を危うくする事態が着々と進んでいます。  いつか来た道をまっしぐら、にならねばいいのですが・・・  私はと言えば、年末年始を何時になくのんびりと過ごした反動か、厳しき寒 気がことのほか身にしみる昨今です。  さて、昨年12月、テレビ50年の歴史に革命をもたらす「地上デジタル放送」 が、数多の問題点を置き去りにしたまま、東京、名古屋、大阪でついに始まり ました。このまま推移すれば、2011年までに全国の放送がデジタル化され、今 の受信機そのままでは、テレビが全く見れなくなります。  今回のかわら版はこの問題を取り上げ、特集・解説記事、そして賛否両論を ご紹介いたします。 ─────────────────────────────────── 【「くるまーと」の話題から】 01.『週刊くるまーと』200号突破 02.「車何でもランキング」より 【最近のニュース&トピックスから】〜「地上デジタル放送」特集 01.マイクルの視点 02.特集・解説記事 03.推進派のサイト 04.反対派のサイト ********************************************************************** 【「くるまーと」の話題から】 http://www.kurumart.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●『週刊くるまーと』200号突破 http://www.kurumart.com/mag/  本業のメールマガジン『週刊くるまーと〜賢く選んで、楽しく運転〜』が、 2000年2月の発刊以来、04年1月17日号で200回の発行を重ねることができまし た。読者の皆様に深く感謝いたします。  今後も「賢く選んで、楽しく運転」の一助となるべく、精進してまいります ので、引き続きよろしくお願いいたします。 ─────────────────────────────────── ●「車何でもランキング」データ追加 http://www.kurumart.com/ranking/  よく売れている車は?に、12月度および2003年年間の新車販売ランキングを 追加しました。  乗用車系は、10月下旬にモデルチェンジした「オデッセイ」が「カローラ」 「フィット」を抑えて首位に立ちました。コンパクトカー、ミニバンが相変わ らず上位を占める中で、「レガシィ」がセダン系で唯一ベストテン入り、健闘 しています。  年間では、「カローラ」が2年ぶりに首位に返り咲き、トヨタはベストテン 中の6車(ウィッシュ:3位、ist:6位、ノア:8位、アルファード:9位、エス ティマ:10位)を占めました。ホンダは「フィット」が2位、日産は「キュー ブ4位「マーチ」が5位、マツダは「デミオ」が7位にランクインです。  軽乗用車は「ライフ」が3ヶ月連続で首位、以下「ワゴンR」「ムーヴ」「eK ワゴン」と続いています。ダイハツ「タント」が7位、スバル「R2」が8位と新 型車もランクインしました。  年間では、「ムーヴ」が初の首位に立ち、7年連続首位の「ワゴンR」は2位 に後退、以下「ミラ」「アルト」「ライフ」と続いています。  外国車は、新型車(3/5シリーズ)が好調の「BMW」が、98年7月以来の単月首 位に立ちました。4位「プジョー」5位「アウディ」とも月販台数が2000台を超 え、各々月販最高を記録し好調です。  年間では「フォルクスワーゲン」が4年連続で首位、以下「メルセデスベン ツ」「BMW」「プジョー」「ボルボ」と続いています。  モデル別販売台数(年間)は、VW「ゴルフ」がBMW「3シリーズ」を抑え首位、 以下VW「ポロ」、BMW「MINI」、ベンツ「Eクラス」「Cクラス」が上位を占め ています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【最近のニュース&トピックスから】〜「地上デジタル放送」特集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●マイクルの視点  地上デジタル放送は、“デジタル化”という時流を利用して権益拡大を図 る総務省と、“デジタル家電”という幻想で売上拡大を狙う家電メーカーの 思惑が一致した“国策”に他なりません。政官業のトライアングルの構図そ のものです。  日経BP WPC ARENAは「知っておきたい!地上デジタル放送の新常識」と題し て特集、以下のタイトルで解説しています。 http://arena.nikkeibp.co.jp/tokushu/digitaltv/20031205/01/ ・12月1日は記念日か?それとも苦難の始まりか? ・ワイド、高精細画面で迫力倍増! ・マルチ編成やモバイル向け放送も! ・データ放送、番組参加、電子番組表もOK! ・テレ朝が「5」?テレ東が「7」?チャンネルが変わる! ・どんな番組が放映されている? ・受信に欠かせないモノ ・普及の起爆剤となるか?ケーブルテレビの再送信 ・地上デジタル放送は「1回だけ録画可能」に ・地上デジタル放送の録画を考える  また、asahi.comのニュース特集「 地上デジタル放送」も、下記タイトルで 解説しています。タイトルだけでも、深刻な現状が理解できるでしょう。 http://www.asahi.com/special/broadcast/ ・戻れぬ道:1億台一新、猶予8年 ・電波の跡地:有効活用、道筋見えず ・ソフト:複製対策、視聴者に負担 ・地方局の活路:採算いかに、合理化切実 ・消える垣根:大競争の波、他媒体にも  総務省は、「新しい楽しい地上デジタルテレビ放送−パーフェクトガイド」 の「なぜ今デジタル化なの?」で下記5項目を上げ、従来のアナログ方式に比 べて、全国どこの地域でもより高品質な(ゴーストや雑音のない)映像と音声を 受信できると強調しています。 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/digital-broad/ 1. 高画質・高品質な映像・音声サービス 2. データ放送 3. 高度な双方向サービス 4. 高齢者・障害者にやさしいサービスの高度化 5. 安定した移動体向けサービス  一方、反対派は、通信と放送研究会が「地上波デジタル放送への国費投入に 反対する」提言をまとめています。 http://www.telecon.co.jp/ITME/Signature/0808.html 1.デジタル化計画は非現実的であり、電波の有効利用にはならない 2.法の下の平等に反し、電波再配分の原則を破壊する 3.放送局のコストを携帯電話の利用者に転嫁することは不公正である 4.報道機関の独立性を失わせ、表現の自由を脅かす 5.アナアナ変換しなくてもデジタル化は可能である  また、元西日本放送社長で現職の自由民主党衆議員議員、平井卓也氏は「ア ナログテレビはなくならない〜地上波デジタル凍結を提言する〜」と題し、下 記項目を解説・提言しています。 http://www.hirataku.com/contents/seisaku/seisakus/analog1.htm ・テレビが見られない!? ・地上波のデジタル化とは ・デジタル化の経緯 ・放送デジタル化のメリットはあるのか ・デジタル化は「いばらの道」 ・いくらかかる?「アナアナ変換」 ・米英であいつぐ地上デジタル放送計画の延期 ・国民のニーズはあるのか ・総務省よ、どう責任をとるつもりだ ・インターネット利用者数の推移 ・「国民主体」の解決策を ・地上波デジタル化の凍結 ・通信との共存で放送サービスの向上を ・放送の役割とアナログの機能  オープンセレモニーで、麻生総務相は「約200兆円の経済波及効果が期待で きる」と大ブロシキをブチ上げたそうです。かつて郵政省の電気通信審議会答 申が、2010年のマルチメディア(情報通信)市場を123兆円と予測したことがあ りました。お役所の甘々水ぶくれ予測は一向に変わらぬようです。  200兆円は設備投資や放送事業収入、様々な波及効果のほか、多くを占める のは全国に1億台以上あるアナログテレビの買い替えです。  売れ始めたとは言え、まだまだ数十万円するプラズマテレビや大画面液晶テ レビは、一般家庭(もちろん我が家)には高嶺の花ですし、この先数千〜数万円 もだせば買えるアナログテレビ並に価格が下がるとは到底思えません。  衛星放送(BS、CS)、CATV、そして何より(ブロードバンド)インターネット。 競合メディアはより進化するでしょう。受信機も、パソコンがテレビの座を虎 視眈々と狙っています。  民放各社が地上波デジタル化に必要な設備投資額は、およそ8100億円と言わ れています。視聴率稼ぎの粗悪番組が横行する中、投資が増えた分制作費がカ ットされ、番組の質が低下すれば益々視聴者にそっぽを向かれるでしょう。  世界初の地上波デジタル放送局、英国の「ITVデジタル」は、開局からわず か4年で経営破綻し、米国やスペインも苦戦しています。視聴者がデジタル放 送に魅力を感じず、加入者が伸び悩んだからです。  まともな議論は無しにして、既成事実を積み上げる。お上を追認するだけの 主体性のない国民は、唯々諾々と従うだろう。自衛隊派遣や道路公団、郵政民 営化問題等またしかり。  その結果は明瞭です。歴史が繰り返すことのないよう祈るのみです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●特集・解説記事 ─────────────────────────────────── ○日経BP WPC ARENA:知っておきたい!地上デジタル放送の新常識 http://arena.nikkeibp.co.jp/tokushu/digitaltv/20031205/01/ ○asahi.com ニュース特集「 地上デジタル放送」 http://www.asahi.com/special/broadcast/ ○日経ITビジネス&ニュース特集:地上デジタル放送スタート http://it.nikkei.co.jp/it/news/g_wave_d.cfm ○YOMIURI ON-LINE−ネット&デジタル特集:地上波デジタル放送 http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/fe_digital.htm ○Yahoo!テレビ:地上デジタル放送特集 http://tv.yahoo.co.jp/special/digital_tv/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●推進派のサイト ─────────────────────────────────── ○総務省:新しい楽しい地上デジタルテレビ放送−パーフェクトガイド http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/digital-broad/ ○D-pa (社)地上デジタル放送推進協会 http://www.d-pa.org/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●反対派のサイト ─────────────────────────────────── ○通信と放送研究会:「提言」地上波デジタル放送への国費投入に反対する http://www.telecon.co.jp/ITME/Signature/0808.html ○自民党 衆議員議員 平井卓也氏のホームページより ・こうすれば成功する!地上デジタル放送計画見直しアクションプラン(03/5) http://www.hirataku.com/contents/seisaku/seisakus/0515digital.htm ・地上波デジタル計画は破綻する。勇気あるいったん停止を!(02/11) http://www.hirataku.com/contents/seisaku/seisakus/digital-hatan1.htm ・対談 吉田望meets平井卓也:いま敢えて問う「地上波デジタル凍結」(02/3) http://www.hirataku.com/contents/seisaku/seisakus/analog.taidan.htm ・アナログテレビはなくならない〜地上波デジタル凍結を提言する〜(02/3) http://www.hirataku.com/contents/seisaku/seisakus/analog1.htm ○RIETI(経済産業研究所)「IT@RIETIコラム」より ・地上波デジタル化の一旦停止を(03/4) http://www.rieti.go.jp/it/column/column030430.html ・デジタル放送の「善意の嘘」は許されるか(03/9) http://www.rieti.go.jp/it/column/column030924.html ○団藤保晴の「インターネットで読み解く!」より ・特集:地上デジタル録画の怪・2003年読者(04/1) http://dandoweb.com/backno/20040113.htm ・第132回「テレビ地上波デジタル化の読み違い」(03/3) http://dandoweb.com/backno/20030327.htm ○Blog「GEEK」より ・嘘くさい調査結果「地上波デジタル放送」(03/11) http://pixie.homeip.net/geek/archives/000759.html ********************************************************************** ◇電網かわら版は、『まぐまぐ(ID:0000005947)』『Macky!(ID:0079)』  『melma!(ID:m00017577)』で発行しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記でお願いいたします。バックナンバーも  ご覧いただけます。 http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇内容および広告掲載等のお問い合わせは、 info@micle.co.jp へ。 ◇電網かわら版『必読!ITメディア』の全文または一部の文章を、許可無く転  載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■ 企画・制作・発行 (有)マイクル http://www.micle.co.jp/ ■□ 〒242-0006 大和市南林間2-8-12-203 046-271-3336(Tel),3337(Fax) **********************************************************************